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京都の河合神社は美人になれる「鏡絵馬」と鴨長明の「方丈」がある!

京都にはたくさんのパワースポットといわれる不思議なご利益がある神社やお寺があります。中でも一風変わった「美人」になれると評判の神社が「河合神社」。

場所は、世界遺産に登録されている賀茂御祖神社(通称:下鴨神社)の第一摂社で、境内の糺の森の中にある「瀬見の小川」の西側にあります。

ご祭神は神武天皇の母神、玉依姫命(たまよりひめのみこと)で、下鴨神社の本殿のご祭神と同じです。

玉依姫命の内助の功績は、日本の婦人の鑑と仰がれていて、女性が一層美しくなりたいという願望と安産・育児・縁結びをかなえてくださる神様として広く知られています。

「鏡絵馬」で美人祈願

「河合神社」の神門には「女性守護 日本第一美麗神」と書かれた看板!神門をくぐると中央に舞殿、奥に本殿があります。

本殿の東側にあるのが、美人に成りたい女性で人気の「鏡絵馬」の奉納所です。一風変わった「鏡絵馬」は、手鏡の形をしていて自分の顔に見立てた顔が描かれています。

表面の顔には自分のメイク道具で願いを込めて化粧し、裏面に願い事を書きます。神門を入ってすぐ右側(東側)には「鏡絵馬」にメイクする、「鏡絵馬 御化粧室」なる建物がありメイク道具を持ち合わせていなくてもクレヨンが用意されています。

御化粧室

「鏡絵馬」奉納所

「鏡絵馬」を奉納すると、ご供米と「美しい女性であるために」と書かれたしおりがいただけます。しおりには、日本赤十字社の設立と経営に尽くされた、明治天皇皇后(昭憲皇太后)の和歌が書かれています。

朝ごとにむかふ鏡のくもりなく
あらまほしきは心なりけり

昭憲皇太后御製 「鏡」

この歌は鏡を心にたとえていて、美しさは心を磨くことと書かれているのです。明治天皇皇后も麗しい婦徳の鑑と仰がれた人ですから、益々ご利益がありそうですね。

河合神社と鴨長明

美人祈願とは話しが変わりますが、境内(鏡絵馬奉納所の南側)にある「長明の方丈」がなぜここにあるのか?「河合神社」と鴨長明の関係についてお話しします。

日本三大随筆の一つの「方丈記」の作者でもある鴨長明は、「河合神社」の「禰宜(ねぎ)」(神職)の息子として幼少期を過ごしたそうで、この場所を詠った「和歌」が残されています。

石川や瀬見の小川の清ければ、月も流れをたずねてぞすむ

新古今和歌集 鴨長明

鴨長明は一時期、下鴨神社の神職でもあったのですね。

鴨長明の方丈

方丈とは、一丈(約3メートル)四方(間口と奥行きが一丈)の建物だったことから名付けられたそうです。そして、この方丈は建物を移動させるといった概念をもった土居桁構造(基礎の代わりに土台状のものを置いて柱を建てている構造で、基礎と建物は接合されていない)です。

簡単にいうと、移動できる木造建築(木材で出来ている建物)でテントのようなものです。

公職から手を引いた長明は晩年、この組み立て式の「方丈」を栖(すみか)として各地を転々と移動していたそうです。そして、世の無常と人生のはかなさを随筆として著したのが「方丈記」なのです。

移動式の「方丈」で著したから「方丈記」なのでしょうか?

長明の生涯をしると「世の無常、人生のはかなさ」がわかるような気がします。


河合神社の場所