本格的に蒸しアワビを作りました。
小さめのアワビを料亭で教わった調理法で本格的に「蒸しアワビ」を再現してみました。
蒸しアワビは刺身より味が濃く柔らかく、磯臭さも感じにくくなります。蒸しあがったアワビをそのまま食べると「あっさり」、肝で作ったタレを付けて食べると酒のアテになります。
冷蔵庫で3日ほど保存できます。
蒸しアワビの作り方
☆材料
- アワビ:3個(トコブシなみの極小アワビ)
- 大根:アワビと同量程度(アワビと一緒に蒸します)
- 昆布:アワビを覆える程度(アワビと一緒に蒸します)
- 塩:適量(下ごしらえ用)
- 酒:適量
- みりん:適量
- 薄口しょうゆ:適量
アワビの下処理(さばき方)
①アワビの表面に塩を少量ふり、タワシで表面をこすります。
アワビの表面と貝殻との隙間あたりには砂がかんでいるのでよくこすります。全体に色が薄くなれば水洗いします。
②アワビを殻から外します。
アワビは殻の薄い方からヘラなどを差し込んで、中央の貝柱から削ぎ取ります。(今回は極小サイズなのでスプーンで剥がしました)
※殻の厚い方には肝がある。
③アワビの身と肝を切り分けて「くちばし」を切り取ります。
「肝」と「ひも」は貝柱の周辺に付いているので、肝を潰さないように切り分けます。(指で引っ張るだけでとれるので、包丁は補助的に使います)
最後に身と内臓をつないている「くちばし」を切り落とします。
アワビを蒸す
- 殻から外したアワビの身の内側には砂がかんでいる場合があるのでもう一度洗います。
- ボール(蒸しに使う容器)に大根の薄切りを敷き、その上にアワビを載せます。(大根の酵素の働きでアワビが柔らかくなります)
- アワビを並べたら、その上に出し昆布で覆います。
- みりん、日本酒、薄口しょうゆを少量加えて蒸します。(今回は薄口しょうゆの代わりに「かえし」を使いました)
※アワビを蒸すと濃厚な貝汁がでるので調味料は少なくても大丈夫です。好みで調整しましょう。
※蒸す時にはラップなどを忘れないようにしましょう。(蒸気が入ると水臭くなります)
大根の上にアワビを乗せる
出し昆布でアワビを覆う
調味料を入れる
蒸し時間はアワビの大きさや種類など、その時の条件によって異なるので20分程度を目安に串を打って硬さを確かめます。(大きなアワビだと90分ほどかかる場合があります)
アワビの肝ソース
アワビを蒸している間に「肝」でソースを作ります。
アワビの肝は栄養価が非常に高く美容効果もある貴重な珍味です。肝ソースの作り方には牛乳や卵黄、バターなどを混ぜ合わせて作る方法もありますが、アワビ本来の風味を損なわないために、少量の日本酒と味醂と薄口しょうゆで作りました。
①肝(肝とヒモ)に軽く塩を振り洗い流します。
②砂袋を切り離す。
③調味料を少量加え「肝」と「ヒモ」を一緒に20分程度蒸します。
④蒸しあがった「肝」と「ヒモ」を切り分けて、肝を裏ごしします。
右側のふくらみが「砂袋」
「砂袋」を切り離す
蒸しあがった肝を裏ごし
完成
蒸しアワビの完成
蒸しあがったアワビと大根をお好みの大きさに切り盛り付けます。アワビからでた濃厚な旨味の出汁は盛り付けた蒸しアワビにかけて出来上がりです。
シンプルな肝ソースは別の皿に入れ、蒸しアワビのタレにします。
終わりに
今回、使ったアワビは3個で1,000円程度のものですが、少量ながら肝ソースもつくれ美味しく仕上がりました。
魚屋の店頭で見つけたときは「とこぶし」では?と思いましたが。店主が「間違いなくアワビだよ!」と見分け方を教えてくれました。
アワビとトコブシの見分け方
見分け方は、貝殻にある孔(呼水口)の数で分かるそうです。
- アワビ:2~6個で、平均4個程度。
- トコブシ:6~9個で、平均8個程度。
今回のアワビの殻は↓↓。赤丸が呼水口で、4か所であることが分かります。