今回でベアタンク水槽についての4回目の記事になります。前回は、立ち上げから2年間水換えをしていないベアタンク水槽の実例に基づいたメンテナンスを紹介しました。
今回は、「失敗しないアクアリュウム製品の購入方法」と事故を起こさないために「水槽設置での注意点」について紹介します。
使用している機材(製品)は1回目と3回目の記事で紹介していますので参考にしてください。
【1回目の記事】
【3回目の記事】
アクアリュウム製品のベストな購入方法
アクアリュウム製品を購入する前には、作りたい水槽のイメージを固めて水槽の設置場所を検討しておかなければ、せっかく揃えたのに「思い通りに設置できない」「無理な場所に設置したのでメンテナンスができない」などの問題が発生します。
最悪の場合、水漏れや漏電などの事故になりかねないので、「作りたい水槽」と「設置場所の諸条件」をシッカリと検討しましょう。
イメージ通りの水槽を理想の場所に設置しようとすると、家具の移動など部屋のレイアウトを変更する必要があるかも知れません。しかし、これも部屋を美しく魅せるためのインテリアデザインの一環なので楽しみながら計画をしましょう。
具体的には以下の順序で、納得のいくまで検討を繰り返します。
- 作りたい水槽のイメージを固める
- 水槽の設置場所を決める
- 必要なら部屋のレイアウトの変更を検討する
- 置き場所に相応しい水槽の大きさを決める
水槽のイメージを固める方法
理想の水槽はブログサイトの写真やカタログなどで、ある程度のイメージが得ることができますが、現物を見ることでより深くイメージを掴むことができます。
その方法は、ゆっくりと時間を掛けて、ブログサイトの写真やカタログを参考にしながらアクアリュウムショップに展示してある水槽を見て回ることです。そして、水槽の立ち上げ方や機材の使用方法など、疑問に思っていることを店員さんに相談するのが良いでしょう。(高価なものなので、相談したからっといって、あわてて買うと失敗する可能性があるので注意してくださいね!)
アクアリュウムショップについて
アクアリュウムショップには得意とする分野があり、ショップごとのコンセプトがあります。店頭に展示してある水槽は、まさにショップの特長を伝えるためのものなので、まずはショップの一番目立つところに設置している水槽(メイン水槽)を見てみましょう。
ショップのメイン水槽は、水草水槽や海水魚など手の込んだものが多く、今回紹介しているベアタンク水槽をメイン水槽としているショップはほとんどありません。でも、熱帯魚を販売するために種類ごとに分けた水槽が置いてあり、そのなかには必ずベアタンク水槽があるので参考にしましょう。
水槽の設置場所を決める重要ポイント
熱帯魚の水槽の大きさは設置する場所の広さに合わせて、メンテナンスをやりやすくしておくのは勿論ですが、フィルターや照明のための電源の位置や水槽の重量に耐えうるだけの強度のある床であることが重要ポイントになります。
- 設置場所の床および水槽台の耐荷重(水を入れてセットしたルノアール450は約57kgと重たいものなので、畳の上など不安定な床などに設置するのはお勧め出来ません。また水槽台は水槽用として販売されているものをお勧めします)
- 水槽(機材)を運転するための電源の位置(水槽に近くて、水が漏れだしても漏電による事故が起こらないような位置に設置してください)
- PCやテレビなど電化製品の近くは避ける(水漏れや水槽内の水の蒸発によって、思いもよらないトラブルの可能性があります)
- メンテナンスがやりやすい場所(水槽の四方に手が届き、フィルターの取り外しがスムーズな場所に設置してください)
- 太陽光の当たる時間(前回の記事を参考にしてください)
アクアリュウム製品はどこで買う?
理想の水槽と設置場所が決まれば、いよいよ購入です。
購入の方法は近くの実店舗(アクアリュウムショップ)か、Amazonや楽天などのオンラインショップ買う方法がありますが、保証がしっかりとしていてメンテナンスなどの相談に乗ってくれるところで購入したいものです。
以下に実店舗とオンラインショップ双方のメリットとデメリットをまとめてみます。
実店舗(アクアリュウムショップ)で買う場合
メリット
- 製品を手に取ることができるため、イメージがしやすく、間違った買い物をしなくてすむ
- 店員さんに相談できる(製品の保証や製品の特長・使い方など)
- 実物を見て、アクア製品や生態(熱帯魚や水草など)を選ぶことができる
- 餌など、消耗品は手軽に購入できる
デメリット
- 自宅の近くに実店舗がない
- 製品が重たくて持ち帰るのが大変(郵送してもらうと運搬費がかかる)
- 欲しいと思っている製品が置いてない(取り寄せてもらう必要がある)
- オンラインショップより値段が高い傾向にある
オンラインショップで買う場合
メリット
- 実店舗に置いていない製品など品数が多い
- 実店舗より値段が低い傾向にある
- Amazonや楽天は、キャンペーンのタイミングで購入すると特典がもらえる(クーポン、ポイントアップ、割引など)
デメリット
- 購入金額によって送料がかかることがある(まとめ買いがお得)
- 出店している業者を選ばないと「不良品が届く」「保証が得られない」などの問題がある(過去に、業者と連絡が取れなくて失敗した経験があります)
- 出店業者と連絡が付きにくい(業者によっては意図的に連絡が取りにくくしている場合がある)
- 運搬中に商品が破損している場合がある(届いた品物は、すぐに開封して製品を確認することと、開封時に状態を写真撮影しておくのがお勧め)
- 詐欺に遭う可能性がある
- 個人情報が漏れる可能性がある
※ 値段が安いからと飛びつかず、まずは出店している業者の信頼性を確認することが大切です。
お勧めのショップ紹介と購入方法
失敗しない購入方法の第一歩は店舗選びで、価格とサービスの比較できるように複数店舗に絞り込むことです。
実店舗であってもオンラインショップであっても、アクアリュウム製品のようなマニアアックな製品は相談ができて、信頼の置けるショップを選ぶことが重要です。
抽象的な話では伝わりにくいので、京都在住の私がアクアリュウム製品を購入している店舗を紹介します。なぜこの店舗を選んだのかといった理由を「お勧めポイント」として書いておきますので、店舗選びの参考にしてくださいね!
ひごペットフレンドリー京都店
ひごペットフレンドリーは、近畿地方を中心に店舗展開している大型店で、「熱帯魚」はもちろん「犬」「猫」「鳥」「鳥」など幅広く取り扱っています。なかでも京都店のアクアリュウムコナーは、金魚、改良メダカ、熱帯魚に海水魚と扱っているジャンルも多く、小型魚から大型魚まで扱っているので、観ているだけでも楽しくなります。
楽天市場にも出店していますが、犬猫のフードやグッズが主流で、アクアリュウム関係の製品は販売されていません。
お勧めポイント
- 40店舗を展開する老舗で西日本No1の総合ペットショップチェーンで信頼性がある
- 地域で1番ともいえる品揃え(観察するだけで参考になることが多い)
- 知識豊富な店員さんに気楽に相談できる
Aqua Jewelry マーサ
京都市右京区(妙心寺北門の近く)にあるマーサーは、大型店舗ではありませんが、厳選されたアクアリュウム製品とオリジナル製品など他店にはないものがあります。生態も熱帯魚(アロワナ、淡水エイ、ピラニアなどもある)はもちろん、海水魚も販売されています。
オーナーがかなりのマニアで店舗内が水族館のように非常に美しいのが特長です。オーナー自ら作る看板ともいえるレイアウト水槽は定期的に更新されているので一見の価値があります。(京都にお住まいの方になら一度は見て欲しい!)
お勧めポイント
- オーナーが経験豊富なマニアなので相談すれば、大抵の問題は解決できる
- 美しさに拘ったショップなので、インテリアに合わせたデザインの提案をしてもらえる
- オーナー自ら作り上げたオリジナル製品がある(すごく研究されているようです)
- 個人経営の小さなショップですが、オーナーの人柄が誠実で信頼が置ける
株式会社チャーム
チャームは上場企業アスクル㈱が100%出資している通信販売業者で、熱帯魚をはじめペット全般(犬猫の生態は販売していない)からガーデニング、インテリア・雑貨まで幅広く取り扱っています。
過去に海水魚を飼育したくて実店舗を見て回ったのですが、思い通りのものがなくて楽天市場のチャームで購入したことがあります。当時、海水魚は初めてだったのですが電話相談で親切に教えてもらい以下のような水槽が出来上がりました。
なかでも驚いたのは、生体(クマノミ、イソギンチャク、サンゴ)やライブロック(生きた微生物が付いている石)、ライブサンド(生きた微生物が付いているサンゴ砂)などが状態よくクール宅急便で送られてきたことです。
それ以降、オンラインショップ購入するならチャームと決めています。同店のホームページは上手くカテゴリー分けされているので製品が探しやすいため、購入予定がなくても最新情報を知るために見ています。
残念なところはADA製品の取り扱いをしていないくらいで、他は満足しています。
お勧めポイント
- 楽天市場ショップオブイヤーを10年連続受賞している優良店
- メールで問い合わせができて、場合によっては電話応対もしてくれる
- 取り扱っている製品が豊富(ADA製品の取り扱いはない)
- サイトのカテゴリー分けが分かりやすい(アクア用品、熱帯魚・エビ、…など)
- サイトが常に更新されているため最新情報を知ることができる
店舗選びのまとめ
店舗選びはなんといっても信頼できるお店が第一です。私は数知れない失敗をしてきて「ひごペットフレンドリー」「マーサ」「チャーム」の3店舗に決めたのですが、これから始める人は失敗しないために、前述のショップ紹介(おすすめポイント)を参考に、お気に入りのショップを複数決めるようにしてくださいね!
人には、それぞれ相性というものがあります。ショップ選びは自分の感覚で決めましょう。
水槽設置での注意点
長きに渡って熱帯魚を飼育していると数えきれない失敗があります。直近では、90cm水槽を2階に設置したところ、外部フィルターに接続した「リリィパイプP(出水用)」が外れて、大量の水が漏れだし2階の床だけでなく、1階の天井まで水浸しになりました。悲惨な状態です!(原因:2階の室温が高くなりPVC素材のホースが膨張して抜け落ちたと考えられる)
リリィパイプP(出水用)
ホースバンドで固定
この写真は、二度と失敗しないためにホースバンドで締め付けたところですが、何が起こるか検討もつかないので、今は1階に設置しています。(メーカー違いの製品を接続するときは、説明書に載っていないので慎重に行う必要があります)
以下に、過去の失敗例をいくつか挙げておきますので、同様の失敗をしない様に参考にしてくださいね!
アクアリュウム製品の購入と設置での失敗例
- インターネットで良さそうな照明器具を見つけたので、1番安く販売しているところから購入した結果、数日で故障(連絡が付かず捨てる羽目になった)
- 水槽台の費用を節約のため、玄関の靴箱の上に設置したところ、靴箱が歪み、扉が開かなくなった
- 丈夫なローチェストだから大丈夫を思い、水槽を設置したところ、メンテナンスで水がかかり塗装が剥げ落ちた
- 大き目の水槽がどうしても欲しくなり、設置場所をシッカリと検討しないで購入したところ、どうしても設置場所の確保ができなくて実家の倉庫で眠らせる結果になった
- 子供のためにと小さな水槽を勉強部屋の机の上に置いてやった結果、子供がひっくり返して部屋中が水浸しになった
- 水槽台にテーブルタップを上向けに取り付けた結果、エアーレーションの水跳ねが差し込み口にかかり、家中が停電になった(火災の原因にもなりかねないので要注意)
- 外部フィルターのホースの接続があまかった結果、ホースが外れ大量の水を部屋にばら撒いた(説明書通りに出来ていなかったのが原因)
まとめ
4回に渡り、実例を元にベアタンク水槽を紹介してきましたが、違うタイプの水槽にも応用できる知識なので参考にして頂けたら嬉しく思います。
最後に重要なポイントを列記しておきますので、事故のない美しい水槽を作り上げてくださいね!
- 水槽は水漏れが起こる事を前提に設置場所を決める
- 水槽は思った以上に重たいので、重量に耐えられる場所に置く
- 漏電は火災の原因になりうるので、コンセントの位置や接続に注意を払う
- アクアリュウム製品や生態の購入店は信頼の置けるお店で購入する
アクアリュウム製品は高価な品物なので、慎重に準備をしてから購入しましょう。
製品を揃える準備も楽しいものですよ!
メイン水槽を奇麗な状態で維持しているショップはメンテナンスの知識が豊富なので、手の込んだ水槽はもちろん、比較的に手のかからないベアタンク水槽の相談にも乗ってくれるはずです。
是非、相談して深くイメージを掴みましょう。