まるでガラスの宝石箱に入った動く宝石(熱帯魚)ようで奇麗でしょ!
この記事では、初めて熱帯魚を飼育してみようかなと考えている人のために、水換え不要でインテリア性の高いベアタンク水槽を複数回に分けて紹介します。まったく知識がなくても同じ水槽を作ることができるように事例を基に解説しますので最後まで読んでくださいね。
ベアタンクとは底砂を敷かない水槽のことで、掃除が簡単で常に奇麗な飼育環境を作りやすいというメリットがあります。
その反面、底砂がないためバクテリアが育ちにくく、魚のフンや餌の残りが底に溜まるなどのデメリットがあります。
この記事では、これらのデメリットを解決する方法も書いていますので是非参考にしてくださいね。
ベアタンク水槽とは
ベアタンク水槽とは、底砂を敷かず底面がむき出しの状態の水槽を指します。
流木や石などのアクセサリーを入れることもありますが、熱帯魚だけをいれて飼育するのが基本的な考え方です。レイアウト水槽に比べて殺風景ですが、縁なしのオールガラス水槽に様々な色の照明を組み合わせるとキラキラと宝石箱のように見せることができます。
水槽の詳細
- 水槽:㈱アクアシステム
ノアール450(サイズ:W490×D320×H370、水量:約45L) - アーム型照明器具:上畑養魚㈱
ネオ・アーム(適用ライト:100W以下の口金E26の蛍光灯、LEDライト) - LED照明灯:上畑養魚㈱
レコルト ロータス ブルー&レッド(販売終了)
※後続品:RioCOB LED シャローブルー - 壁掛け式ろ過装置:ジェイクス㈱
スリムフィルター L(適合水槽:60L以下) - 外部式フィルター:エーハイム(EHEIM)
クラシック2213(適合水槽:45~75cm、約40~114L) - 給水用小型圧送ポンプ:エーハイム(EHEIM)
コンパクトポンプ300(販売終了)
※後続品:コンパクトオン300(流量:50Hz 170~300L/h、60Hz 170~350L/h) - 排水用ガラスパイプ:㈱アクアデザインアマノ
リリィパイプp-2(適合ホース12-16)
※ホース接続にホースバンド(抜け落ちて水槽の水があふれ出る可能性があるので注意)
ベアタンク水槽にお勧めの水槽「ルノアール」
アクアシステム社のルノアールは、前面と両サイドが1枚のガラスを使用して曲げ加工されているので角がありません。そして前面の中央がやや膨らんだラウンド加工。さらに、ガラス製の台座がしっかりとしているデザイン性の高い高級水槽です。
ベアタンク水槽の場合、照明が水槽の底まで届き、光の色がガラスの中を伝播します。赤い照明なら水槽が赤色、青い照明なら青色と水槽のガラスがベネチアングラスのように美しく見えます。
必ずしもルノアールでなければならいことはありませんが、オールガラス製のフレームレス水槽を強くお勧めします。
水槽「ルノアール」は、以下の公式サイトで確認してくださいね!
ベアタンク水槽を宝石箱のように照らすLEDライト
水草を育てるのなら光合成に配慮して明るい照明が必要ですが、ベアタンク水槽の場合は熱帯魚の体色と水槽そのものを美しく見せるためだけですので、光量より色合いに気を使った方が良いといえます。また、水槽内にアクセサリーを入れないため底まで光が届きやすく、あまり強い光の照明器具ですとコケの発生原因になることがあります。
写真で紹介しているLEDライトは20年ほど前から使用している「カミハタ社のLEDレコルト ロータス ブルー&レッド」という製品で、残念ながら販売終了となっています。
後続製品は、同社の「RioCOB LED シャローブルー」という製品で、メーカーでは海水用として販売されていますが、淡水用として使用しても問題はなく、むしろベアタンクのように水槽そのものを幻想的に魅せるにはブルーの光が向いています。
「RioCOB LED シャローブルー」の仕様は、以下の公式サイトで確認してくださいね!
ライティングしていないとき↓↓
水槽手入れがしやすいアーム型照明器具「ネオ・アーム」
アクアリュウムの照明器具には、一般的に水槽の上に据え置くタイプと水槽の縁にアームを取り付けるタイプがあります。水槽全体を均等に明るく照らすには上部に据え置くタイプが有利ですが、水槽上部の一部がふさがるため掃除などのメンテナンスを行う場合に器具を外す必要があります。
一方、アーム型や吊り下げ型は、光源が水面から遠くなるため水草を育てる場合は据え置き型よりも高い光量が必要になるというデメリットがありますが、水草を育てないベアタンク水槽の場合は、照明器具を外すことなく水槽の隅々までメンテナンスを行えるというメリットの方が大きいといえます。
写真で紹介している照明器具はカミハタ社の「ネオ・アーム」という製品で、水槽の側面ガラスに固定出来てコードがアームに内臓されているためスッキリとしています。
20年間使い続けている「ネオ・アーム」と「LEDレコルト ロータス ブルー&レッド」↓↓
ネオ・アームの特長
ネオアームは、特殊なアタッチメントでフレームレス水槽に取り付けられる口金E26ランプソケットのアームで、100W以下の蛍光灯、LEDライトなら他社製のライトでも取り付け可能です。
- インテリア性のあるシンプルなデザイン。
- 特殊アタッチメントでセットが簡単。
- コードがアーム内に入ってすっきり。
- 挟む面積が大きいのでしっかり固定。
- アームが長いので真上から照らせます。
詳細は、以下の公式サイトで確認してくださいね!
ベアタンク水槽のデメリットと解消法
水槽と照明についてはおわかり頂けたと思うので、次にベアタンク水槽のデメリットとなる以下の3点について、ろ過装置と産卵箱とともに紹介します。
ベアタンク水槽のデメリット
- バクテリアが育ちにくいため水が白濁する(水替えが必要)
- 餌の食べ残しや糞が底に溜まる(スポイトなどで取り除く)
- 生まれたてのグッピーの子供が隠れる場所がないため食べられてしまう(産卵箱が必要)
バクテリアってなに?
観賞魚の飼育でのバクテリアは、水中の有機物(魚の老廃物や枯れた水草など)を無機物に変えてくれる好気性細菌(※酸素を必要とする性質の微生物)で、具体的には、アンモニアを分解するニトロソモナス属(アンモニア硝化菌)や亜硝酸塩を硝酸塩に変えてくれるニトロバクター属(亜硝酸硝化菌)などがあります。
少し難しい話しになりましたが、バクテリアについて知っておいて欲しいポイントは以下の3つです。
- バクテリアは水をきれいにしてくれる細菌
- 水槽の底砂やフィルター(ろ過器)のろ材に定着する
- バクテリアを育てるには酸素が必要
ベアタンク水槽には複数のフィルターを併用する
ベアタンクのデメリットである「バクテリアが育ちにくいため水が白濁する」を解消する方法はフィルター(ろ過器)を2台設置して、メンテナンスのタイミングをずらすことでバクテリアの数を維持できるので水替えが不要になります。
ベアタンク水槽は一般的な水槽と違い、バクテリアを定着させるところが「ろ材」だけになります。そして、「ろ材」は定期的に掃除・取り替えなどのメンテナンスが必要で、その際にバクテリアの数が激変します。
- 一般的な水槽は、ろ過装置(ろ材)と底砂でバクテリアを育てることができるため、水槽(底砂の掃除など)のメンテナンスと「ろ過器」のメンテナンスのタイミングをずらして行う
- ベアタンク水槽は、ろ過装置(ろ材)のみでバクテリアを育てることになるので、複数台の「ろ過器」を設置し、それぞれのメンテナンスのタイミングをずらして行う
壁掛け式フィルター「スリムフィルター L」
まずは1台目のフィルター「スリムフィルター L」を紹介します。
GEX(ジェイクス社)のスリムフィルターは、20年以上前から愛用しているロングセラー製品でフィルターブランド第1位に選ばれたことのある効果の高いフィルターです。水槽のサイズに合わせてSS / S / M / Lの4種類があり、Lサイズでも厚みが約39mmと薄いため水槽の裏側がスッキリとします。
スリムフィルター Lは、専用の「ろ過材」を入れる場所が4か所あり、「活性炭マット」2個・「バクテリアマット」1個・4スポンジカセット1個が付いています。3週間に1回程度を目安に水洗いまたは交換する必要がありますが、どの交換用ろ過材も数百円と低価格なので助かっています。
- 厚みが薄いので、水槽の裏側がスッキリとしている
- 他社の壁掛け式フィルターに比べて静か(モーター音より水の流れ落ちる音の方が大きい)
- ろ材がマット式なので、手を汚すことなく簡単に交換できる
- 流量調整機能が付いているので、飼育魚に合わせて流量が調整できる
- 交換用ろ過材の種類が充実している
詳細は、以下の公式サイトで確認してくださいね!
エーハイム外部式フィルターとコンパクトオンを組み合わせる
45cm以下の水槽だと「スリムフィルター L」1台でもまったく問題はないのですが、水槽の底に溜まるフンや餌の残りを自動的に除去するため、外部式フィルターの吸い込み口に「コンパクト水中ポンプ」を取り付けてテストしてみました。
水槽の下に設置した「エーハイム外部式フィルター クラシック2213」
フィルターの中身(ろ材)はメーカー標準↓↓
このフィルターの吸い込み口に取り付けたのが同社の「コンパクト水中ポンプ300」
試しにエサを多めに水槽に投入してみると、水槽の端に設置したポンプが底全体の餌を吸い取りました。ベアタンク水槽は底砂がないためわずかな水流でも餌を吸い込み口に集める力があるようです。
思い通りの結果でしたが、毎回多くの餌を与えすぎるとフィルター掃除の回数を増やさなければならなくなるので、熱帯魚が食べきれる量にしましょう。
この組み合わせでの利点は水槽底の掃除だけではありません。
- 外部フィルターのエアー抜きをスイッチ1つで水中ポンプがしてくれる
- ダブルタップでホースをつなぎ変えるだけで水槽の水抜き(排水)が簡単にできる
今回、予備に置いていた「エーハイム外部式フィルター クラシック2213」を使いましたが、このような使い方なら、モータの付いていない「サブフィルター」の方がコストパフォーマンスが良いでしょう。
サブフィルターの詳細は、以下の公式サイトで確認してくださいね!
「コンパクト水中ポンプ300」は販売終了で後続品は「コンパクトオン300」です。詳しくは、以下の公式サイトで確認してくださいね!
今回はここまで
今回は実際に立ち上げているベアタンク水槽の主要な機材(水槽・照明・フィルター)を公式サイトとともに紹介しました。
次回は「グッピーの産卵」とメンテナンスなどを紹介します。