セキセイインコを育てて5年になる愛鳥家です。鳥かごに入れたままでは可哀そうなので、寝る時間以外は部屋の中を自由に飛び回れるようにしています。
そんな折り、テフロン加工フライパンの空だきによる有毒ガスで、インコが死んだというニュースを読んで大変ショックを受けました。
インコが死ぬなら人間の健康にも影響は絶対にあるはずだと調べてみると、テフロンは思っていた以上に危険だということが分かったので、家族の健康のためにもテフロン加工のフライパンを処分して、鉄製とステンレス製のフライパンを使うことにしました。
危険な理由は後述しますが、テフロン加工のフライパンを使い続けるのはやめた方がよいというのが私の見解です。
それでは、テフロンの危険性と、フライパンの選定について順を追ってお話しします。
テフロンって何?
テフロンはアメリカのデュポン社が商品化したPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の商標で、フッ素樹脂の一種です。この他にも、マーブル加工やダイヤモンドコートも商品名で同じフッ素樹脂で出来ています。
そして、フッ素樹脂をフライパンに接着するために使われているのがPFOA(ペルフルオロオクタンスルホン酸)やPFOS(ペルフルオロオクタン酸)で、令和4年12月20日に水質汚濁防止法の特定物質に指定された有害物質です。
【PTFE(polytetrafluoroethylene/ポリテトラフルオロエチレン)】
PTFEとは、フッ素樹脂の中で最も多く生産される白色の結晶性樹脂で、フッ素原子と炭素原子からなる熱可塑性プラスチックのひとつです。
耐薬品性、潤滑性、耐熱性、絶縁性に優れ、フライパンなど調理器具のコーティング以外では、薬品タンクや配管のパッキンや各種通信ケーブルのコーティングに使用されています。
有機フッ素化合物(PFOS、PFOAなど)世界見解と日本の動き
PFOAは、がんや甲状腺疾患など健康被害を引き起こすことが世界中の研究で判明し、2019年には国際条約(POPs条約)でPFOAの廃絶が決まりました。
日本国内においては、内閣府食品安全委員会や環境省にPFOS及びPFOAに関する専門家会議が設置し、水質の目標値等の設定や食品の摂取による人の健康への影響に関する検討するようになりましたが、メディアなどで報道しないため、ほとんどの人が知らない状況です。
なお、これらに関連する各省庁の専門会議および委員会のリンクを貼っておきますので、詳しく知りたい人は以下を参考にしてください。
テフロン製造工場での事故例
ほんの一部ですが以下にテフロン製造工場で発生した事故を紹介します。それぞれの項目に記載したキーワードで検索をすると、関連記事がたくさんでてくるので詳しく知りたい方は調べてください。
【事例】
- 2012年には米国の科学者たちが、PFOAに被曝した約7万人の調査を実施し、妊娠高血圧症や腎細胞がんなど6種の健康被害との関連を結論づけた。(PFOAに被曝した妊婦の労働者7人中2人から、目に疾患がある子どもが生まれた。)
- 2017年、テフロン製造工場から流出したPFOAで健康被害を受けたとするウェストバージニア州とオハイオ州の住民による訴訟でデュポン社と同業のケマーズ社が6億7070万ドルで和解。
- 2021年11月、PFOAを製造しているダイキン工業淀川製作所の周辺に住んでいた住民の血液から高濃度のPFOAが検出され、問題になっている。(過去には、複数頭の牛が突然へい死するといったこともあったという。)
テフロン加工フライパンの危険性
PTFE(テフロン)の融点は327℃で、260℃から劣化が始まり、360℃程度になると有毒ガスが出始めます。
美味しい料理ができるフライパンの温度は170℃~180℃とされていますが、薄いアルミ板にテフロン加工したフライパンは、火に掛けると1分もしないうちに200℃を超え、すぐに300℃以上になります。
また温度が高すぎるからと、火を止めてしまうと一気に温度が下がってしまうため、適温で料理をするのが大変に難しいといえます。
このように急激な加熱と冷却が繰り返していると、アルミとテフロンの膨張率の違いからコーティングが剥がれ落ち調理中の料理に混ざってしまいます。
いつの間にかテフロンが剥げ落ちて食材がひっつくようになるのはこのためで、知らないうちにPTFE(テフロン)や接着に使われているPFOS及びPFOAを食べてしまっているのです。
大きな牛でさえバタンキューと死んでしまうものを、少量といえども毎回の食事で、人が口にしていると考えると大変恐ろしいことです。
テフロンは工業製品には欠かせないものですが、なぜフライパンに使用するようになったのかは不明です。しかし、国内のスーパーやホームセンターで未だに堂々と販売しているのに疑問を感じます。
フライパンは鉄製、ステンレス製の2択
テフロン加工フライパンの危険性を理解できたところで、これに変わるフライパンの検討です。
【フライパンの検討で重視したこと】
- 化学物質でコーティングしてない製品
- 昔から調理器具として使われて続けて、健康上の問題が起きていないもの
- 長期間使用できる製品で、あまり高価でないもの
これらを重視して候補に挙げたフライパンは、鉄、ステンレス、アルミの3種類ですが、アルミは鉄やステンレスに比べ柔らかく、融点が600℃と非常に低いことから有害物質が溶け出しやすいと考え排除しました。
現在、アルミフライパンは健康に害はないとされているようですが「怪しいものは排除する」という考えから、鉄フライパンとステンレスフライパンの2択で決定です。
鉄フライパンとステンレスフライパンは熱伝導率に大きな違いがなく、双方とも耐熱性、保温性に優れています。大きな違いは以下の通りです。
【鉄フライパンとステンレスフライパンの違い】
- 鉄フライパンは「油ならし」や「油返し」など、準備に手間がかかる
- 鉄フライパンは油が馴染むがステンレスフライパンは馴染まない
- ステンレスフライパンは調理後の料理をそのまま保存しても良いが、鉄フライパンは調理後の料理を長時間置いておくと酸化して鉄肌が侵されて穴が開くことがある(調理後は出来るだけ早く洗い流す方がよい)
- ステンレスフライパンは金タワシや金属ヘラで削っても良いが、鉄フライパンは銅製のタワシまたは竹ササラを使用しないとリセットすることになる。(リセットとは、鉄板の脂分がなくなって初期の状態に戻るということで壊れて使い物にならないという意味ではない)
鉄フライパンの特長
鉄フライパンの特長は、耐熱性、保温性に優れていて油馴染みが良いのが特徴です。高温調理では食材の水分を逃がすことなく調理できるので、野菜炒めなどは彩り良くシャキシャキに仕上がります。また低めの温度にすることで厚みのある肉類の料理も余熱でシッカリと火を通すことができます。
【メリット】
- 温度変化、耐熱性、保温性に優れているため、焼きムラにならない
- 使えば使うほど味が出て、使いやすくなる
- 油馴染みがよいので強火調理をしても焦げ付きにくい
- 耐久性に優れ、一生使える
- IH調理器に対応している
【デメリット】
- アルミに比べて重たい
- 錆びやすい
- 手入れに手間がかかる
【向いている料理】
- 野菜グリル
- 厚みのある牛肉や鶏もも肉のステーキ
- 焼き餃子
- 焼きそば、焼きめし
- お好み焼き、薄い生地のネギ焼き
- 目玉焼き、オムレツ
- パスタやリゾット
ステンレスフライパンの特長
ステンレスフライパンの特長は、温度変化に強く耐熱温度が高く、保温性に優れているのが特徴です。そのため、厚めのステーキやお好み焼きなど、余熱でシッカリと火を通す料理に適しています。また、深さのあるプライパンだと少量の油で揚げ物が可能です。
【メリット】
- 温度変化、耐熱性、保温性に優れているため、焼きムラにならない
- 酸やアルカリに強く、調理した料理をそのまま保存できる
- 固くて錆びにくい金属なので、一生使える
- 焦げ付いてもゴシゴシと洗って汚れを落とせる
【デメリット】
- アルミに比べ重たい
- 油が馴染まないので焦げ付きやすい
- ステンレス素材のみで作られているフライパンはIH調理器に対応していない(多層構造でIH調理器に対応している製品がある)
【向いている料理】
- 厚みのある牛肉や鶏もも肉のステーキ
- お好み焼き
- 焼きいも
- 天ぷらやカツなどの揚げ物
まとめ
テフロン加工のフライパンは「体によくない」と何となく思っていましたが、調べてみて本当に危険だと再認識しました。
そして家族の健康を守り、障害のある子どもが生まれてこないようにするためにも、この真実を1人でも多くの人に知ってもらい、真剣に対策を考えてほしいと願っています。
スーパーの片隅に置かれているテフロン加工のフライパン、安い時なら1,000円以下で販売されているので、ついつい買ってしまうのは分かりますが、安価なフライパンは半年もすればコーティングが剥がれ使えなくなるので経済的にもよくありません。
少し面倒ですが、Amazonや楽天で検索すると、口コミとともに良い製品を見つけることができます。
お勧めは、化学物質でコーティングされていない鉄フライパンとステンレスフライパンです。そして、用途に合わせて大きさと素材の厚みを検討してください。
何度も書きますが、テフロンは危険です。家族の健康のためによく考えてい下さい。世の常ですが、国の検討委員会などは何の役にも立ちません、自分で真実を見極め自分で判断することで身を守ることができます。