平安京の時代、京都市の千本丸太町に「平安京朝堂院 大極殿跡」があり南に道幅84mの「朱雀大路」が現在の九条通りの「羅生門」まであったそうです。
そして「朱雀王子」周辺には数々の平安京遺跡が地下に埋もれています。
「お宝は出るのか?」京都市内の某所で行われた、埋蔵文化財の試掘調査を紹介します。
平安京の地層
「お宝」 発見
平安時代の地層から、「瓦」と「陶器」を発見。
土の中から丁寧に掘り出され、記号が記されたビニール袋に収納されていました。
失礼ながら、私には「ガラクタ」にしか見えない出土品。
調査員の方に教えていただきました。
瓦の製法
写真中央の「瓦」についている筋が解るでしょうか。
当時の「瓦」は板の上に布をかぶせ、その上に粘土を置いて、木の棒で叩き締めて形をつくるそうです。
木の棒には、粘土が引っ付かないように藁とか縄のような物を巻いて叩くので縄目の筋ができるとおっしゃっていました。
そして窯で焼きあがったのがこの「瓦」。
縄文時代みたいなお話しでした。
緑釉陶器
これは「緑釉陶器」(りょくゆうとうき)といって鉛釉(なまりゆう)を使った日本最古の製法で作られた陶器で、現在使用している陶器はこれが発祥だそうです。
お話を聞いていると「ガラクタ」が「お宝」に見えてくる。
水路 発見
一部分に湿気を多く含んだ場所。当時の水路で、これも貴重な発見だそうです。
出土品の保管、地層の状態を計測してスケッチ。警察の鑑識のような地道な作業が大変そうでしたが、こんな一部分の調査がいくつも重なり「平安京」の地図ができているのです。
今回の調査は試掘でしたが、調査員の方は保存状態が非常に良い事に驚いていらっしゃいました。
「金銀小判」は発掘されませんでしたが、大変勉強になりました。