いつも母親の介護に家族の世話。忙しくしている妻に感謝を込めて昼食をご馳走。少し奮発して”美濃吉”四条烏丸店に行ってまいりました。
コロナが心配でしたが、案内されたのが3畳ほどの全室がある8畳の和室(個室)。テーブルが2セットありましたが、室内は私たちだけでしたので、ゆっくりとくつろいで食事ができました。
”美濃吉”四条烏丸店はオフィス街のビルの中にあるのですが、店内に入ると和風の街並みのようにデザインされて、日本の文化が感じられる店内は海外からの旅行者だけでなく地元の人達にも人気があります。
店内は京都の調度品で装飾
京都のさくらのシーズンといえば「都おどり」が有名ですが、残念ながら今年は中止になりました。それでも”美濃吉”さんは、お客様に季節を楽しんでもらおうと店内は「都おどり」をモチーフにした品々で装飾されていました。
京都の調度品「酒器」「扇」
「都おどり」を意識してか、茶室に「琴」と「琵琶(びわ)」、「都おどり」と書かれた「灯篭」が新鮮な和の雰囲気を醸し出しています。
個室での食事
店内の通路をとおって案内された和室(個室)には名前が付いていて、温泉旅館のような感じです。中は広々として、ここで2人は贅沢。新婚当時を思い出しました。
部屋の中の装飾品
食事は”うな重”と”京弁当”
妻が”京弁当”、私は、”うな重”(うなぎ1尾)を頂くことにした。
【うな重】うなぎ1尾のせ
美味しい国産の”うなぎ”です。うえに乗っている黒い粒は山椒の佃煮(今が旬です)
粉山椒にうなぎのたれが別に用意して頂けましたが、身が「ふわふわ」で味付けも丁度よく、このままで美味しく頂けました。
関西のうなぎ料理はお腹から切り開く「腹開き」。関東のうなぎ料理は背中から切り開く「背開き」です。
関東は武家社会で切腹をイメージさせる「腹開き」を嫌って「背開き」になったのです。関西のうなぎの蒲焼は、「まむし」といって、蒸さずに焼いていたのですが、いまは蒸してから焼くことが多くなってきてます。
たまに少し歯ごたえがあって香ばしく焼けた”うなぎ”が食べたくなります。炭火(備長炭)で焼けば炭の香りが美味しさを一層引き立てます。ガス火で焼くとガス臭さがうなぎに移り残念なことになります。
うなぎに限らず、直火での焼き物は炭に勝るものはありません。(強火の遠火が基本)
【懐石の雑学】献立と順序
1. 先付
席について最初にでてくるのが「先付(さきづけ)」。「お通し」「突き出し」と同じです。
2. お凌ぎ
空腹を「凌ぐ」といういみで出てくるのが「お凌ぎ(おしのぎ)」。空腹なのにいきなり食べると胃もたれすることを防ぐためです。お店によって違いますが、小さなお寿司や少量の蕎麦・うどんが多いようです。
3. お椀
”箸洗い”といって、口すすぎのために「お椀(おわん)」が出てきます。最初にひとくち汁を吸ってから具を頂くのが作法です。これで料理人の腕がわかるほど重要な一品です。
4. 向付
「向付(むこうづけ)」は刺身(お造り)の事です。旬の魚を料理人が手間暇かけた料理で、だだの切り身ではありません。隠し包丁に昆布締め、松笠など同じ刺身でも調理の方法によって味が変わります。
5. 八寸
「八寸(はっすん)」は名前の通り八寸の長さの器に盛られたことから名付けらました。山海の素材を使った肴の盛り合わせで、次の料理が出されるまでのつなぎです。
6. 焼き物
「焼き物(やきもの)」は旬の魚を焼いた料理で、きせつの葉っぱや花などをあしらい美しく仕上げています。これがメインディッシュで最近では、肉料理のところもあります。
7. 炊き合わせ
「炊き合わせ(たあわせ)」は旬の野菜の煮物で、具と一緒に汁も頂きます。
8. ご飯
白いご飯のお店もあれば、炊き込みご飯・蒸されたもの・小丼みたいなものも有ります。
大抵の場合、汁物と漬物がセットになっています。
9. 水菓子
水菓子はデザートです。果物にシャーベット・アイスクリーム、お店によっては羊羹などの和菓子のところもあります。