玉子焼き器は「銅製?鉄製?」と迷いましたが、玉子を焼く以外にも小型のフライパン代わりにもしたいので「鉄製」にしました。
取り扱いが難しそうですが、調理温度と油の使い方に慣れれば簡単に使いこなせます。手入れも簡単で「洗剤で洗わない」のが最大のコツです。
玉子巻きを焼いてみました。↓↓テフロン加工された新品の製品と変わりません。それに、金属製のヘラが使えるのは気持ちがいいです。
鉄製にすることの不安
- 玉子焼き器はスーパーや100円均一のショップなら300円~1,000円以下で売っているのに、数千円もする鉄製のコストパフォーマンスはどうだろう
- 使いこなせなかったら、無駄になる
- 手入れが難しそうで邪魔くさい
こんな不安を感じている人が多いと思いますが、ちょっとしたコツをつかむだけで一生モノになります。
これが20年使い続けている鉄製の中華鍋で、使い込むほどに使いやすくなり愛着も湧いてきます。当時、2千円程度だったのでコスパも最高ですよね。
鉄製を長く使い続けているから、簡単に使いこなせるのではと思われそうですが、そんなことはなく今でもたまに失敗します。でも鉄製は失敗して焦げ付かしても、金タワシで磨けば元通りです。これが一生モノになる理由です。
初めは数回の失敗はあるかも知れませんが、慣れるのに1週間もかかりません。手入れの方法と使い方を説明するので、鉄製の良さを知って使いこなしてください。
鉄製フライパン(玉子焼き器)の使い方と手入れの方法
鉄フライパンやスキレットは使用前に「空焼き」をしなければならないのですが、紹介する「RIVER RIGHT」の極シリーズは「空焼き」が不要です。
- 使用前の「油ならし」
- 調理前の準備は「油返し」
※ しっかりと油をなじませることが目的
【使用後のポイント】
- 出来上がった料理は他の器に移す:料理で鉄を酸化させない
- 洗剤は使わずにお湯で洗う:油分を落とさない
- 水分を拭きっとってから片付ける:錆びさせない
※ 油分をなじませ腐食の原因となる水分や料理は取り除く
「RIVER RIGHT」の極シリーズ
「RIVER RIGHT」の極シリーズは鉄板の表面に「窒化鉄層」と「酸化鉄層」を形成させてあるので、普通の鉄フライパンより強靭で錆びにくいため「防錆加工」が施されていません。(空焼き不要の理由)
「RIVER RIGHT」の玉子焼き器はIH対応で、サイズは「極小」「小」「大」の3種類。小サイズ(外寸:幅13cm×長さ18cm)は一般的な大きさで、2つの玉子で玉子巻きを焼くのに丁度よいサイズです。
※日本製で保証書も付いています。
最初に使う前の準備「油ならし」
- 食器用洗剤(中性洗剤)でフライパンの内外を洗う(すすいでから水分を拭きとる)
- フライパンの深さ1/3を目安に油を入れ、弱火で5分程度加熱する
- 火を止めて、油をオイルポットなどの容器に戻す
- キッチンペーパーで内部の油を、鍋肌にすりこむようにふき取る
- すぐに使用できます
油を1/3程度入れる
弱火で5分
全体に油が馴染む
油を刷り込む(拭き取り)
調理前の準備「油返し」
プロの料理人が必ず行っているのが「油返し」です。毎回の「油返し」は鉄板に油がよくなじみ、焦げ付くこともなく料理が美味しく仕上がります。
- フライパンをコンロにかけて中火で温める
- 油をたっぷり(多い目です:底に油が溜まる程度)入れ、フライパンを回しながら全体に油をなじませる
- 温度が上がり、油がフライパンになじんだら、すべての油をオイルポットに戻す
- 調理に必要な油を入れて調理開始
※ 「油返し」は毎回、調理前に行うので使いやすいオイルポットがあれば便利です。
使用後の手入れ
- プライパンの料理はすぐに他の器に移す
- フライパンが熱いあいだに、お湯にタワシ(専用の金タワシがあると手入れがしやすい)などで洗う
※ 洗剤は絶対に使わない - 水分をしっかりとふき取る
※ 鉄板に油分がないようならキッチンペーパーなどで油を薄く塗る
焦げ付き・こびついた汚れ
軽めの焦げ付きなら水を入れて煮たせるだけで落とすことができます。汚れがひどい場合は、直火で汚れを焼き切ります。
【汚れの焼き切り】
- ガスコンロの火を全開にして、汚れのひどい部分に直接火をあてて燃やすように焼き切る
- フライパンが冷めてから金属性のタワシやヘラを使って、汚れをはぎ取る
- クレンザーなどを使って全体を磨く
- 水洗いしてから、中火で5分程度「空焼き」をする
- フライパンが冷めたら「油ならし」をおこなう
※ 荒っぽい手入れのようですが、これが、鉄製フライパンが一生モノといわれる良いところです。穴があくまで使えます。
空焼き
空焼きとは、鉄板に施されたさび止め加工(防錆加工)を高温で焼き切る作業です。
「RIVER RIGHT」の極シリーズのようにメーカーが「空焼き」不要と明確に宣言している以外の製品を使用する際には、必ず「空焼き」を行いましょう。
【空焼きの方法】
「空焼き」は20分~30分程度強火にかけるので電磁調理器(IH)や温度センサーが付いたガスコンロではできません。また加熱中に有毒ガスが出る事があるので換気は必須になります。
- 鉄フライパンを中性洗剤で洗い、水分を拭き取る
- 強火にかけ、ムラなく色が変わるまで15分~2分程度放置
※ 鉄が徐々に薄白く(ものによっては青白くなる)変化するまで焼く - 底の方の色が変わってきたら、側面などをまんべんなく焼く
- 全体の色が変わったら火を止めて冷めるのを待つ
これで「空焼き」は終了です。あとは中性洗剤で洗い「油ならし」を行ってから使用します。
料理の決め手は調理温度
天ぷらを揚げる最適な油の温度は180℃ですよね!焼き物も油を引いて食材を焼く料理なので基本は同じです。概ね170℃~180℃の温度でメイラード反応(アミノ・カルボニル反応)が起きて料理が香ばしく美味しく料理が仕上がるのです。
メイラード反応(メイラードはんのう、英: Maillard reaction)とは、還元糖とアミノ化合物(アミノ酸、ペプチドおよびタンパク質)を加熱したときなどに見られる、褐色物質(メラノイジン)を生み出す反応のこと。褐変反応 (browning reaction) とも呼ばれる。アミノカルボニル反応の一種であり、褐色物質を生成する代表的な非酵素的反応である。
引用:Wikipedia
要するに、170℃~180℃の温度で調理すると、タンパク質(アミノ酸)と糖が科学反応を起こして、表面をこんがりキツネ色に焼き上げ(揚げ物も同じ)、香りが良くて香ばしい料理に仕上げるのです。
料理には200℃の高温で表面を一気に焼き上げる方法や、低温でじっくりと調理する方法もありますが、「焼き物」「揚げ物」「炒め物」の調理温度は180℃程度が基本です。
軽くて薄い素材のフライパンは、加熱すると一気に200℃以上の温度に上昇してしまい、火を止めると一瞬にして温度が下がるので温度調節が非常に難しいと言えます。また、熱伝導率の高い金属は「熱しやすく冷めやすい」といった特性があるので保温性に乏しいと言えます。これらを科学的に理解しようとすると難しくなるので説明は省略しますが、結論は「IH」のように常時温度を設定できない、直火での調理にはそれなりの厚みが必要だと言えます。
鉄フライパンの熱伝導率はアルミの1/4程度で、厚みもそれなりにあるものが多いので温度調節がやりやすくなります。
電磁調理器で鉄フライパンを使用する場合の注意点
電磁調理器はトッププレートに接したフライパンの底面のドーナツ状部分だけを発熱させます。発熱するドーナツ状部分とそれ以外の場所で大きな温度差が生じ、底面が熱膨張によって変形する(外側にふくらむ)ことがあります。
このような事を避けるため、「弱」から加熱し「中」、「強」と徐々に加熱しましょう。
まとめ
料理のプロが使うような鉄フライパンは使い方が難しく「ハードルが高い」とおもわれるかも知れませんが、使い方と手入れのポイントを理解して使い慣れれば一生モノになるのは間違いありません。
安価なものを使い捨てするよりもコスパが良く、環境に優しい「鉄製」を検討してみてはいかがでしょうか。
【鉄フライパンを使用するポイントのまとめ】
- 使用前には「空焼き」と「油ならし」をする
- 毎回、使うときは「油返し」を行い準備する
- 使用後は、フライパンに料理を残さない
- 洗うときに洗剤を使わない
- 片付ける際にはシッカリと水分を無くし、状態によっては油を塗りこむ
- 調理温度の基本は180℃