今日、東福寺の「天通橋」に入ってきましたので、今回は、より詳しく東福寺の紅葉状況を届けします。
日中の気温は20℃前後で、心地の良い秋晴れです。平日ということもあって拝観者も少なく、ゆっくりと見て回ることができました。
午前10時頃の拝観者の数は、ご覧のとおりです。
前回、色づき始めは4~5割といいましたが、「通天橋」の中に入ってみると「洗玉澗」周辺は部分的に7割、その他では3~4割といったところでした。もみじの状態は、やはり縮れぎみで紅葉ではなく枯葉に近いものが見受けられます。
とはいうものの、京都随一の紅葉スポットと呼ばれるだけあって、すごく奇麗な景色だと思います。
「通天橋・開山堂」の秋季拝観料は、大人1,000円、子供300円で、拝観時間は8時30分~16時です。拝観者は午後になると、多くなりますので、朝早く拝観することをおすすめします。
拝観ルートは、「洗玉澗」「開山堂」「通天橋」を回るといったコースで、ゆっくり歩いても30分~40分ほどで帰って来れます。
臥雲橋と通天橋の間にある庭園と洗玉澗
「通天橋」の入り口から入ってすぐの庭園です。この辺の色づきは2~3割で、全体が色づくのは1週間ほど先になりそうです。
奥へ進むと、このように臥雲橋近くの洗玉澗では、川沿いのもみじが全体に色づいています。
これと対照的に、通天橋から東側の山手は、少し黄色くなった程度で、紅葉はまだ先のようです。
洗玉澗(せんぎょくかん)
これが、渓谷「洗玉澗」を流れる小川です。渓谷といってもそう深くありません。
洗玉澗の下まで降りると、「偃月橋(えんげつきょう)」とともに東福寺三名橋とも呼ばれている、「通天橋」と「臥雲橋」を下から見上げることができます。今回、この橋の説明はしませんが、とても有名な橋なので見ておくと良いでしょう。
愛染堂(あいぜんどう)
臥雲橋と通天橋の間、北側に重要文化財に指定されている「愛染堂」があります。
この愛染堂は、東福寺のなかでも一際目立つ八角形をした朱色の建物で、1934年(昭和9年)の室戸台風で倒壊した後に、移転・修理された建造物です。
中には鎌倉時代に制作された「愛染明王坐像(あいぜんみょうおうざぞう)」が安置されており、その隣に禅院伽藍を守護するとされる「招宝七郎(しょうぼうしちろう)」が祀られています。
愛染明王は、「悪縁を断ち切って、すべての人々に安寧を授ける」といわれ、とくに女性には「善き愛を与えて良縁を結ぶ」というようなご利益があるそうです。
常楽庵(じょうらくあん)
天通橋の北側には、重要文化財に指定されている常楽庵と呼ばれる開山堂があります。
これが常楽庵入り口にある庭園で、ここからはもみじが植えられていません。
この開山堂は1819年(文政2年)に焼失した後、1823年(文政6年)一条忠良(いちじょう ただよし)によって再建された楼閣(ろうかく)で、開山円爾像(かいざんえんにぞう)が安置されています。
ここは、紅葉というより「白砂の枯山水」と開山堂建築が見どころですが、開山堂に隣接する常楽庵客殿(普門院)、塔司寮(書院)、裏門は、現在保存修理工事が行われてるため全貌を見られないのが残念でした。
通天橋からの眺め
これが、紅葉シーズンで最も人気のある、天通橋から眺める洗玉澗の紅葉ですが、左側のもみじの色が冴えません。これから紅葉していくのならいいのですが、所々に落葉している枝が見えています。
その点、天通橋の廊下越しの眺めは、紅葉を切り取った絵画のようですごくきれいです。
まとめ
今回は、東福寺で最も人気ある「通天橋」の中の紅葉状況をお伝えしました。紅葉目的で京都に来られる方は参考にしてください。
今年の紅葉は場所によって進み具合がちがうため、全体が紅葉したような圧巻の眺めはなさそうです。また、通天橋からの眺めも南側のもみじが落葉しているようで長くはもたないと思っています。
しかし、入り口周りの庭園や山手のもみじは、わりと好い状態の葉が緑色しているので、これから暫くの間は楽しめそうな気がします。