休日は2人の息子と一緒にランチを食べに行くのを楽しみにしています。
今日もいつものように「ランチは何にしようか?」と、3人であれやこれやと相談しているうちに、京都伏見稲荷のラーメン店「陽はまた昇る」へ行くことになりました。
同店は、もともと地鶏と有名蔵元の醤油にこだわった「醤油ラーメン」の専門店として伏見深草で営業していたラーメン店でしたが、いつのまにか「濃厚鶏白湯」を売りにしたラーメン店として伏見稲荷に移転してきたようです。
のれんには「濃厚鶏白湯 ラーメン」の文字。看板メニューが「とりこんこつラーメン」となっていて、「牛骨醤油ラーメン」などがあるのですが、「醤油ラーメン」は見当たりませんでした。
深草当時のこだわり醤油のラーメンがなくなったのは残念ですが、その当時から「濃厚鶏白湯醤油」というメニューがあり、これに手を加えて改良したのが今の濃厚白湯のようです。
今回は、新しくなったラーメン店「陽はまた昇る」のメニューの中から、「とりとんこつラーメン」と「激辛つけ麺」を紹介します。
とりとんこつラーメン(Pork & Chicken Broth Rsmen)
初めて入るラーメン店での注文は、味を良く知るために看板メニューのノーマルと決めているのですが、今回は「にんにく」だけをトッピングしました。
「とりとんこつラーメン」の第一印象は、ラッパ型の鉢に入っているせいか「量が少ないのでは?」と思いましたが、スープが濃厚なこともあり、並みのサイズ1杯で満足できました。
濃厚鶏白湯スープ
こってりとした鶏ガラス―プと豚骨スープのバランス良いブレンドは濃厚であり、余分な脂分をろ過したスープは甘味があって、クリームのような滑らかさです。このスープを攪拌(かくはん)したら泡系ラーメンになりそうです。
「返し」は、醤油ラーメン当時のこだわりもあるためか、うまく全体をまとめ上げていて、「こってり」が苦手という方でも大丈夫なスープだと思います。
自家製の中細麺
同店では自家製麺を毎朝作っているそうで、店内入り口横にはカバーが掛かった製麺機が片付けてあります。
「とりとんこつラーメン」の麺は、しっかりとしたコシのある中太の中華麺で、もちもちの食感がスープとの相性がとてもいい感じです。
どこのラーメン店でも「麺は硬め」と決めているのですが、このお店の麺はコシが強いので、今後もお店におまかせにしようと思っています。
大判の焼き豚
焼き豚は大きめのサイズが2枚で、厚みは一般的なラーメン店で見かけるチャーシューといったところですが、低温調理で作ったかのようなジューシーさがあります。
脂身の少ない肩ロースを薄塩味で仕上げたチャーシューは、豚肉そのものの味がよく分かります。「豚肉が苦手」「脂身が好き」といった人には向いていないのかも知れませんが、脂身が少なくて薄味のシャーシューは、上品に仕上げられた「とりとんこつ」のスープの邪魔をすることはありません。
メンマと九条ネギ
焼き豚以外の具材は、メンマと九条ネギ・焼きのりです。メンマはシャーシューと同様に、薄味でスープの味を損ねることはありません。また京都の九条ネギは、しっかりとした葉でありながら、甘くて風味の良いブランドネギで、京都のラーメン店のほとんどが使っています。
替え麺
替え麺は、「一玉」と「ハーフ(半玉)」が用意されています。
長男が、変え麺「一玉」を追加注文したのですが、並みサイズのラーメンに「一玉」ではスープが足らなくなるようです。なので、並みサイズのラーメンには「ハーフ(半玉)」が適量だと思います。
この店の「替え麺」には、下味に「返し」がかけら、九条ネギが添えられています。
激辛つけ麺(Spicy dipping noodles)
次男は、みんなが同じメニューを注文するよりも違った味も楽しみたいということから「激辛つけ麺」を注文しました。
この「激辛つけ麺」は、つけダレ(スープ)が冷めないように、熱く熱せられた耐熱の器に入ってきます。麺は自家製の太麺で、しっかりとしたコシがり、ラーメンに使っている麺より卵が多く、太麺のせいかもちもち感が強いように感じます。
麺に添えられた2枚の焼豚は、バラ肉と肩ロースの2種類になっている。
つけダレは、魚介(マグロ節、かつお節、その他が混ざった味?)の味が強く感じます。激辛というだけあって、香辛料の種類も多く使わているようで、とくに四川料理や麻婆豆腐などに使われている麻辣味(まーらあじ)に近く、中華山椒の花椒(かしょう)独特の風味が強く感じられます。
ひと言でいえば、魚介の味の出汁に四川風の辛味を加えたものに、何かをプラスした味で、今までに食べたことのない味です。
こだわりの割りばし
席に着いて、最初に目に留まったのが、「陽はまた昇る」の焼き印が入った杉材の割りばしです。お店のこだわりの焼き印は、「ここまでしなくても?」と思いましたが、抗菌効果と鎮静作用のある香りの杉材は清潔感があります。
近年、割りばしを無くしていっている外食店が多い中、杉材の割りばしは大変気持ち良く食事ができるので、大賛成です。
まとめ
ラーメン激戦区となった京都には、昭和時代からの有名店がいくつもあります。しかし、独自の工夫を凝らした新しいラーメン店も日々増え続け、有目店を超える旨いラーメンを提供するお店もたくさんあります。
今回紹介した「陽はまた昇る」もその一つで、時代に合わせて変化していかなければ、いくら有目店であっても進化しなければ衰退します。
その点、「陽はまた昇る」は、陽が沈むように「醤油ラーメン」を終わらせ、また新しく陽が昇ってくるように「濃厚鶏白湯ラーメン」として始まる。まさに店名が示す通りのラーメン店です。
「次は、牛骨?」に力を入れるのかは分かりませんが、これからも繰り返し進化していくラーメン店だと思っています。