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「怒り」をコントロールする

「怒り」には非常に強いエネルギーがあり、人を動かす原動力になることもあれば、トラブルを発生させる原因にもなる。まるで自分の中に住んでいる怪物のような存在ように感じる。

「怒り」という怪物をうまく飼いならせば、力強い味方になる。

人は怒ると、ストレス反応により「アドレナリン」「アドレナリン」という2つのホルモンが分泌される。

アドレナリンは身体能力を向上させるホルモン、条件が揃えば実力以上の力を発揮することがある。
ノルアドレナリンは神経伝達物質で意欲や集中力を高める作用がある。
これらのホルモンは「やる気ホルモン」ともいわれ、過剰に分泌されると自立神経が乱れ身体に害を与え、枯渇すると気力がなくなり鬱病のような神経障害を起こす。

怒りの発端は感情だが、身体にも大きな影響を与える。スポーツの世界ではこの様な感情をうまく使い、次々と新記録を打ち立ているが、普段の生活やビジネスシーンでの怒りは、人が人を傷つけることが多いため、悪のような扱いを受けて「怒りは抑えろ」といわれる。

普段の生活やビジネスシーンで「怒り」をどのように使えばいいのか考えてみよう。

怒りの正体と付き合い方

「怒り」という怪物をコントロールするには、その正体を知る必要がある。どんな時に怒りを感じるのかよく考えれば正体は見えてくる。いろんなシーンを思い浮かべるだろうが本質は「自分の思い通りにならない」が原因であることは間違いない。

「怒り」の正体が分かれば、後はどうコントロールするか。答えは「自分の思い通りにする」ことに努力することで解決する。

こんな簡単なこと誰でも分かっていると言いたいのは分かるが、シンプルに考える方が良い。なぜなら「怒り」は人間の感情がそのまま外にでるシンプルな現象。複雑に考えると深みにハマる。

自分の思い通りにする

「思い通りにする」ということは「思い通りにならない」ことを「思い通りにしよう」としない。言い換えれば「出来る事をする」ということ。

この考え方は何も解決できないように思えるが、そうでもない。それより自分の影響範囲を考えた方が良い。例えば社長の場合、その影響力は社内で一番であり、社内の業務に関することすべてに影響が及ぶはず。そして良い結果も悪い結果も原因は社長(自分)にある。

ここで言う「良い結果」は「思い通り」であり「悪い結果」は「思い通りにならない」ことを指し、すべては社長(自分)次第ということである。

社長でなくても影響を及ぼせる範囲があり、その影響範囲こそが自分が「思い通り」に出来る可能性が範囲で、影響が及ぼせない範囲は「思い通りにならない」と考えれば良い。

影響範囲と思い通りに出来る範囲は違う

たとえ社長であっても、子供の親であっても、従業員の気持ちや子供の気持ちは、自分が自由に出来る範囲ではない。人には人格があり個人特有の考えがある。これを「思い通りにする」といった考えが、そもそも間違いである。

人との向き合い方

関係を持つ相手は「クライアント、目上の人、部下、配偶者、子供、友人知人、他」と色々あるが、お世話になっている人には敬意を払い、未熟な人や弱い人は導いてやる気持ちがあれば、接し方は同じと考えてよい。

自分より強い立場の人を忖度すれば、弱い立場の人にしわ寄せがくる。そのしわ寄せを作るのは自分であり「怒り」となって表れる。

ビジネスシーン

部下が「思い通りに動かない」ことに端を発し、感情のままに怒りだす。怒りが怒りを呼び、何に対する怒りなのか分からなくなる。よく見かけるシーンだが、これは怒っている方も聞いてる方も、何のことだか分からなくなっている。

仕事を放棄する様な問題児でなければ、仕事のやり方(やってほしい事)を具体的に説明すれば、思い通りに行うはず。それがうまく行かないのは「説明が悪い」か、「部下の能力が不足している」かのいずれかである。

説明がうまく出来ない仕事は、自分がやっても失敗する。部下に能力が不足している場合は能力に応じた仕事を与え育てていくしか方法は無い。

部下を持つ立場の人でも上司がいる。部下の良し悪しに関わらず責任が圧し掛かる。仕事の進捗や結果が思うようにならない場合、上司と相談するのはあなたの役目。くだらない忖度をしていると部下に見切られ居場所がなくなる。

上司に対しても部下に対してもコミュニケーションを大切に、信頼関係を作れば「怒る」ことは無くなるはず。

怒りのエネルギーは自分に向ける

ここまでの話しでお分りになったと思うが、人に対する「怒り」は自分の能力のなさに苛立ち、それが表面化するもので原因は自分にある。そして何も生み出せないのが人に対する「怒り」である。

分かっていても、人は感情の生き物「怒り」を閉じ込めることは出来ない。「怒り」は閉じ込めるのではなく信頼関係を築きコントロールするもの。

「怒り」を味方につける方法は、スポーツ選手が技を磨くように、エネルギーを自己向上に使えば「影響範囲」は広がる。

「怒り」をコントロールできる人は視野が広く、何事にも屈しない心の持ち主。上司であろうと部下であろうと「ご機嫌伺い」「好き嫌い」は禁物、冷静な判断とコミュニケーション能力が鍵となる。