ダイエット【その3】の続編、今回は食べ方(食事の摂り方)を説明します。
プロのモデルは1日に6回の食事を摂るといいますが、これは単純に食事の回数を増やすことではありません。
ダイエット【その3】でカロリー調整とPFCバランスを整えた数字を分割することなのです。
1日の摂取量を100とすると、100÷6≒17 で1回の食事の量を17%にして1日を摂取量を調整することです。
回数を増やす理由
食事を分割することで脂肪になりにくくなるのですが、これはインスリンの分泌が関与しています。
インスリンとは体内の血糖値を一定に保つホルモンで、食事の摂り方で分泌を調整することが出来ます。
早食いドカ食い(短時間で腹いっぱい)は、血糖値が急上昇してインスリンが大量に分泌され太る原因になります。
反対に時間をかけてよく噛んで1回の食事量を少なく抑えると、血糖値も急に上がることもなくインスリンがほどなく分泌されます。
インスリンの働き
インスリンは体内の血糖値を一定に保つために、血中にある栄養素を全身に送り込んで血糖値を下げる働きをします。
糖質(食事では、ご飯やパンなど炭水化物として摂ることが多い)が体内に入る。⇒血糖値が上がる⇒血糖値を下げようとして膵臓からインスリンが分泌される⇒インスリンが筋肉を初め様々な部位に栄養素を送り込む⇒余剰な栄養素は脂肪に取り込む。
この様に栄養を体全体に運んでくれるインスリン、使い方によっては痩せることも出来るし筋肉を大きくすることもできます。
GI値(Glycemic Index)
インスリンの働きと同時に知っておいてもらいたいのがGI値。
GI値はインスリンの分泌量を知る手がかりになる数字のことで、GIが70以上の食品を高GI食品 56~69の間の食品を中GI食品 55以下の食品を低GI食品と定義されています。(ブドウ糖を100とした場合の値)
GI値は高いほど一気に血糖値を上昇させるので、インスリンが大量に分泌されます。
高GI値の食品⇒血糖値の急上昇⇒インスリンの分泌が大量⇒太る
低GI値の食品⇒血糖値の上昇が緩やか⇒インスリンの分泌が穏やか⇒太らない
ダイエットでは、低GI値の食品を選ぶほうがいいと言えます。
食事のタイミングと分配比率
食事の回数を増やすとして、その分配比率はどうするのか?
基本的な考え方は、食事を摂ってから次の食事までの間に体を動かさない場合は少なめに、体を動かす予定がある場合は多い目です。
一般の人の1日は、朝起きて夕方まで仕事(通勤や仕事で体を動かす)。家に帰ると体を休めて夜には寝るといった生活をしていると思います。
この様な生活の場合は、朝はこれから体を動かすので食事を多めに摂り、夜は動かないので少量にするのが基本的な考え方です。
筋トレなど運動の前には必ず栄養を補給しておくのは必須です。
また睡眠中は長時間栄養が摂れなくなるので、朝食は空腹時に摂る事になります。このような空腹時に急激に食べると血糖値が急上昇する可能性があるので、朝食はGI値の低い食品がいいと言えます。
朝食時の空腹(睡眠中の空腹)を防ぐために吸収の遅いガゼインプロテインを睡眠前に摂るのもいい方法です。
チートを入れる
チートデイ(ブレイクデイ)は直訳すると「ズルの日」という意味ですが、ダイエットでの定義は「好きな物を好きなだけ食べてもいい日」といった意味で、食事の制限を「ズル」する日なのです。
消費カロリーと摂取カロリーのバランスを計算して実行しているのに結果が出ない。最初は順調に脂肪が落ちていたが、途中から停滞している。
人間の体は栄養が不足すると体内に蓄えている栄養を使い生き延びようとします。しかしそれが長期に及ぶとこれ以上蓄えをなくすのは危険だと判断して、摂取している栄養だけで生き延びようと省エネモードになります。
これは生命の危機を察知すると一定の状態に保とうとする働き(ホメオスタシス)という安全装置が働くからです。
これを解消するのがチートで、時折多くの栄養を体内に取り入れることで「栄養不足にならない」と体に覚え込ますことで、体内に蓄えている栄養を使えるようにする方法です。
停滞期にはチートを入れる
チートは、あくまでもダイエットの停滞期を乗り越えるための食事戦略です。ダイエットを始めたばかり、あるいは体重が順調に落ちているときに取り入れても、あまり意味がありません。
チートの設定は、ダイエットの成果が停滞したときに取り入れましょう。
チートデーは週に1回が目安
ダイエットが初めての人は1週間に1日、曜日を決めてチートデイを設定するのがいいでしょう。
あらかじめチートデイを設定しておくと食べる楽しみが出来てダイエットのストレス解消になり、いい結果につながります。
チートデイの目的はダイエット停滞期の解消にあります。ダイエットの効果が出ていないのにチートデイを入れるのは返って肥満の原因にもなります。
もし食事計画の通りダイエットを実施してもまったく成果がでない場合は、当初の計画が間違っている可能性があるので、最初からの見直しが必要です。
食事の摂り方をまとめると
1. 食事の回数を増やす(1日の摂取カロリーとPFCバランスを考慮して、5~6食)
2. GI値を意識した食品を選ぶ(一気に血糖値を上げない)
3. 1日で食事のタイミングで摂取量を調整する。(活動するときは多め、安静時は控えめ)
4. 睡眠中など出来るだけ空腹の時間を作らない(朝食の工夫またはガゼインプロテインなど)
5. チートデイを設定する(ダイエットの効果が停滞したらチートで代謝を上げる)
空腹の時間が長くなると食べられない時のために栄養を脂肪に蓄えようとする本能(原始時代から人間が持っている機能)が働くので、ダイエット期から通常に戻す時など食生活を変える時には注意が必要です。
今回は、食事の摂り方でした。
ダイエットシリーズ【その1】から【その5】
ダイエットに必要な具体的な計算方法を記事にしていますので順番に読んでみてください!
〇 ダイエット【その2】1日の消費カロリーを知る
〇 ダイエット【その3】三大栄養素で摂取カロリーを調整する
〇 ダイエット【その4】食事の摂り方
〇 ダイエット【その5】腸内環境を整える