母親が亡くなって初めての彼岸。先祖の供養を兼ねて彼岸会に参加してきました。そこで、ある老子の説法で心に響いた幾つかのお話しを紹介します。
なかでも、看護師が聞いた「人が死ぬ前に語られる後悔」という話しが衝撃的で、自分にも当てはまるのではと感じました。
「自分を大切にする」といった基本でありながら最も大切なこと。自分が幸せでなければ、人を幸せにできない。自分に優しく出来ない人は、人に優しく出来ない。
「すべて発信元は自分である」という気づきです。
命の大切さ
生き物は食べなければ死んでしまします。植物でさえ土から栄養を摂り太陽の光と雨の水分で成長しています。
人間以外の生物は自分に必要なもの以外に手をだすこともなく、むやみに殺生をすることもありません。これが自然で、人間も同じ世界に住んでいます。
お金を払えば食料はなんでも手に入る世の中、「もったいない」という言葉を忘れてはいないだろうか。
自分も含め、命は尊いものです。
「いただきます」と手を合わす本当の意味
食事の前に「いただきます」、食べ終わると「ごちそうさま」と手を合わします。これには料理を作ってくれた人や食料を生産し届けてくれた人たちへの感謝と敬意が込められています。
そして「いただきます」の最も大切な意味は、命を頂くことから感謝と反省が込められていることです。
肉も魚も生き物です。野菜や果物も植物で命があります。これらは私たち人間が生きるために必要な栄養をとりいれるために死んで行くのです。
だから「いただきます」とは「私は生きるためにあなたの命をいただきます」ということで、生きることへの感謝と命を奪ったことの反省が込められているのです。
両手を合わす合掌の効果
「合掌」は神様や仏様にお参りするときに手を合わすことと思われるかもしれませんが、合掌の起源は古代インドの礼法で、相手に害意のないことを伝える手段だったそうです。
一般的には、感謝や敬意をあらわす行為であり「いただきます」や「ごちそうさま」「ありがとうございます」などの言葉と一緒に手を合わせるのが合掌です。
古くから手には不思議な「気」があるようで、痛みのある患部に手を当てる「手当」、気持ちを伝える「握手」など、手にはいろいろな意味を持った言葉があります。
自分の手と手を合わす合掌は「気」の巡りが良くなり、精神を安定させ体調を調える効果や、免疫力のアップが期待できます。
短時間でも自分の呼吸に意識を向けて合掌すると「禅定」(マインドフルネス)の効果があり、心が穏やかになり集中力が増していきます。
儀式や礼儀ではなく、自分のために「合掌」をライフスタイルに取り入れてみるのもよいでしょう。
看護師が聞いた「人が死ぬ前に語られる後悔」
- 自分自身に忠実に生きれば良かった・・・自分らしく生きれば良かった
- あんなに一生懸命働かなくてもよかった・・・もっと家族と一緒に過ごせばよかった
- もっと自分の気持ちを表す勇気を持てばよかった・・・もっと素直になれたら
- 友人関係を続けていればよかった・・・人は人生最後に友人の有難さに気が付くという
- 自分をもっと幸せにしてあげればよかった・・・幸福は自分で選ぶもの
いかがですか?思い当たる節はありませんか?これが病院に勤務する看護師が聞いた、人が死ぬ前に語られる言葉だそうです。
これらは「自分を大切にしてこなかった」ことを悔いている言葉で、生きるうえで自分が本当に必要だったものは何なのかを教えてくれています。
仕事やお金も大切ですが、自分自身は何よりも大切です。本当の幸せは思い残すことがない人生を送ることです。
生き甲斐とは常に目標を持ち続けることにある
思い通りにならないのが世の中で、思い通りにならないから、叶えたい夢ができます。それが目標であり、挑戦することで生き甲斐が生まれます。
人には、それぞれ役割があります。社長の役割、社員の役割、夫婦それぞれの役割、子供の役割、おじいちゃん・おばあちゃんの役割。役割に優劣はなく、たまたま与えられたものであり、それをやり遂げるのも目標であり生き甲斐でもあります。
思い通りにならないから、人生は楽しいのであって「もうこれでよい」「うまく行かない」などと諦めてしまうと生きる力も失います。
生命のある限り希望はある「気持ちを前向きに切り替えていこう」
- 「もうだめだ」を「これからだ」に切り替える
- 「なりたいな」を「なってやる」に切り替える
- 「もういいや」を「まだやる」に切り替える
「常に目標を持って生きる」大切なことです。
反省とは悔む事ではなく前進するための土台である
何かを始めると必ず一度は失敗します。失敗を深刻に捉えて悔む人もいれば、真剣に考えて次へと進む人もいます。
「鉄道の父」と呼ばれたイングランドの ” George Stephenson” (ジョージ・スチーブンソン)の名言に「私たちのつとめは成功ではない、失敗にも負けずさらに進むことである」というものがあります。
深刻にはマイナスのパワーがあり、真剣にはプラスのパワーがあります。たとえ成功しなくても真剣に考え前に進むことで自分の中に価値が生まれます。この価値はかけがえのない宝物なのです。
まとめ
なぜか老子の説法は「あたりまえ」のことをいっているのに新鮮にきこえます。わかってはいるものの、忙しい日々を過ごしていることで置き去りにしてしまっていた生き方の基本。実践して初めてその効果を感じられるはずです。
死ぬ間際に「自分の人生は最高でした」と言える生き方、それが本当の「成功」ではないでしょうか。
「忙中閑あり」です。自分と真剣に向き合う時間を作ってみませんか。