PR
言語切り替え

ストレスコーピング|ストレスの原因と対処法を考える

「ストレスコーピング」(Stress coping)とはストレスに上手く対処する方法として考えられた技法で、ストレスそのものを分析し対処する方法です。

日頃、ストレスに悩まされていても「体調が悪い!なんでだろう?」と思うばかりで、原因や対処法を考えた方は少ないと思います。重度のストレスは鬱病の原因になり、発症してしまうと対処どころか原因すらも分からなくなります。このような状態に陥る可能性は誰にでもあるので、異変を感じたらすぐに専門医に相談することをお勧めします。

ある程度の知識があれば「あれ!おかしいな?」程度の段階で異変に気付くことが出来ます。また専門医との相談でも分析、対処法が見つけやすくなり、重度な精神的障害に陥る前に防ぐことが出来ます。

ストレスの原因と仕組み

ストレスの対処法を知るためには、ストレスそのものを知る必要があります。分からないものを対処できませんからね。

ストレスには必ず「ストレッサー・因子」が原因としてあり、自分に害があると判断する「認知的評価」を経て「ストレス反応」が起きるのです。

ストレッサー・因子

ストレスの原因となるものは人によって違い、「物理的ストレス・科学的ストレス・生物的ストレス」や「社会的ストレス・心理的ストレス」などがあります。そして複数のストレスが互いに重なり合います。

【ストレスの原因(例)】

  • 物理的ストレス:気候や室内環境(冷暖房など)などによる温度や湿度、肉体的労働など。
  • 科学的ストレス:粉塵や騒音、仕事上での有機溶剤の取り扱いなど。
  • 生物的ストレス:ウィルスや細菌、蚊やダニなど。
  • 社会的ストレス:仕事上の悩み、人間関係など。
  • 心理的ストレス:生活環境の変化、お金の悩み、健康上の悩み、将来の不安など。

※いづれのストレスも何かの変化によって起こります。

【ストレス反応】

  • 心理的:抑うつ、不安、怒り、焦り、イライラ、緊張、自己効力感の低下、落ち込みなど。
  • 身体的:過呼吸、胃炎、動悸、血圧上昇、疲労感、食欲不振など。
  • 行 動:ストレス性過食症、アルコール依存、暴力的・闘争的になる、出社拒否など。

ストレスの原因を調査した結果、「配偶者や恋人との死別」が第1位で、家庭・家族の問題が上位を占めており、次が仕事上の悩みや人間関係になっています。

贅沢な話しですが収入の増加や長期休暇にストレスを感じる人もいるようです。

認知的評価

ストレスを受けると、全身(頭や体)を通してストレスを判断して処理しようとします。そして、それが自分にとって有害(負担)になるものなのかを評価します。

この評価が「ストレスの認知的評価」で、3段階あります。そして、その段階に応じて対処法を考えて行くことが、「ストレスコーピング」のプロセスです。

【認知評価の段階】

第一段階(一次評価):受けたストレスが「無関係」か、「無害」か、「有害」かを判断します。
第二段階(二次評価):一次評価で「有害」と判断されたときに、その状況を処理したり切り抜けたりするために、何をすべきかを検討する段階です。
この段階で用いられる対処法が「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」です。
第三段階(三次評価):二次評価を経て「コーピング」が進めていくと新しい情報を得る事が出来ます。このような情報に基づき一次評価、二次評価を再評価します。

自分自身で「認知評価」を行い対処するのは極めて難しいことです。遅くとも二次評価の段階で不調を感じたら専門医に相談することです。

ストレスコーピング

「コーピング」とは「対処する」という意味で、悪影響を及ぼすストレスをうまく対処し、心身の健康を維持していくことを目的にしているのが「ストレスコーピング」です。

ストレスコーピング理論は、アメリカの心理学者ラザルスが提唱者で、コーピングは「問題焦点型コーピング」と「情動焦点型コーピング」に分類できます。

人間はストレスを受けると、自分に害をもたらすかどうか、そのストレスを軽減できるかどうかを評価することでストレスを認知し、何らかのコーピングを行う、というプロセスを踏む。そして、コーピングは、問題焦点型と、情動焦点型の二つに大きく分類できる。

リチャード・S・ラザルス(Richard S. Lazarus:1922-2002)

問題焦点型コーピング

問題焦点型コーピングとは、ストレスの原因そのものを取り除くことでストレスを軽減する方法です。

ストレッサーを遠ざけるといっても、人間関係や仕事関係は自分だけで解決できない場合が多いので、上司や同僚など身近な人で、状況を分かっている人に相談しましょう。

この様に自分の努力だけで解決できない場合は、周囲に協力を求めることで問題を一人で抱え込むことがなくなりストレスの軽減になります。

情動焦点型コーピング

情動焦点型コーピングとは、ストレスの対象そのものではなく、それに対する自分の考え方、受け止め方を変えることでストレスを軽減するもので、自身の感情のコントロールです。

これは、ストレッサーを遠ざけるのではなくストレスを乗り越える方法と、何かで気晴らしをしてストレスを軽減する対処法です。

ストレスを自分に与えられた試練だと思い努力して乗り越えることが出来れば大きく成長できます。しかし、余り無理をすると知らないうちにストレス反応を起こしてしまう事があるので、自身の状態を第三者的に観察することが必要になります。

また、多少のストレスならプライベートの時間に趣味や旅行を楽しむことでリフレッシュすることでストレスを軽減出来ますが、根本的な解決にはなりません。

ストレスコーピングのまとめ

ストレスは誰にでもあり、ストレス反応も軽度の場合は自分でも気づきにくいものです。常に身近な周りの人とコミュニケーションを取り合っていると、自分の変化に気づいてくれるものです。そういった意味でも身近は大切にするべきです。

そして、ストレス反応に気づいたときは出来るだけ早いうちに専門医と相談するのが良いといえます。大げさにしたくないなどの気遣いは無用です。

問題焦点型コーピングはストレッサーを遠ざける事でストレスを軽減する対処法。

  • 自分自身で対処する又は出来る。
  • 周囲に相談して対処する。

情動焦点型コーピングは自身の考え方、受け止め方を変えてストレスを軽減させる対処法。

  • 自分に与えられた試練だと思い努力して乗り越える。
  • 趣味や旅行など、気分転換をしてストレスを軽減する。

世に名前を残している人達には、ストレスを楽しんでいる人もいます。彼らに共通することは自分がどうしても達成したい目標を持っていることです。目標はストレスを乗り越えながら達成していきます。そして大きな目標を持っている人ほど大きなストレスにも立ち向かえるのです。

目標は「自身の夢」から発生する。夢は見るものではなく叶えるもの。