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人生や仕事の悩みを解決できるかもしれない「メキシコの漁師」の話しとは?

fishing boat

みなさん『メキシコの漁師』というお話しをご存じですか?

インターネット上ではかなり有名な話のようで、今さら紹介するようなものでもないような気もしますが、最近になって知った私にとっては、「幸せな人生とは?」「仕事のとは?」等々、考えさせられることがあったので記事にしてみました。

もしかして、私と同じように人生や仕事に悩み事を抱えているなら、少しは気が楽になるかも知れないので参考にしてみてください。

実は、この話しの元になったのは1972年にノーベル文学賞を受賞したドイツの作家Heinrich Theodor Böll(ハインリッヒ・テオドール・ベル)が書いた『Anekdote zur Senkung der Arbeitsmoral』(労働倫理の低下に関する逸話)という短編小説で、インターネット上ではいくつかの改作が出回っています。

その中で最も人気のあるバージョンが、ハーバード大学でMBAを取得した旅行者がお金に無頓着なメキシコの漁師にビジネスを教えるという短い物語です。

面白い物語なので、まずは以下の「日本語訳」を読んでください。きっと「…?」と何かを感じると思います。

物語の要約

『メキシコの漁師とMBA旅行者』のお話しだけにしようかなと思いましたが、元になった『労働倫理の低下に関する逸話』も知っておくとより面白いので、それぞれの要約を紹介します。

『労働倫理の低下に関する逸話』要約

物語の舞台はヨーロッパ西海岸の名もなき港。
きちんとした服装の進取的な観光客が写真を撮っていると、みすぼらしい服装の地元の漁師が漁船で昼寝をしているのに気づきました。

漁師の仕事に対する怠惰な態度に失望した観光客は、漁師に近づき、なぜ一匹も釣らずに横たわっているのかと尋ねました。

すると漁師は、午前中に釣りに行ったので、少量の漁獲量でも今後2日間は十分に大丈夫だと説明しました。

それを聞いた観光客は、1日に何度も漁に出れば1年以内にモーターボートを1台、2年以内には2台目を手に入れることができる。そうしたら仲間の漁師たちと小さな冷蔵倉庫や漬物工場を建設してビジネスを大きくする。そして魚料理レストランを経営し、さらには仲介業者を通さずともロブスターをパリに直接輸出できるようにもなるだろうと説明した。

漁師は無邪気に「それで何?」と尋ねました。

観光客は「そうすると、ここ港に座って、太陽の下でうたた寝しながら、素晴らしい海を眺めることができるだろう」と熱心に続けました。

すると漁師が「でも、もうやっているんです」と言う。

それを聞いた観光客は、悟りを開き漁師に対する同情のかけらもなく、ほんの少しの羨望の念だけを残して思索的に立ち去った。

『メキシコの漁師とMBA旅行者』要約

メキシコ南部の趣のある海岸沿いの桟橋で休憩中のアメリカのビジネスマンが、漁から帰ってきたメキシコ人の若い漁師の船をみると、大きなキハダマグロが数匹いました。

ビジネスマンは「捕まえるのにどれくらいかかりましたか?」と何気なく尋ねると、若い漁師は「ああ、数時間だよ」と答えた。

ビジネスマンは「なぜ、もっと長く漁に出て、たくさんの魚を捕まえないのか?」と尋ねると、若い漁師は「これだけあれば、家族が食べるのに十分だよ」とにこやかに答えた。

ビジネスマンは真剣になり、「でも、残りの時間は何をするの?」と尋ねました。

すると若い漁師は「遅くまで寝て、魚を少しばかり獲って、子供と遊び、妻と一緒にゆっくり昼寝をして、夕方頃には村に散歩に行って、仲間たちとワイン片手にギターを弾いて楽しんでいるよ。本当に充実した毎日だよ」

それを聞いたビジネスマンは、せっかちにさえぎりながら言いました。

「私はハーバード大学でMBA(経営学修士)を取得したコンサルタントです。そこであなたに助言をしましょう。まず、あなたはもっと漁をする時間を長く取るべきです。そして、大きな漁船を買ってください。そうすれば、もっと魚を獲ることができて、さらに多くの船を買うことができます。最終的には大きな漁船団を手に入れることができるでしょう」

さらに「獲れた魚は仲介業者を挟まずに直接加工業者に出荷しましょう。そうしていくうちに、自分の加工工場を作ることができ、後には加工から製品、流通までもコントロールできるようになります。そしたら、こんな小さな漁村を離れてメキシコ・シティに移り、その後ロサンゼルスに、最終的にニューヨーク・シティへ進出するんです。あなたの大きくなった会社を経営できるようにね。」と続けました。

そんなこと考えたこともなかったメキシコ人漁師は、「でも、これにはどれくらい時間がかかるの?」と尋ねました。

ビジネスマンは自慢げに「おそらく、15~20年、真剣に取り組めばそれより短いかもしれない」と結論を出しました。

ここまでを聞いた猟師は「それで、セニョール?」と尋ねました。

するとビジネスマンは興奮気味に「ここからが最高ですよ。しかるべき時が来たら、自社株を一般公開して巨万の富を手に入れ、一躍億万長者になるのです」と答えた。

若い漁師は信じられないという表情で「億万長者?本当ですか?その後はどうなるの?」と尋ねました。

ビジネスマンは満面の笑みで「そしたら、大金をもって早期リタイヤですよ!あとは、風情のある海外沿いの漁村に引っ越して、遅くまで寝て、魚を少しばかり獲って、子供と遊び、妻と一緒にゆっくり昼寝をして、夕方頃には村に散歩に行って、仲間たちとワイン片手にギターを弾いて楽しむんだよ。本当に充実した毎日になるよ」

メキシコの漁師のように生きれば悩みは無くなる?

みなさんは、この物語を読んでどう思いました?

私は、以下のように考えればよいのではと思います。

この物語は、事業で大成功して得られる生活は、今の漁師がすでに得ている生活と同じという実に興味深い話しですが、事業で成功するまでの苦労や、その過程で得られるものが抜けていいて、読み手はその空白の部分を自分の経験や常識をあてはめて物語を解釈してしまうことになり、その結果、読み手の数だけ違った意味を持ちます。

そのため、思慮深い人にとっては考え過ぎてしまって混乱を招く可能性があります。まして、人生や仕事に悩んでいる人が深く考えると、悩みが解決するどころか、益々深みにはまっていくと考えられます。

しかし、これは「なぞかけ」のような物語であり現実のことではありません。気持ちに余裕があるときに考察するのは面白いかも知れませんが、もし今、人生や仕事で何らかの悩みがあるのなら、「無理しなくても幸せは目の前にある」といった楽天的に捉えることがベストです。

例えば、「バイトやパートで働くだけでも何とかなる」と考えるだけでも気持ちは楽になります。そして「この先どうなるのか?」など将来を不安に思う必要もありません。

人生も仕事もゲームと同じようにリセットできます。そしてやり直せば、以前よりうまくなっているはずです。

この物語から学んだこと

  • 人生は楽しむためにある
  • 幸せは目の前にあって、それを感じるだけの心に余裕がなければならない
  • 今の人生がすべてではなく、何時でもリセットして再出発ができる
  • 人生は心配しなくても何とかなる
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