同じ年齢まで生きるとしても、楽しい人生を送っている人は一生が短いと感じ、生きていることが苦痛に感じている人は一生が長いと感じます。同じ生きてゆくなら、たとえ短く感じても楽しい人生を送りたいものです。
では、前者と後者とでは何が違うのでしょうか? それは時間の使い方であり、その使い方の基となる概念(考え方)の違いなのです。
時間はだれにでも平等に与えられた、資源であり財産です。そして、その使い方によって人生は大きく変化します。上手く使えば幸福が得られ、無駄に使うとつまらない人生になります。
時間の使い方の上手い下手は、個人の能力差によるものではなく、考え方と生活習慣の違いです。
この記事は、時間と幸福な人生の関係を考察しながら、幸せを感じられる時間の余裕を得る方法を考えたもので、私の経験に基づいて書いています。
毎日が忙しいとかんじているなら、是非参考にしてみて下さい。
時間を上手く使うと幸せになれる
時間を上手く使えると精神的に余裕が生まれます。心の落ち着きは精度の高い仕事を生み出し社会貢献につながります。そして、なおかつ余裕があれば、次々と新しいことに挑戦する意欲がわき上がり、人類の進歩に役立つ可能性もあります。言うまでもありませんが、これらはおのずと収入にも大きく関係してくるのです。
このように時間を上手く使えると、仕事に良い影響があるのは確かなことですが、仕事だけが人生ではないことを知っておく必要があります。なぜなら仕事に費やす時間は生きているすべての時間の10%にも満たないからです。
幸せな人生というものは、仕事だけでなく家族や友人との良い関係が生み出すもので、いくら仕事ができたとしても一人では手に入れることはできません。
人生は思っているより短いものです。しかし仕事だけに生きてきた人は老後にやることもなく人生は思っているより長く感じるようになります。死ぬのを待つだけの老後ほどつまらない人生はありません。
このようなことにならないように、若い頃から時間を上手く使い、時間と心に余裕を持つようにしていると、一生やり続けたいと思える何かを得ることができます。
それはかけがえのないもので、死ぬ間際まで楽しい人生にしてくれることになるのです。
時間の余裕は裕福な人生をもたらしてくれる
時間に余裕があれば精神的に落ち着きが得られ、素直に「楽しい、美しい、美味しい」などといった、五感も冴えわたり、何気ない日々の中にでも幸福を感じ取れるようになります。
といっても、生きていくうえで必要な収入がなければ不安が先行し、時間の余裕どころではなく精神的に余裕を持つことすらできないのは確かなことです。
しかし、時間の使い方は自身の成長と共に上達するものなので、時間に余裕が持てる頃にはそれなりの収入が得られるようになっています。そして、これらは短期間で身に付くものではないため焦らず長期目線で考える必要があります。
「時間の使い方が上手くなる方法」は後述しますが、余裕のある時間を得るには継続しなければならないことがあります。
「焦り」は「無理な頑張り」となり、苦しみが増すばかりで成長が遅れます。最悪の場合はやる気を失うなど、精神的に大きなダメージを受け、回復まで相当の時間を無駄にすることになります。
無理はどこかで破綻します。焦らず、視点を遠く(未来)に置き、今できることに集中していると、やがてはできなかったことも簡単に思えてくるものです。
時間と仕事
仕事で自由な時間を手に入れる第一歩は、与えられた仕事の本質を理解し、自分の力で求められている結果を出すことです。
本質を理解せずに、いつまでたっても上司の指事通りに仕事をしているだけでは時間に余裕を持つことはできません。
仕事は自分の考えを持って結果を出すことで初めて認められるようになり、やがては仕事を任されるようになります。その結果、自分のペースで仕事ができるようになり、時間を自由に使えるようになっていきます。
そして、仕事の時間を自由に使えるようになれば、与えられた仕事を熟しながら、その先のスキルアップにも時間が使えるのです。
- 仕事の指事(指図)は、すべてを伝えることに限界があるため、仕事の本質と求められている結果を理解しないと時間を自由に使うことができない
- 時間に余裕を持って仕事をすれば精度が上がり信頼性が増すと共に今後の時間短縮にもつながる
- 時間に余裕のない仕事は「やっつけ仕事」になりクレームにつながり、その対応に余分な時間を使うことになる
時間とお金
お金は働き次第で取り戻すことができますが、過ぎ去った時間は取り戻すことができません。有意義に使った時間は自分を成長させ、その後の収入にもつながります。
目先の収入に捕らわれていると忙しくなるばかりでなく、視野が狭くなり自分の成長が止まります。そして生涯、お金を追いかけ続けないと生活もままならない人生になっていくのです。
時間と裕福さ
時間に余裕があると家族や友人などと一緒に楽しむ時間が増え、裕福であると実感することができます。また時間に余裕があれば、新たな挑戦に使うことができ、さらなる自分の成長と新たな仲間を得ることができます。
このように時間に余裕を持てば、次々と幸せを呼びこむことができ、バランスの良い幸福感を得ることができます。
時間の使い方が下手な人の特徴
時間の使い方の下手な人は、目先のことに捕らわれ自分の人生(将来)のことを深く考えないために、自分の置かれている環境を深く理解することもなく、常に周りの人の影響を受ける傾向にあります。
そのため常に忙しい生活となり、計画的に時間の使い方を考える時間さえ持つことができません。その結果、以下のようなことを繰り返すことになり、益々時間に余裕がなくなってくるのです。
優先順位が付けられない
物事の優先順位は、重要性と緊急性を総合的に判断して決めることが重要ですが、時間の使い方の下手な人は物事の解決策を主体的に考えないため、何が重要であるのかの判断ができません。また、緊急性においても視野が狭く目先のことに捕らわれがちになり、緊急事態に至った原因を見極めることもできません。
このように、時間の使い方の下手な人は主体性に乏しく、常に周りの人に頼っているので優先順位を付けるどころか何をして良いのかの判断すら付かない傾向にあります。
今やるべきことを後回しにする
前述の通り、時間の使い方の下手な人は「優先順位」そのものが理解できていない傾向にあるために、「今やるべきこと」が何なのかが分からずにいることがあります。
そのような状態でありながら、他人から「今やるべきこと」はこれだと教えてもらっても、手間のかかることは面倒だと思い、後回しにしてしまうのです。
そして、「今やるべきこと」を後回しにした結果、新たな問題が浮上し、余計に時間が掛かってしまうといった負のサイクルが生まれるのです。
周りの環境や人に影響に左右され、自分の時間が作れない
時間の使い方の下手な人は主体性に乏しく、周りの人の影響によって行動する傾向にあります。しかし、周りの人の考え方は多種多様であり、矛盾があるのは当然であるため、これらに影響されて物事を行うと一貫性がなく様々な問題が発生します。
このような周りの人に頼った行動は、問題が発生するだけでなく、その問題の原因も周りの人の影響によるものなので自分だけの力で正常な状態にすることができません。
そうなれば、自分の時間を作るどころか周りにも悪影響を与え、信用を失うことにもなりかねないのです。
優柔不断で判断が遅い
前述のように、日々変化する周りの環境や人に影響に基づいて物事を判断しようとすると、どうしても矛盾という問題に突き当たります。右なのか左なのか?すべてが矛盾(対峙)する中での判断はおのずと優柔不断になるのです。
時間の使い方が上手い人の特徴
時間の使い方が上手い人は、自分の置かれている環境をよく理解しつつ、確固たる自分の考えを持って計画的に行動しているため、仕事ができるだけでなくプライベートも充実しています。
それは常に、以下のような考えに基づき行動しているのです。
自分を深く理解し、確固たる考えを持っている
自分を深く知ると苦手なことと得意なことが明確になります。これは目標達成の計画を立てるためにはとても大切なことです。
目標を達成するために行うことは得意なことばかりでなく、初めて取り組むことや苦手なことが多くあります。そして、これらに要する時間配分を考えた時、初めて取り組むことや苦手なことに十分な時間を割り当てることで目的の達成が見えてくると共に苦手分野が少なくなっていきます。
また、自分の長所と短所を深く理解すると感情をコントロールすることができるため、自分の置かれている環境に上手く対応することができます。これは、人間関係においてとても大事なことです。
今やるべきことが明確で集中力がある
「今やるべきこと」は必ずしも「やりたいこと」ではありません。むしろ「やりたくない」と思うことの方が多いはずです。しかし、目標達成を鑑みると「やりたくないこと」であっても「今やるべきこと」は最優先であるのは明確で、それに集中するべきです。
とはいっても、「今やるべきこと」はほんとうにこれで良いのかとか、迷いが生じ集中できない場合があります。それは初めて取り組むことへの不安や完璧を求めることから生じます。
初めてのことが不安になるのは当然ですが、あれこれ考えても迷うばかりで「これで良い」という答えは見つかりません。また、完璧を求めると迷いが生じ「集中力」が阻害されます。
物事はやってみなければ良し悪しは分かりません。常に最善を尽くそうと考え「今やるべきこと」に集中することで結果を早く得ることができます。結果は検証することで、また新たな「やるべきこと」が見つかります。
これを繰り返すと、おのずと求めている結果を出すことにつながります。
環境の変化や周り人に左右されることなく、自分の時間を最優先している
環境というものは常に変化し、それに伴い周りの人々の考え方や行動が変化します。このような状況で自分の考え方が曖昧だと周りの人の考え(意見)に振り回されることになり、大切な自分の時間をなくしてしまいます。
人との調和は大切ですが、人の意見を鵜呑みにすることが調和ではありません。まして権力やお金が絡む問題になると巧みに人を利用しようと考える人がでてきて物事を複雑にしてしまいます。
大切なのは、何事が起きても動じない「自分の考え方」であり「自分の時間」をいかに有意義に使うかです。
剛毅果断で決断が速い
常に自分の考えを持ち計画的に行動していると、自分に必要なものとそうでないものも見分けが付けられます。そして、必要なもの、欲しいものを得られるチャンスがいつ来るかと常にアンテナを張っておくと取り損ねることがなくなります。
時間の使い方が上手くなる方法
時間の使い方は「時間の無駄遣いをやめる」「主体的な考え方を持つ」「迷いを無くす」の3つで各段と上手くなります。
主体的な考え方を持つと周りに流されることなく自分のペースで物事が進められます。迷いを無くすことで集中力が高まり早く結果を出すことができます。
しかし、これらを自分のものにするには、それ相応の労力と時間が必要となるため、まず初めに「時間の無駄遣いをやめる」ことが重要になってきます。
時間の無駄遣いをやめる
何を「やめる」のかを決めることは、何かを始めるより重要で、これから新たなことに取り組むのであれば必須だといえます。
その理由は、1日を何かに目いっぱい使っている現状で、新たな試みを取り入れる時間がないからです。それでも無理に取り組もうとすると生活にひずみが生じ混乱を招くことになります。そして、自分には無理なことだと思い始め、何時まで経っても時間の使い方が上達することがなく、忙しい毎日から抜け出せなくなるのです。
これを回避するには、不要なことはもちろん、現段階において重要でないものを排除(やめる)することです。
必要のないことを意図的に「やめる」ことは誰にでもできることであり、簡単に時間の余裕を作り出すことができます。そして、その作り出した時間を「未来の自分のため」に使うことこそが「時間の使い方が上手くなる」第一歩なのです。
節約する時間と節約してはいけない大切な時間
時間を大切にするには、不要なことを意図的に「やめる」ことですが、人には「やめる」といけないこと、すなわち大切に守っていかなければ生きている意味がなくなってしまうものがあります。
それは、家族との食事の時間であったり、友人や仲間との時間であったりします。これらは一例で、一人ひとり大切なものは違うのでよく考える必要があります。
そして、このような個人的に大切な時間を手に入れるために「時間の使い方」を上手くなろうとしているのになくしてしまうことは本末転倒です。
無駄な時間を費やすやめるべき無駄なこと
時間を無駄に使ってしまう原因は、重要でないことを重要だと思い込んでしまっていることがほとんどです。
それは、自分にとって大切でない人でも無くしてはいけないといった思い込みや、人との話題作りに欠かせないと思い込んでしまっているメディアの情報収集に費やしている時間など、探せば必ず無駄は見つかります。
これらは、娯楽という意味では必要なことかもしれませんが、人生そのものに必要不可欠なものではありません。
主体的な考え方を持つ
人の意見に耳を傾けるのは大切なことですが、結論は自分で出し、それに基づいた責任のある行動が不可欠です。
なぜなら、人にはそれぞれ固有の考えがあり、信じているものも違うため、これらを総合的に取り入れると絶対に一貫した考えになることがなく、まとまりが付かなくなるからです。
何事にもストーリーがあって、初めから終わりまで筋の通ったものでなければ良い結果は生まれません。そして、そのストーリーを作り出し行動を起こすのは、まぎれもなく自分の主体的な考え方なのです。
迷いを無くす
初めて経験に迷いは付き物ですが、迷いは時間を無駄に消費することになります。結果がどうなるかと心配する気持ちがあるのは仕方がないことですが、迷って行動を起こさないといつまで経っても結果がでてきません。
完璧である必要はありません。常に最善だと思うことに集中し早く結果を出すことが重要です。それは良し悪しにかかわらず結果が分かれば次の段階に進めるからです。
まとめ
時間の余裕と安定した収入があれば幸せになることができます。これは主体的な考え方を持ち長期的に継続すれば可能になることで特別な能力を必要としません。ただ、自分を大切にして無理することなく地道に継続するだけで思い通りの人生になります。
そのためには、自分が幸せになる考え方を身に付ける必要があり、それに慣れるまで一定期の間掛を要します。その後は生活習慣となり、違和感がなくなり、自然に人生は好転していきます。
人に惑わされ、自分の人生を忘れてはいけません。人生は、人のためにあるのではなく自分のためにあるのです。