京都の石像寺(釘抜地蔵)|病や心の苦しみから解放してくれる空海ゆかりのパワースポット!

京都市上京区の千本通りにある「石像寺(釘抜地蔵)」は、入口が狭い路地になっているので、見過ごしてしまいそうなお寺ですが、京都の地元民のあいだではとても有名で「くぎぬきさん」と呼ばれ親しまれていています。

Sekizouji

石像寺(しゃくぞうじ)が「くぎぬきさん」と呼ばれるようになったのは諸説ありますが、あらゆる病や心の「苦」を釘に例えて抜いてもらえるとされています。

本当に「苦」を抜いてもらえるのか?ご利益はあるのか?と思われるでしょうが、祈願成就の証として、奉納されている釘抜と釘の絵馬が本堂(地蔵堂)の外壁全面を覆っていることから、その効果が見て取れます。

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石像寺には「こころの相談室」というのがあり、臨床心理士でもある住職が個人の悩み事も秘密厳守で聞いて頂けます。悩み相談の詳細は、最後の「まとめ」にパンフレットを貼っておきますので興味のある方は確認してください。

苦しみを根こそぎ取るなら、知る人ぞ知る京都のパワースポット石像寺(通称:くぎぬきさん)にお参りしてみてはどうでしょうか。

石像寺(釘抜地蔵)とは

正しくは、光明遍照院石地蔵(こうみょうへんじょういんしゃくぞうじ)という浄土宗の寺院で、弘法大師(空海)の開基と伝えられ、もとは真言宗でしたが、源平の乱で焼失した東大寺の復興を果たした僧である「重源上人(ちょうげんじょうにん)」が中興してから浄土宗になったそうです。

地蔵堂(本堂)

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大きな釘抜のオブジェの後ろにあるのが地蔵堂で、弘法大師が作ったと伝えられている石像地蔵菩薩立像(せきぞうじぞうぼさつりゅうぞう)が安置されています。

この石像菩薩が釘抜地蔵といわれるようになったのは、苦しみを抜き取ってくださるという信仰から苦抜地蔵と呼ばれていたのが、なまって釘抜地蔵になったという説と、病気に苦しむ商人の手から二本の恨みの釘を抜いて救ったことから釘抜地蔵といわれるようになったという説などがあるそうです。

余談になりますが、ある親子の出来事で次のようなことがあったそうです。それは、仕事もせずに常にお金をせびりに来ていた、道楽者の息子がいて困っていたところ「くぎぬきさん」に「釘を打って来ることがないように」とお願いすると、道楽者の息子がお金をせびるどころか、仕事をし始めて小遣いまでくれるようになったというのです。

嘘のような本当の話しで、釘抜地蔵はどうやら釘を抜くだけだはなく「釘を刺す」こともできるようですね。

釘抜のオブジェ(エンマ)

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地蔵堂(本堂)の正面中央には大きな釘抜きのオブシェが立っています。これは、東福寺本堂の天井に描かれている蒼龍図も手掛けた、有名な日本画家である堂本印象が、母親の回復祈願のために奉納されたものです。

石地蔵の通称になっている「くぎぬきさん」のオブジェは、見るからに力強い釘抜きで、これをもってすれば、いかなる「苦」の釘も抜けそうで、ご利益を感じます。

釘抜きには、エンマとカジヤ、バールの三種類があるのですが、このオブジェはエンマという釘を抜く道具です。エンマと呼ばれるのは、地獄の閻魔(えんま)大王が罪人の舌を抜く時に使用するとされることから、この名があります。

「くぎぬきさん」から千本通りを北に250m(徒歩で5分程度)ほど歩くと西側に、ご本尊が圧巻の閻魔像である「千本ゑんま堂」がるのも何か不思議なつながりを感じます。

重要文化財の阿弥陀三尊像(あみださんぞんそう)

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地蔵堂の裏には、重要文化財に指定(2010年)されている石造りの阿弥陀如来坐像と脇侍の観音菩薩・勢至菩薩(せいしぼさつ)像が安置されています。

銘によると鎌倉初期の傑作で、1つの石から掘り出した石仏としては日本最古といわれていて、元仁元年(1225年)に佐伯朝臣為家(さえきあそんためいえ)によって彫られ、翌年に開眼供養したとされています。

お百度参りに来ていたお婆さんに聞いたところ、阿弥陀如来坐像の胸の傷は、その昔火災に遭った阿弥陀様が自分で体を切断して難から逃れたというのです。

確かに享保15年(1730年)の西陣焼けといわれる大火では、このあたりも焼失していることから火災というのは西陣焼けの事だと推測できます。

しかし、いくら不思議な力を持つ阿弥陀如来坐像でも、石で出来た像が自力で動きだしたとは信じがたい話です。でも子供の頃から毎日のようにお参りに来ている老婆の目は真剣で完全に信じ切っています。

私も老婆の真剣さに押されて「それはすごいですね!お参りしたらきっと願いを叶えて頂けますよね」と話していました。

こういった話しは、仏を信じる老婆の心の中にある事実だと思います。疑って真実を探るよりロマンのある話しは信じるに限ります。

観音堂(開山大師堂)

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境内に入ってすぐ左(北側奥)にある観音堂には、東大寺の四聖の一人に数えられている行基(ぎょうき)という僧の作と伝えられる観世音菩薩が祭られています。

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弘法大師の加持水(かしすい)

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観音堂手前の手水舎に水を汲み上げる井戸があります。弘法大師が掘ったとされる井戸は加持水とされていて、今でも枯れることなく湧き出ています。井戸から水を汲み上げるのは昔ながらの釣瓶式で、滑車に吊るされたバケツで、だれでも加持水(井戸水)を汲み上げることができます。

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加持水というのは、弘法大師が疫病で苦しむ人々に水を加持したところ全治したという霊水で、諸病に効き目があるとされていて、全国に点在しています。

加持の意味は、仏の大悲が衆生の宗教的素質に応ずるのが「加」であり、信心する衆生が仏の加被力を受持するのが「持」であるとされています。
これは本来、仏と衆生の本性とが平等不二であるとされるからであり、仏の境地が衆生に直接体験されると考えられているのです。

まとめ

小さな寺院ですが知れば知るほど凄いお寺で、ただならぬパワーを感じるのですが、普段は近隣のお年寄りが床几に座っておしゃべりをしている姿などが見受けられ、気取ることもなく地域に密着した庶民的なお寺なので境内にいるだけでも心が和みます。

「くぎぬきさん」ではあらゆる願い事の祈願を受付けてもらえるそうです。祈願をして、日常生活や仕事で溜まったストレスや苦しみの釘を釘抜大菩薩に抜いてもらうのもいいかもしれません。もしかしたら今までかなわなかった願いが成就するかもしれませんね。

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他にも、「釘抜地蔵こころの相談室」というのがあり、秘密厳守のうえで臨床心理士の釘抜地蔵住職が悩みを聞いて頂けるそうです。

Heart Counseling Room
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