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寛容な心があなたの人生を豊かにする

人間には「好き」「可愛い」と幸せな感情を抱くこともあれば、「嫌い」「憎い」といった不幸な感情を持つこともあります。

好き嫌いの感情は誰もが常に感じる事ですが、「嫌い」が「憎い」「恨めしい」といった感情に変わったときには注意が必要です。

「憎しみ」という感情は、何らかの危害を加えられたときに自己防衛反応が基になって生まれるもので、本能に近い性質を持っているためコントロールが難しい感情です。

防衛本能の一部だともいえる「憎しみ」の感情は非常に力が強く、「憎しみ」の原因となった人や出来事を思い起こすだけで頭がイッパイになり、その感情が強ければ脳内を常に占領し他のことを考えられなくしてしまうのです。

「憎しみ」に占領された脳は機能を停止したのと同然で次に進むことができないので早々に解決しなければなりません。

憎しみは愛情の裏返し

人は初めから誰かが憎いと思う事はありません。しかし自分もしくは自分の大切な人や物が傷つけられると一瞬にして憎しみが生まれます。親が子を思う気持ちも同じで、会社における人間関係でも同じような事は常にあります。

いずれにしても、自分が大切にしているものが傷つけられたときに「憎しみ」の感情は生まれ、自分への愛情が強い人ほど「憎しみ」も強くなります。

愛情が憎しみに変わった瞬間

好きだった猫が嫌いになった出来事を紹介します。

私の可愛いシャムネコは夕刻の帰宅時間がわかるのか、いつも同じ時間になると駐車場で待っている。車を停車させると「にゃ~!にゃ~!」と鳴きながら何処からともなく現れて足元に絡みつく。実に可愛い。

近所に飢えているのか、痩せ細った野良猫が1匹。可哀そうに思い見かけると餌をやるようにしていたら懐いてきているのがよくわかる。こいつも可愛い。

ある日、帰宅するとペットのシャムネコと野良猫が玄関で喧嘩をし始めた。過保護のペットは野良猫の相手になるわけもなく、ボコボコにされているのを見て野良猫を蹴っ飛ばしたことがある。以来その野良猫が憎くなり餌を与えたくなった。

もちろん蹴っ飛ばされた野良猫も、それ以来寄り付かなくなったのは言うまでもありません。

この心境の変化がまさに愛情から生まれた憎しみではないでしょうか。

寛容な心を持つ

前述の通り「憎しみ」は脳が機能停止に陥り、延いては心や体に悪い影響を与えかねません。場合によっては原因が消え去るまでの長い年月を無駄に過ごすことになります。

一度抱いた「憎しみ」という感情を消し去ることは大変難しい事ですが、「憎しみ」というネガティブな感情で頭の中をイッパイにするなら「寛容な心」について向き合うほうが人間をして豊かになれるのです。

「寛容な心」とは、広い心をもち人の言動や失敗などを厳しく責めずに受け入れることを指し、すべてを「許す」といった意味合いがあります。

もし、「憎しみ」を作った原因が人間であるなら、その人を「許す」ことです。

「戦う」「逃げる」

理由はどうであれ、人に憎まれると憎まれた人も相手が憎くなります。そして寛容な心を持って相手を許したとしても相手が許すまでは時間が掛かります。

中には自分が許しても相手が絶対に許さない場合や、許したことを逆手に取り攻撃してくる場合もあると認識しておくべきです。

「寛容な心」はこのような理不尽な相手には通用しないので「戦う」ことも必要になります。そして戦う相手が絶対に勝てない相手なら「逃げる」ことも考えておかなければなりません。

憎しみの原因を排除するための「戦う」と「逃げる」は徹底する覚悟が必要です。よく考えて最終手段の切り札は持つようにしましょう。敏感な相手なら腹を括ったことを肌で感じることがあり抑止力になることもあります。