京都で縁切りの神さまといえば、安井の金比羅さんといわれるくらい、霊験あらたかな神様です。そのご利益は病や酒、タバコ、ギャンブルといった自分にとって不要な悪縁すべてを切って頂けます。
そして、縁を結びたい自分の健康や仕事、家族や友人など自分にとって大切な人との良縁もかなえて頂けるといわれていることから、全国から絶え間なく参拝者が訪れています。
今回は、このような京都屈指のパワースポット「安井金比羅宮」を紹介します。
安井金比羅宮の歴史
安井金比羅宮は、飛鳥時代に藤原鎌足が一族の繁栄を祈願して、一堂を創建したのが始まりとされています。当時は紫色の藤を植えたことから「藤寺」と称されていました。
時代は下り、崇徳上皇(すとくじょうこう)がこの藤を好んで寂れていた寺の堂塔を改修し龍姫烏丸殿を住まわせたそうです。
その後、崇徳上皇は保元の乱(1156年)に敗れ讃岐(現在の香川県)に流されることとなり、1164年(長寛2年)讃岐で亡くなりました。
崇徳上皇の死後、都に様々な不幸が起こったので、崇徳上皇の恨みではないかといううわさが広がり怨霊として恐れられました。これが、菅原道真と平将門の怨霊と並んで「三大怨霊」の一つとして知られています。
そして、1177年(治承元年)に金比羅宮に崇徳上皇の霊が現れ、衰退していた「藤寺」の往時の盛況を示したことが安井金比羅宮の起こりとなったのです。
縁切りの由来
安井金比羅宮が縁切りの祈願所として信仰されているのは、崇徳上皇が戦いにより愛する烏丸殿と別れざるを得なかった悲しみで、讃岐の今刀比羅宮(ことひらぐう)で欲のすべてを断ち切り、参籠されたことにあります。
そして、そのような崇徳上皇の思いが、幸せな男女の妨げになるすべての悪縁を断ち切るとされ、縁切りの祈願所となったのです。
縁切り縁結び碑(いし)
安井金比羅宮の境内には、切実な願いを書いた絵馬が重なりあって掛かっているのが目につきます。その中でもひときわ目を引くのが、全体にお札が貼られた巨石です。
これが「縁切り縁結び碑」と呼ばれるもので、碑の中央に穴に神さまの力が注がれているといわれています。
縁切り縁結び祈願の手順
縁切り縁結びは「縁切り縁結び碑」の中央の穴をくぐって祈願します。その手順は以下の通りで、くれぐれも入り方を間違えないようにしてください。
- 形代(身代わり札)に願い事を書きます
- 碑の表から穴をくぐり抜けます(これで悪縁が切れます)
- 碑の裏から穴をくぐって表に出ます(これで良縁が結ばれます)
- 最後に、願い事を書いた形代を碑に貼ります
良縁に結ばれた夫婦や恋人同士の参拝には障りなく、縁が切れることはないとのことです。
アクセス
住所
〒605-0823 京都市東山区東大路松原上ル下弁天町70
交通案内
◎JR・近鉄
- JR新幹線・東海道本線・近鉄「京都駅」から
- 市バス206系統北大路バスターミナル行、「東山安井」下車、南へ徒歩1分
◎京阪電車・阪急電車
- 京阪本線「祇園四条」駅から徒歩10分
- 阪急京都線「河原町」駅から徒歩15分