近畿地方を中心に行われている「地蔵盆」。中でも京都の地蔵盆は子供達のお祭りの日でもあり、心待ちにしている子供達も多い。
「地蔵盆」は地蔵菩薩の縁日に行われる行事で、京都では8月の3週目の土日に行われる所が多く、土曜日の朝からお地蔵さんの飾りつけに、日除け・雨避けのテントを張る。子供達の名前を書いた提灯ともに子供達が描いた絵で飾られた行灯が吊るされて準備完了です。
町内会の役員たちは、子供を楽しませるために「くじ引き」や「金魚すくい」など、その年の役員のアイデアで工夫されるので、行われるイベントが毎年変わります。
子供達も、この日だけは夜遅くまで祀られた「お地蔵さん」の周りで遊ぶことができ、地域の大人が見守るなかで「肝試し」や「花火」と眠くなるまで遊びます。
日曜日の朝は、早くから「お坊さん」に来てもらい「御経」を頂く。これで「地蔵盆」の行事はおわりですが、子供達はすべての片づけが終了するまで遊び続けます。
子供達が心待ちにしていたお祭りのような「地蔵盆」。残念ながら今年も「お坊さん」の「御経」だけで終わりになりました。
地蔵盆とは
日本では古くから地域や子供の守り神として「お地蔵さん」が信仰されてきました。「地蔵菩薩」は地獄に落ちた人々を救済する菩薩であると考えられ、路傍(ろぼう)の神「道祖伸(どうそしん)」でもあるようです。
「道祖伸」は、あの世の入り口にある神ともいわれ、粗末に扱うと「罰が当たる」こともあるようです。
ここに祀られている「お地蔵さん」は、この一帯を宅地にした当時に出土した石像で13体あります。ある日、地域の子供が「お地蔵さん」が祀ってある社の屋根に登って遊んだことで、体中に湿疹が出来たことがあります。
病院で診てもらっても治ることが無かったので、子供の父親が「お地蔵さん」にお菓子を持って日参したところ1週間はほどで治ったそうです。
私の実家にも町内会の「お地蔵さん」がお祀りしてあり、今の場所に移転するまで町内会での病人が絶えなかったと言われています。
このような話しを聞くと、神様の存在を信じていない私でも「チョット?・・・・。」と思ってしまします。
平安京の三大葬送地
この地のすぐ近くが「蓮台野(れんだいの)」で、東山にある「鳥辺野(とりべの)」と嵯峨野にある「化野(あだしの)」が平安京時代の三大葬送地の一つです。
これらの地域は、あの世に通じる道があるとされていて、「鳥辺野」には「六道珍皇寺」、「蓮台野」には「千本ゑんま堂」があり「お精霊迎え」が行われている。
平安京の三大葬送地では、多くの石像が発見されていることから、「お地蔵さん」とも関連があるのかも知れませんね。
歴史を知ると、いろいろと憶測できますが、いかなる歴史があろうと「お地蔵さん」は地域と子供達の守り神に違いはありません。
「コロナが早く終息して、子供達に明るい未来を」とお願いしました。