伏見稲荷大社といえば「千本鳥居」や「狛狐」を思い浮かべますよね。
でも、今日はあまり知られていない「竹乃下道」を通り「一ノ峰」に向かう途中に見たものを紹介します。
この千本鳥居井を抜けると、「おもかる石」で人気のある「奥社奉拝所」があります。そして、その東側の山中にあるのが「伏見神宝神」です。
今日は、ここがスタートです。
伏見神宝神社は、「奥社奉拝所」から少し北に向かい、東に折れた山道を登った所にあります。
伏見神宝神社(ふしみかんだからじんじゃ)は「神宝(しんぽう)さん」とも呼ばれ、ご祭神は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、稲荷大神(いなりおおかみ)、十種神宝(とくさかんだら)です。
付近は「竹取物語」ゆかりの地ともいわれ周囲には竹藪が多くあります。
文学散歩|竹乃下道
伏見神宝神社の入り口左に「文学散歩 竹乃下道」と書かれた掲示があります。
“平安時代の深草は、大宮人(おおみやびと)の憧れの里で別荘荘園(べっそうしょうえん)が営まれ花見、狩、月見等、四季折々に雅やかな宴が催れた床しき地であり、源氏物語其田多数(げんじものがたりそのたあまた)の文献、文学作品に当時の風懐(ふうかい)が記されている。竹の下道とは稲荷山麓から大亀谷方面への道を云い、木幡(こはた)を超え大和につながる道でありました。
引用:(掲示板)文学散歩|竹乃下道
このように書かれた掲示板には、和歌短冊も掲示されていて、平安時代の貴族の遊び場を思い浮かばせます。
大亀谷に行くつもりはありませんが、とりあえず前方に見える稲荷山の山頂に向かって「竹乃下道」を歩くことにしました。
竹乃下道
この道を進むと「一ノ峰」に行けるのかと不安に思いながら、ひたすら歩くが竹藪ばかりで人の気配がありません。時折、目にするのは「野生の猿に注意!」「いのししが・・・!」など注意喚起の標識。
季節が良ければ、野鳥や蝶々・昆虫などの自然探索ができます。
弘法ケ瀧
竹藪を抜けると、所々に農家のような民家が遠くに見えてきて、少し安心しました。そして見つけたのが「弘法ケ瀧」と書かれた斜めに傾いた標識。入り口の鳥居をくぐると、何とも凛々しい姿の「不動明王」が祀られている。
瀧という名が付いているなら、どこかに瀧があるはずと考えていると、水の音が聞こえてくる。
音をたどって瀧を見つけると「行場につき入らないで下さい」といった札が下がっていました。そして、年配の女性(老婆に見えました)が行の準備をしているのか、祀られている石に向かって手を合わせている。無言で集中力を高めているのか、強い「気」を感じる。
不気味に感じ逃げるようにその場を後にし、稲荷山に向かいました。
後ろから聞こえてくるのは「般若心境」・・・たぶん、先ほどの女性が唱えているのだろう。
青木ケ瀧
しばらく歩くと「青木ケ瀧」と刻まれた石の標識。そのすぐ横には
目に見えぬ神の心に通うこそ
人の心のまことなりけりお瀧の水で身を清めお参り
神願成就
と書かれている。
ここも修行の場らしいのですが、社務所なければ人もいない。
倒木したヤマザクラ
稲荷山はどこなのか?と思いながら一本道を歩いていると「倒木したヤマザクラ」を発見。
このヤマザクラは2010年4月に倒木したらしく、専門家の指導で復活を試みているようです。
竹と材木を使ったヤマザクラの補強は、桜が開花した時の景色への配慮のように感じます。
進むしかない一本道、やっと車が通れる三叉路に出られ、そこには「(一の峰)150m」と書かれた道しるべ。あと少しで目的地と一安心。
白菊の滝・御劔ノ滝
150mなら見えるはずなのに、稲荷山らしき山が遠くに見える。仕方なく「道しるべ」に従って歩いて行くと「白菊の滝(しらぎくのたき)」。そしてその先には「御劔ノ滝(みつるぎのたき)」と滝が並ぶ。
疲れてきていたので、150mが長く感じたのか、標識が間違っていたのか分かりませんが、やっと稲荷山へと続く道にたどり着きました。
地獄の登山路
左に行けば「稲荷山山頂」、右に行けば「大岩大神」。
上を見上げると確かに稲荷山だが、とても近い。ということは、急な坂道を上がらくては成らない・・・。嫌な予感がするが行くしかない。
「15分歩けば山頂」と書いた標識を見かけたがあてにしない事にして山道を歩き始めました。
心臓破りの山道
四角い棒状の石を鉄筋で止めた階段をひたすら登る。この勾配なら「15分で山頂」は正しいのかも知れないと思いつつ一歩、また一歩と昇っていく。
つづら折りになっている曲がり角には、休憩をするために作られた、もたれるだけの台が作ってあります。
息は上がるし、足はがくがく、休憩すること4回。「やっと鳥居が見えました。到着!」とりあえずその場に座り込み休憩です。真冬なのに汗が止まらない、このまま休憩していると汗冷えする。
急いで「一ノ峰」へ向かって歩き始めます。
やっと見えた鳥居
一般の参拝道
左に行けば「一ノ峰」もう少しだ。ここまで来たら楽勝。いつもはキツイと思っていた参拝道が非常に楽に感じます。
やっと「一ノ峰」に到着です。
伏見神宝神社を出発したのが11時15分、一ノ峰に到着したのが12時なので、時間にすれば45分です。時間はそんなに掛からなかったようですが、道の険しさを含めると半日ほど歩いた気分です。
まとめ
伏見稲荷大社周辺には、まだまだ知らない不思議な神社や修行場があるようです。今日、通り掛かりに見つけた神社では、修行中の老婆以外、誰にも会いませんでしたが、境内は整備が行き届いていたような気がします。そして、誰かが参拝した形跡もあったので、それなりに参拝に来られている人もあるようです。
参拝者で賑わう伏見稲荷大社ですが、すぐ近くには秘境ともいえるパワースポットがたくさんあるようです。
また今度、探検したら紹介しますね!