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京都2021|五山の送り火とお墓参り

五山の送り火、今年(2021年)も小規模ながら行われました。

例年の送り火

今年(2021年)の送り火

今年の送り火は右大文字で5か所(真ん中と端)、左大文字で1か所(真ん中)、その他(妙・法・船・鳥居)も1か所または2か所だけの点灯でした。

コロナの感染拡大を防止のために、規模を縮小しており行われましたが、古くから「御先祖様」の霊を送り出すための行事なのでなくなることはありません。

京都では1年に一回、御先祖様が里帰りするとされていて、8月13日が戻られる日で「お精霊(おしょらい)迎え」、8月16日が五山の送り火で御先祖様をお送りします。

元々「お精霊迎え」も「送り火」も各家庭で小規模に行われてきた習慣で、いつも間にか京都の大行事になったようです。

90歳を超えた母親が、1点だけ点灯された大文字をみて、寂しそうに手を合わせて先祖を送り出していました。

お墓参り

母親を連れてお墓参り。フヨウの花が奇麗に咲いてました。

8月13日に「お精霊迎え」をしたお墓には、御先祖様はいらっしゃいませんが、今夜(8月16日)の送り火で戻られるので、お墓の掃除をしてきました。

この墓石は、父親の祖父が妻を亡くした時に、リヤカーを引いて山奥から持ってきた石だそうで、今はお寺の住職だけが云われを知っているようです。

詳しい事は教えてもらっていませんが、この墓石には何やら人知れないパワーがあるそうで末永く大切にしなさいと言われています。

墓石を水とタワシで、ゴシゴシと丸洗い。表面に付いていた汚れが落ちて、鉄分の多い石の表面が奇麗になりました。

水塔婆を書いてもらい線香をあげて、奇麗になった水鉢に水を入れ「榊」の葉を一枚。

 

仏教の教えでは、先祖の霊魂は食べ物をとりませんが、代わりに線香の香りと水が食べ物になるそうです。水鉢の水に浮かべた「榊」の葉は水を腐らせない効果があり、先祖の霊魂は「榊の葉」を使って口を湿らす程度に水を飲まれるそうです。

今夜、戻られる御先祖様の支度が整いました。あとは、自宅の仏壇の前で掃除完了のご報告です。

神棚のお祀りに欠かすことのできない榊(さかき)
木に神と書いて榊、というほど榊は神道において神と深い関わりのある神聖な植物になります。

古来より日本では、植物や先端が尖ったものには、神様の力が宿ると考えられていました。
榊は神様が降り立つ依り代としての役割もあるようです。

常に生い茂って葉が落ちることがないため「栄える木」『栄木(さかき)』もしくは、
「神様と人の境にある木」という意味で『境木(さかいき)』という言葉から転じたなど、その語源には諸説あります。

水鉢

水鉢とはその名の通り、お墓に埋葬されている先祖や故人に水を供えるための器です。
一般的な水鉢の形は、四角形の石材の上部に楕円形のくぼみを彫って、竿石の両方に建っている花立の間に備えます。

お墓の水鉢にはいつも水が張られていること、水鉢が汚れていないこと、そして常に新鮮な水が供えられていることが大変重要です。
また、水鉢に張られている水は、故人や先祖の霊がお墓に降りてきたときに、その姿が水鉢の水の表に映し出されるとも言われています。
その意味でも水は常に澄んでいる必要があるのです。

帰りに観世音菩薩様にご挨拶。