このページは「自分で釣り上げた天然真鯛を丸ごと調理」の続きで、鯛のあらを無駄なく調理する方法を紹介しています。
今回、紹介する料理は鯛のあらから取っただしで作る「鯛のかぶと煮(白味噌仕立て)」と「松笠造りの入った煮こごり(白味噌仕立て)」、そして「カマの塩焼き」です。
真鯛のかぶと煮
鯛のかぶと煮は、お頭の形を崩さないようにしたいので、最初にあらを煮込んでだしを取り、お頭はできるだけ短い時間で煮込むようにします。
材料
かぶと煮に使う材料は、鯛のお頭と中骨の付いたあらです。
下処理は前回、鯛を捌いた際に済ませています。(詳細は「自分で釣り上げた天然真鯛を丸ごと調理」を見てくださいね)
調味料
- 日本酒:300ml(日本酒:大さじ2と水:300mlでもかまいません)
- しょうが:1片(千切り)
- 砂糖:大さじ1
- 白味噌:80g
- 塩:少々
調理(作り方)
1.あらを煮込んで「お頭の煮汁」を作る
- 鍋に日本酒(300ml)と鯛のあらを入れ、弱火で煮込んでいきます。
※ 冷たいところから、あらを煮るとだしがよく出ます。また、日本酒に含まれるアルコールは魚の臭みを消す作用があるので、前もって飛ばす必要はありません。 - 弱火で15分ほど煮込んだら千切りしょうが(1片)と砂糖(大さじ1)、白味噌(80g)を入れます。
- 最後に塩を少量加えだしの味を調えます。
以上で、白味噌のあらだし(お頭の煮汁)は完成です。
2.お頭を煮込む(含め煮にする)
- 煮汁の中に鯛のお頭を入れ、沸騰しないように火加減を調整しながら7~8分ほど煮込みます。
- お頭に火が通ったら火をとめて冷まします。
※ 一旦冷ますことで、お頭に味が入り込みます。(含め煮) - 食卓に出す直前に、とろ火で温め直して器に盛り付けます。
※ 温め直す際、火が強いとタンパク質が破裂して飛び散ることがあるので注意してください。 - 以上で、お頭が煮崩れしない「真鯛のかぶと煮」の完成です。
コラーゲンたっぷりの「煮こごり」
「煮こごり」とは、ゼラチン質の多い肉や魚の煮汁が冷えて、ゼリー状に固まった料理のことです。ゼラチンはタンパク質の一種であり、コラーゲンの材料となるアミノ酸を多く含んでいます。
真鯛にもコラーゲン(ゼラチン)は多く含まれていて、あらを煮込むことで多くのコラーゲンを抽出できます。そして、冷やして固めたものが「煮こごり」で大変に栄養価が高い食べ物です。
調理(作り方)
「煮こごり」は、お頭を煮込んだ煮汁を冷やすだけで出来上がる簡単な料理ですが、煮汁には小骨などが混入しているため、事前に濾しておく必要があります。また、アクセントとして鯛の刺身などを入れるとより美味しく召し上がれます。
煮汁は常温でゼリー状に固まってしまうので、熱い間に茶こし(できるだけ細かい網目)などで濾します。
- 「かぶと煮」で作った煮汁を温め、冷めないうちに茶こしなどで濾して器に入れます。
- アクセントに鯛の刺身(今回は、松笠造り)を入れます。
- 常温に戻してから冷蔵庫で冷やして完成です。
ほどよく冷えた「煮こごり」の食感はプリンのように滑らかで、白味噌の甘味がデザートような感じになります。
コラーゲンたっぷりな「煮こごり」は、数百円で販売している「鯛のあら」からでも作れるので、毎日でも食べたい一品です。
カマと残ったあらは塩焼きに
最初は鯛のカマだけを塩焼きにしようと思っていたのですが、捌き方が下手なせいで予想以上にあらが出たため、カマと一緒に塩焼きにしました。
説明するまでもありませんが、塩焼きの方法は洗ったあらの水気を切り、軽く塩を振って焼くだけです。フライパンでも焼けますが、今回は後片付けが簡単なコンベンションオーブントースターで焼きあげました。