平日の午前中、下鴨神社の境内(糺の森)を散歩してきました。京都市内でこれだけの自然に触れられる場所は他になく、人出が少ない行事(神事)がない日に散策すると大変気持ちがいい。
賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)、通称下鴨神社は京都の中でもっとも歴史がある神社の一つで世界遺産にも登録されています。
歴史はとても古く紀元前90年に神社の瑞垣(みずがき)の修造がおこなわれたという記録があり、それ以前の古い時代からまつられていたとおもわれているそうです。
京都の三大祭りの一つ「葵祭」(正式には加茂祭)が毎年5月15日に行われることで有名で、5月3日には前儀として流鏑馬馬場において流鏑馬神事(やぶさめしんじ)が行われます。下鴨神社の流鏑馬は公家装束(束帯)を着用して、走る馬上から的を射る迫力のある行事で、他では見ることはできません。
先月(8月)の土用の丑の日には、御手洗池で無病息災を祈る「みたらし祭」が行われます。真夏の暑い時期に御手洗池に膝まで浸かるのが心地よく、それだけでも御利益ありです。
下鴨神社は、季節ごとに有名な行事(神事)が執り行われますが、行事がない日でも気持ちよく散策できる神社です。敷地面積が36,000坪からなる糺の森に鎮座する下鴨神社。地元の私でも未だに散策できていない場所があります。
パワースポット「糺(ただす)の森」
京都市の北東部を流れる賀茂川と高野川の合流点に位置する糺の森は、縄文時代から生き続けるケヤキ、エノキ、ムクノキなどの広葉樹を中心に、古代・山背原野の樹林を構成していた樹種が自生する森林で、ユネスコの「世界文化遺産」に登録されています。
御神木
樹齢200年から600年の樹木が600本もあり、生態学・環境学などからみても貴重な森林とされているだけあって、しめ縄で飾られた「御神木」らしき樹木があります。
表参道で「御神木」らしき樹木を発見。かなりの年代もののようです。
中が空洞になってしまった「御神木」。境内を見回っている「神職」に聞いたところ、雷に打たれてこのような姿になったようです。↓↓
御手洗(手水舎)
下鴨神社には「御手洗(みたらし)」と呼ばれる手水鉢が3か所あります。西参道に入ってすぐの右の手水舎が「御手洗-三本杉」。表参道から入り、南口鳥居の手前右側の手水舎が「御手洗-直澄(ただす)」。本殿奥の「みたらし祭り」が行われる「御手洗池」の水源になっている「御手洗社(井上社)」。
御手洗(みたらし)-三本杉
古来より糺の森三本杉湧出る神水により、人々の生活や田畑を潤していたことで知られる名水。「御手洗」は舟形磐座(ふながたいわくら)で、御神水樋は「糺の森」の杉の古木により三本杉が復元されています。
御手洗(みたらし)-直澄(ただす)
室町時代の「諸社根元記」に「浮島(うきしま)の里、直澄(ただす)」と記されていて「糺」の語源の一説として知られています。
覆屋(おおいや)は、紀元前90年に神社の瑞垣(みずがき)の修造がおこなわれたという記録をもとに、透塀(すいへい)が再現されている。
「御手洗」は舟形磐座(ふながたいわくら)で、御神水樋は「糺の森」のヌシと呼ばれていた樹齢600年のケヤキが使われています。
御手洗社(みたらししゃ)(井上社)
「御手洗社」は水が湧出る場所の上に社があることから「井上社」ともいわれ、手前にある池が「御手洗池」。この池は、斎王が禊ぎをする賀茂祭や、土用の丑の日にこの池の水に足を浸して禊ぎをする御手洗祭が行われることでよく知られています。
「御手洗社」のすぐ近くには授与所があり、京友禅の「御朱印帳」や「水みくじ」(水に浸けると文字が浮き出るおみくじ)が販売されていました。平日の午前中ということもあり参拝者も少なく「水みくじ」を「御手洗池」に浸けて、石段でゆっくりと休憩されていました。
御手洗川
土用の丑の日には、御手洗池で無病息災を祈る「みたらし祭」がこの場所で行われます。
「みたらし祭」当日は膝のあたりまで水笠が増すので、ひんやりとして心地いいですね。
本殿(東西に本殿)
東西にある本殿は国宝に指定され、ご祭神は「賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)」と「玉依媛命(たまよりひめのみこと)」
山城国風土記によると、玉依媛命が賀茂川の上流から流れてきた丹塗矢を拾い、床に置いていたところ懐妊し、誕生したのが賀茂別雷大神(かもわけいかづちのみこ)で上賀茂神社のご祭神。
下鴨神社のご祭神は、賀茂別雷大神のお母さんとおじいちゃんということになる。
ご祭神-ご神徳
【西殿】(左側)
ご祭神:賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)
ご神得:導きの神、勝利の神、方除、厄除け、入学、就職の試験などの合格、交通、旅行、操業の安全等多方面。
【東殿】(右側)
ご祭神:玉依媛命(たまよりひめのみこと)
ご神得:婦道の守護神として縁結び、安産、育児等。
えと(十二支)の社
本殿前(中門から本殿の間)に、えと(十二支)の社がお祀りされています。本殿に参拝した後に続けて自分の「えと」の社の参拝するのが順序。
最後まで読んで頂いてありがとうございます。
写真を見て頂いたように、イベントがない平日はほとんど人がいません。糺の森と下鴨神社の敷地は広大で静か。時間が止まったような錯覚。季節が良くなってきた今日この頃、散策してみてはいかがですか?
「お導き」と「良縁」のご神得がありますよ。