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京都の伏見稲荷大社は世界的に有名で知らない人はないと思いますが、稲荷山にお祀りされている「眼力社」はご存じでしょうか。
「眼力社」は本殿から千本鳥居を抜けて、稲荷山に向かう参道を40分ほど歩いたところにあり、キツネが逆立ちしているような水口の手水舎が目印です。
観光に訪れる方々にはあまり知られていないようですが、その名のとおり眼力を授かれることから、経営者や相場関係者のあいだでは熱心にお参りを続けている人が多いようです。
知る人ぞ知る「眼力社」のご利益とは
眼力さんは、伏見稲荷大社の創始として稲荷山に祀られている神さまで、古くから「目の病が良くなる」「先見の明・眼力を授かる」といったご利益があるといわれています。
そして、何度かお参りをすると、ご縁が築かれて眼力さんに引き寄せられるようになるそうです。
私が初めてお参りしたのは、「あと2年の命」と医師から告知を受けたときで、最近になって特定疾患に認定された病にかかったころでした。
その当時、「眼力社」のことはまったく知らなかったのですが、療養中に稲荷山に登り偶然に出会いました。
今から思えば、安静時の心拍数が30bpm程度と低く、歩くことも辛かったのに稲荷山に登れたことが不思議です。
それから8年が過ぎ、定期検診に通っていた病院から完全に解放され、今では体中に力がみなぎるほど元気になっています。
定期検診の最終日に、お世話になっていた医師(教授)から「何をして治した?・・・・」と不思議そうに尋ねられたのですが、「眼力さんのおかげ」といっても信じてもらえそうもないので、「好きなことを好きなだけ。あえていうなら、運動と食事には気を使いました」と答えていたのを覚えています。
当時は「どの道、治療法のない病気なら体を鍛えることで多少の長生きができるかも知れない」と考えていました。
そして、食事の栄養バランスに気を付け、スポーツジムに行こうと決心したのですが、通うのがやっとで運動どころではありませんでした。
数分間体を動かすと疲れ果て、ストレッチルームで寝込んでしまうのが毎日。スタッフの方に「大丈夫ですか?」とよく声をかけられていました。
このような生活をしているときに、何処からともなく誘われ参拝したのが「眼力社」でした。
それから、徐々に体が動くようになり運動ができるまで改善しました。
「神さま、仏さまにお願いすると願いが叶う」なんて信仰心を持ってはいませんが、眼力さんには何か不思議な力を感じます。
引き寄せられ、お告げを受けた。
お参りのあと「おみくじ」を引いてみると「凶 後 吉」という結果で、みさとしは「これまでの身の行いによる、いろくの渦を報いてくださる」「心を新しくして暫くの我慢」「その後は良くなる」といったことが書かれていました。
そういえば、「大柄なところはあるし、自身過剰」という反省しなければならない「嫌な奴」が見えてきたのです。
それからは、「感謝」の気持ちを忘れず「謙虚」に生きることにしました。これは、眼力さんのお告げに従ったというより、気付かせてくれたお陰です。
これが、商売人のあいだで密やかな人気を集めている隷書(れいしょ)文字で書かれた名刺大の豆書で、常に「謙虚と感謝」を忘れないようにと財布に入れて持ち歩いています。
まとめ
お参りは「神さま、仏さま」に願い事をするためではなく、心を鎮めて自分を見つめ直す機会を得るために行うものです。
自分に素直に向き合い本当の気持ちを聞いてみると、様々な気付きがあります。そして、その気付きは自分自身の中から湧出てくるもので、それに従うことで人生は好転します。
これが本来の「神さま、仏さま」の力で、自分勝手な願い事を叶えてくるものではありません。
しかし、眼力社は不思議です。