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ワンマン社長の独裁組織で時代が逆行!「ティール組織」の末路なのか?

ある会社の社長がワンマンで組織が崩れつつある。

学生時代の友人が勤務している会社なので批判する記事ではなく、この事例で組織はどうあるべきか考えて頂きたいといった思いで書いています。

この記事のことは、友人に会社名を出さないなどを条件に了解を頂いています。

ワンマン社長って、どんな会社?

友人の話しを聞いて驚いた。”これが本当なら経営が成り立たないばかりか、会社は倒産する”

だれの意見も聞かないワンマン社長。経営層である役員たちは、社長の顔色だけを見ている。

役員が決めた事でも、社長が反対すれば取りやめになる。部長連中が役員に相談しても回答は返ってこない。いつも「社長の意見を聞いてから」となる。

会社組織は縦割りだけでなく、上層部、中層部、下層部が分断された状態。

ワンマン社長の口癖は”なんぼ儲るねん!”で、赤字になろうものなら”だれが悪いね!”と激怒。この攻撃を受けた管理職はビビリ、責任者に程遠い担当者の名前をだす。そして、その社員は懲戒。

いくら頑張っても評価されない、失敗すれば懲戒処分を受ける。従業員はやる気をなくし給料をもらうためだけに会社に来ている。

ワンマン社長は居心地よい取り巻きに囲まれているため、このような社員の状況を把握することはできない。まさに”お山の大将”という状況だそうだ。

「社長が悪いのか?取り巻きが悪いのか?」と考えさせらるが、すべての権限を握っているのは社長に他ならない。いずれにしても、このような会社が倒産もせずに存在していること事体が異常であり、いづれは社員がいなくなるのは明白。

ティール組織

ワンマン社長の話しを進める前に”ティール組織”を知って欲しいのですが、御存じでしょうか?

ワンマン社長とまったく正反対の考え方が”ティール組織”で、このような独裁権を振るう組織は、数千年前に出来た「軍隊」ようなものであると紹介している。

著書”フレデリック・ラルー”のビジネス書で、ベストセラーになっているので機会があれば読んで欲しい本です。

管理されない組織”ティール組織”の概要

ティール組織は、目的実現のために集まる人たちが、お互いの信頼と自律の下で進化を続ける組織。管理職を上層部に置くような組織構造を無くし、一人々がルールや仕組みを理解して独自に意思決定することで成果を生み出すという概念。

現代の組織は貧困をなくし、大きな富を生んできた。そして医療が発達、人の寿命を延ばしている。しかし厳しく管理された社員は、精神的に病み、組織の在り方に限界がきている。

過去も今がベストで、これ以上の組織はないと信じられて来たが、長い期間をかけて組織の在り方が変化してきている。だからこれからも変化できるというのが”フレデリック・ラルー”の考え。

これを踏まえ、ラルーは組織の進化を5段階で色付けしている。

ティール組織で運営している会社なら、社員もいきいきと仕事ができそうですね。

ティール組織の概略が分かったところで、ワンマン社長の話しに戻します。

なんでワンマン社長になったのか?

その会社はもともと”フレデリック・ラルー”が言うところの、グリーン(家族)とオレンジ(機械)の中間に位置する組織だったそうである。

業績はうなぎのぼりだったのですが、利益の良さに経営層が何もしなくなった。要するに、社員が勝手に業績を伸ばしていったのです。

これって”ティール組織”じゃないの?と思いますが、そうなると何もしないで高い給料をもらう役職者が出てくる。やがて不正がはびこり会社は衰退。赤字になっていく。

そういった状況の中、社長に抜擢されたのがワンマン社長の前社長。

この状況にテコ入れした前社長の手法は、仕事をしない不要な役職者の排除。

役職者の排除となると、力ずくでおこなうしかない。しかし一人の力では何ともならない。

そこで出来たのが、前社長を主とするグループ。

何とか、不要な役職者を排除できたのですが、有能な人材まで失う結果となった。

そして、そのグループはやがて前社長の取り巻きになり、それなりの役職に就いた。

その当時の業績は、売上は下がったけれど黒字。要するに不要な役職者を排除したため経費が削減できただけ。

ここからが、恐怖政治の始まり。

排除すべき敵を失ったグループは、軍隊のような封建的な組織を作り、やりたい放題の時期が続き、前社長が退任。後任には取り巻きの一人が社長に就任。

カリスマ性の高かったリーダーを失ったグループであったが、後任のワンマン社長が同じ手法が正しいと信じて真似をしている。

こういう事らしい。

今の業績は

会社の業績は「減収増益」だそうだ。

「減収増益」は、「リストラ」とか「経費削減」という企業を縮小するような印象を受け、あまり良いイメージではない。

しかし、どんな市場でも永遠に拡大が続くわけではなく、成長期があれば成熟期があり、いずれは衰退していく。

そういう機をしっかり見てかじ取りを変えていくことは、経営において絶対に必要なことだが、この組織の在り方では問題が多いように思える。

友人のためにも、この会社が「減収減益」にならない様に祈っている。

この一件、私が営者の立場ならどうかじを切るか?

私の考えでは、「減収増益」は次へのステップで良い事だが、次のステップを一人が決めるのは、ハイリスク。軍隊組織にワンマン社長は、優秀な社員が逃げていく。

ワンマン社長の判断に誤りがあれば立て直すすべがない。それに後継者を育てる事も出来ない。

この記事は”ティール組織”を紹介するつもりでしたが、少し的が外れたかもしれませんね!

でも、記事を書きながら考えると、いい勉強になりました。