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お彼岸の本来の意味とは?いったい何をする日なのか?

彼岸とは、仏教とともに古代インドから伝わった考え方で、菩薩(ぼさつ)が仏になるために行う修行を指す仏教用語で、「波羅蜜(はらみつ)」(Pāramitā パーラミター)と同じ意味を持つ「到彼岸」に由来する言葉です。

仏教では、私たちのいる煩悩や迷いに満ちた世界(娑婆)を「此岸(しがん)」、迷いや悩みのない世界(浄土)を「彼岸(ひがん)」と呼びます。

すなわち悟りの世界、仏さまの世界に到るということになります。そして悟りの世界に到るための手立てを教えているのが彼岸なのです。

日本の雑節(ざっせつ)の1つである、春分・秋分を彼岸の中日(ちゅうにち)と呼び、前後の各3日を合わせた各7日間が彼岸とさています。

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彼岸絵(ひがんえ)

彼岸絵とは、春と秋の彼岸、それぞれ7日間に行われる法会のことで、仏法を説くためや供養を行う僧侶・信徒の集まりのことです。

この期間お寺では、先祖を供養する法事が執り行われ、信徒はお墓参りをするのが風習になっています。

彼岸絵では中日に先祖に感謝し、残りの6日は悟りの境地に達するのに必要な6つの徳目「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を1日に1つずつ修める日とされています。

六波羅蜜(ろくはらみつ)何かひとつ出来ることをしてみましょう

六波羅蜜の6つの徳目

  1. 布施(ふせ)
  2. 持戒(じかい)
  3. 精進(しょうじん)
  4. 禅定(ぜんじょう)
  5. 忍辱(にんにく)
  6. 智慧(ちえ)

1. 布施(ふせ)

「布施」とは見返りを求めない善行という意味を持ち、優しい心と思いやりの心で接するということです。

布施にも種類があり、金銭や衣類食料などの財を施す財施(ざいせ)、仏の教えを説き精神状態を穏やかにする方施(ほうせ)、災難に遭っている人を慰めて不安や恐怖心を取り除く無畏施(むいせ)などがあります。

ほかにも財物を損なわない7つの布施「無財の七施」といわれるものがあり、どの行為も見返りを求めるものではありません。

弔事のときに僧侶などに渡す「お布施」も布施がルーツで見返りを求めるものではなく「施主の気持ち」で渡すというのが本来の意味だと言えます。

2. 持戒(じかい)

「持戒」とは規則正しい生活を送るという意味を持ち、日常生活を正しく節度を守っていくということです。

戒とは「いましめ」で、一般的には行動規範であり自分を律する道徳規範です。仏教では在家のために、生き物をむやみに殺してはならない不殺生戒(ふせっしょうかい)、他人のものを盗んではならない不偸盗戒(ふちゅうとうかい)、不倫など不道徳な性行為を行ってはならない不邪淫戒(ふじゃいんかい)、嘘をついてはならない不妄語戒(ふもうごかい)、我を忘れる酒の飲み方をしてはならない不飲酒戒(ふおんじゅかい)という五戒があります。

これらは一般的に子供たちに教えることで当たり前のことのように思えますが、実際には守れていないのが現状ではないでしょうか。五戒を守ることこそが他人に対して利益(りやく)を与えることになり集団で生活している私たちにとって大切なことです。

3. 精進(しょうじん)

「精進」とは妥協がなく弛まぬ努力を続けるという意味を持ち、善悪の区別をつけて、何事もくじけずに小さなことをコツコツと継続するということです。

一般的に「毎日精進する」や「精進を積み重ねる」などというように、継続することを重視しているようですが、本来は善行については引き続きおこない、悪行は絶つといった善悪の区別をつけるという意味も含まれています。

善は善行、悪は悪行が作り出します。善悪の区別をつけつつ挑戦することが大切です。

4. 禅定(ぜんじょう)

「禅定」とは鎮まった心を持つために行う修行をさす言葉で、何事にも動揺することがない一定の状態にするために禅を行うということです。

「禅」は僧侶が行う修行と思われがちですが、海外で取り入れられている「マインドフルネス」は禅が基になっているのです。

禅を端的にいうと瞑想です。僅かな時間でも瞑想をすることによって、気持ちが穏やかになり集中力が上がります。形式にとらわれることなく、自分のライフスタイルにあわせて「心を調える」時間を取り入れることが大切です。

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5. 忍辱(にんにく)

「忍辱」とは感情を表に出さずに耐え忍ぶという意味を持ち、辛いことがあっても撒けずに強い心を持つということです。

どんな人でも怒りや不満といった感情は芽生えるものです。そんなときにも感情的にならない精神を養うためのもので、自分のできない部分や見たくない失敗に目をそらさずに認めるというのが忍辱の本来の意味です。

ものごとを他者の所為にせず、正しく認識することが問題の本質を捉えやすくします。

6. 智慧(ちえ)

「智慧」とはこの世の真理を見極めて正しい心を持って行動するという意味を持ち、体験・経験によって「気づき」を得るということです。

知識は行動があって初めて生かされるものです。正しい知識を持ったうえで行動を起こすと、今まで気づかなかった角度や視点でものごとを捉えることができます。そして禅定(瞑想)により心を調え正しい答えを導き出すことです。

これには「この世の真理」を知ることが大切です。

お釈迦様の教え|この世の真理【四法印】
病気や死を恐れながら、人間関係に悩まされる日々。根本的な解決策もなく「なんとも思い通りにならない人生なのだろう」と悩んでいる間に年を取る。 老いてくると、ただでさえ思い通りにならない人生が、体の老化とともに益々「思い通り」にならなくなって...

まとめ

お彼岸は毎年訪れる日本特有の行事で、仏教を信仰しない人であっても先祖を敬い、逝去した方のことを思って供養したいと思うのが人の気持ちです。

供養は大切にしなければならない人の心ですが、他に自分を見つめ直すよい機会でもあります。何気なく「お墓参り」をしていた人も彼岸本来の意味を知り、六波羅蜜の何かひとつ出来ることをしてみると人生が変わります。

正しい行いは穏やかな心を作ります。穏やかな心は良い判断ができます。チョットした心がけが幸せを運んで来てくれます。

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