私が通っていた京都学園高等学校「国際コース」は2年生に海外(イギリス)留学のカリキュラムが組まれていて、生徒全員が海外の学校で勉強します。
高校2年生の新学期が始まってからは、イギリスに行ける「ワクワク」する気持ちと、親元を離れて海外で単身生活する不安が交錯する毎日でした。会ったこともないホストファミリーと一緒に生活が出来るのだろうか・・・学校は・・・英語力は・・・不安がつのる一方です。
そして、留学に出発する日が近づくにつれ、どんどんと不安が増していきました。そんな時、いつも通っていた理髪店で留学経験のある人(学生さん)に出会い経験談を聞かせて頂くことで、すこし楽になったのを覚えています。
両親には、留学費用や持っていくものなど色々と準備をしてもらっているのですが、私にもホストファミリーに自分を紹介するための準備がいります。
渡航してから約1年間(10か月)生活を共するホストには、初対面で自分の住んでいた町や家族を紹介しなければなりません。そして帰国前に、お世話になった印として手土産を渡すのがマナーです。
ホストファミリーのために用意したもの
私が住んでいる場所は京都なので、京都を紹介しようと父親に同行してもらい、金閣寺と嵐山に出かけました。これは私が住んでいる町がどんな町なのか説明できるように写真を撮りにいくのが目的です。
日本の文化を紹介するために、和風建築の床の間(掛け軸)と日本の文化を代表する錦鯉の写真。その他に、飼っているペットの熱帯魚と家族の写真を撮りました。
ペットが熱帯魚なのは、私が小さい頃から動物(犬や猫)アレルギーで喘息持ちのためです。学校からホストファミリーを紹介してもらう際にも、動物アレルギーの相談をしていたのでホスト側にも伝わっているかも知れないと思い撮影しました。
手土産に用意したものは、西陣織の飾り物と金閣寺で授かったお守りのお札。他にも日本でしか手に入らない物を用意したと思います。
留学直前のインターナショナルフェスティバル
留学に出発する3日程前だったと思いますが、インターナショナルフェスティバルという学芸会のような催しが行われました。
何処の学校でも行われている学芸会に、留学に行かせてもらえる親への感謝を伝える行事で、生徒全員(一人ひとり)が親へメッセージを伝えます。
当時は、親に感謝というより「これからどうしよう」という気持ちしかなく、私のメッセージはたいしたものではなかったと思います。
今思えば同級生たちは、両親が留学費用の捻出に大変苦労をしているのを間近に見ていたようで、「私のために、お金を使わせて御免なさい」といったメッセージが多かったのを思い出しました。
私の家庭は裕福だと思い続けていたのですが、卒業する頃には経済的に普通の家庭であったことに気づきました。これも、両親が私に気遣ってくれた優しさだと、今は感謝しています。