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京都には、たくさんのパワースポットといわれる不思議なご利益のある神社やお寺があります。なかでも糺の森にある「河合神社」は一風変わっていて、お参りすると「美人」になれるとのうわさがあります。
糺の森にある河合神社
河合神社は、世界遺産に登録されている賀茂御祖神社(通称:下鴨神社)の第一摂社で、糺の森の中「瀬見の小川」の西側にあります。
御祭神は神武天皇の母神、玉依姫命で、下鴨神社の御祭神、賀茂別雷大神の母神にあたり、玉のように美しい女神だとされています。
玉依姫命の内助の功績は、日本婦人の鑑と仰がれていて、女性が一層美しくなりたいという願望と、縁結び、安産、そして育児に関する願いをかなえてくださる神様として広く知られています。
そのようなことからか、河合神社入り口の神門には「女性守護 日本第一美麗神」といった札が掲げられています。
河合神社の由緒
河合神社が創建された年代は定かではありませんが、神武天皇の頃だと伝えられています。「延喜式」には「鴨河合坐小社神社」とあります。
「延喜式」とは、平安時代中期に編纂された律令の施行細則で、延喜元年(901年)12月28日の官符には「河合社 是御祖 別雷両神の苗裔神也」と記されていることから、賀茂御祖神社(下鴨神社)の御祭神と関係の深い神々が祀られていることがわかります。
天安二年(858年)名神大社に列し、寛仁元年(1070年)神階正二位、元暦二年(1185年)正一位に列せられ、明治十年(1887年)には賀茂御祖神社の第一摂社になりました。
現在の社殿は、延宝七年(1679年)の式年遷宮(定期的な造り替え)の際に建築されたもので、三間社流造で檜皮葺です。
鏡絵馬に化粧をして美人祈願
神門をくぐると、中央に舞殿、その奥に玉依姫命を祀った本殿があります。その東側にあるのが「鏡絵馬」奉納所です。
女性の参拝者に人気のある「鏡絵馬」は一風変わっていて、かわいらしい手鏡の形をした絵馬があります。この絵馬には、人の顔が描かれていて、これを自分の顔に見立てて化粧をほどこし、裏面に願い事を書いて奉納すると美人になれるといったご利益が得られるそうです。
「鏡絵馬」を奉納すると、ご供米と「美しい女性であるために」と書かれたしおりがいただけます。しおりには、日本赤十字社の設立と経営に尽くされた、明治天皇皇后(昭憲皇太后)の和歌が書かれています。
朝ごとにむかふ鏡のくもりなく
あらまほしきは心なりけり昭憲皇太后御製 「鏡」
この歌は鏡を心にたとえていて、美しさは心を磨くことと書かれているのです。明治天皇皇后も麗しい婦徳の鑑と仰がれた人ですから、益々ご利益がありそうですね。
「鏡絵馬」の描き方はとても簡単で、自分がなりたい理想の表情を作り上げるだけでいいのです。
鏡絵馬の御化粧室
神門を入ってすぐ右側には、「鏡絵馬」に化粧をするための「御化粧室」という建物が建っています。中に入るとイラスト入りでわかりやすい「鏡絵馬の描き方」と色鉛筆が置かれているので、説明の通りに進めると「鏡絵馬」を奉納することができます。
鏡絵馬奉納の手順
- 絵馬を受ける 初穂料1,000円(2024年10月)
絵馬には顔が描いてあるものと描いてないものがあるので、好みの方を選んで巫女さんの所へ行きます。 - 化粧をする
境内の「御化粧室」で、自分が使っている化粧品または置かれている色鉛筆で、自分のなりたい顔に化粧します。(化粧というよりお絵描きの要領です) - 裏面に願い事を書く
願い事に決まりはありませんが、御祭神が玉依姫命ですから「一層美しくなりたい」「縁結び」「安産」「育児」などの願いがいいのかも知れません。
持ち手の部分には名前を書くのですが、書きたくなければ書かなくても問題はないようです。 - 絵馬かけに奉納する
「綺麗になれるように」と願いを込めて絵馬かけに奉納します。(願い事は言葉にすると、言霊の力によって本当にかないます)