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「転職」は逃げ道ではない|生きるための準備と心得

人はどんなに好きな事でも毎日同じことを繰り返していると嫌になることがあります。仕事も同じで変化が無ければつまらないものです。そんな時、求人誌を読んで転職を夢見る事は誰にでもあります。

この記事に目が留まった人は転職を考えている人だと思いますが、転職は新卒の採用とは全く違い、あまいものではありません。

しかし終身雇用制度の崩壊が進む世の中、生き残っていくための人生設計において「転職」もしくは「起業」の準備はしておくべきです。

企業の現状

転職においては重要なのは、企業や企業を取り巻く環境を知ることで、自分本位の考えだけでは良い結果が生ませません。

仕事には発注者と受注者があり、個人と企業の契約より、企業どうしの契約の方が経済効果は高いので、企業の仕事の流れを知る必要があります。

ほとんどの場合、中小企業が行っている仕事は、政府(行政機関)又は大企業からの発注によって成り立っています。そして大企業ではコーポレート・ガバナンス問題、技術革新、グローバル化、第4次産業革命に付加え新型コロナ問題があります。このような問題は労働者には無縁かも知れませんが、いかなる企業でも今まで通りでは生き残っていけない大きな問題を抱えている事くらいは理解しておいてください。

この様な事が背景にあり、企業が従業員を育てる余裕がなく、その延長でリストラを実施しているのです。その一方で即戦力となりうる優秀な人材を求めているのですが、思い通りの人材が集まらないのが現状です。

企業も従業員も大変な時代ですが、これは仕事の出来る人に取ってはチャンスでもあり、自身のマーケットバリューを上げることで大企業に採用されることも可能で、以前よりハードルは低いといえます。

  • 大企業は大きな問題を抱えており、生き残り戦略が大変な時代である。
  • 中小企業の仕事のほとんどが大企業からの発注である。
  • 企業は社員教育を行う余裕がなくなってきている。
  • 企業は余剰人員を無くそうとしている(リストラ)
  • 企業は優秀な即戦力を求めている。

これ以外に個人が経営している多種多様な零細企業があり、大企業の従業員を上回る所得を得ている人も稀ではありません。この選択肢は「起業」をする人に当てはまります。

企業との出会い

仕事を紹介する公共機関にハローワークがありますが、最近では人材派遣会社(転職サイト)を利用する人が多くなってきており、その採用率も公共機関をはるかに上回っています。この現象は派遣会社が営業的に活発な事を表しています。しかし企業側からすれば人材派遣会社からの採用は、一人雇うのに数百万円の経費が掛かるため、出来るだけ使いたくない、使うからには経費に見合う人材が欲しいと思っているのです。

【仕事探しの方法】

  • 知人、友人の紹介。
  • ハローワークの紹介。
  • 人材派遣会社の紹介。

※ 企業は一人雇用するために数百万円の経費を見込んでいる。

転職の準備

現在、勤めている会社でそれなりに評価されている人でも油断は禁物です。会社が倒産するリスクもあれば実力以上の仕事を任せられて失敗することもあります。

いつどんな状況になるか分からないのですから実行に移さなくても、いつでも「転職」出来る準備は整えておいて損はありません。またこの準備は、今の会社での仕事でも成功できることと同じだと考える事も出来ます。なぜなら現状で成功できない人が転職先で成功することはあり得ないからです。

新卒採用で失敗した場合

「石の上にも3年」という言葉がありますが、これは自分が何か「目的」をもって目指しているときに辛抱するという意味で、何も知らずに新卒採用された会社で「何が何でも辛抱する」ことではありません。

会社は外から見たイメージと、中に入って状況を知るのとでは雲泥の差があるものです。まして初めて社会に出た新卒者にとっては、「自分がやりたい仕事とまったく違う」「どう考えても社風が合わない」「とんでもない上司の部署に配属された」などのことがあり生理的に受け付けない場合があります。

生理的に受け付けないような状況を我慢していると「うつ病」になるのは間違いありません。そして「うつ病」は他の病気も誘発する可能性があり、一度なってしまえば数年間人生を棒に振ることになるので即刻辞めるべきです。

友人や知人の目が気になるかも知れませんが気にせずに親の理解を得て次の対策を考える事が大切です。このような場合の良き理解者は親の他をおいてはいないので頼るのが一番です。

勤続3年以上の人が準備しておくこと

入社1年目は会社に慣れる。2年目は仕事を覚える。3年もすれば社内の状況は大体分かるはずです。新入社員と違い会社に在籍しつつ、将来の人生設計を考える時期です。

一生このままでいるのも転職するのもやる事は同じで、自己投資でスキルを上げるのと同時に、社内と外の世界をリサーチすることです。

そして常に自分の実力を客観的に判断して結論をだすことが大切になります。

勤務している会社の状況を知る

会社の状況を知って抑えておくべきことは、現在の財務状況と今後繁栄していく事業なのか衰退産業なのかです。そして、衰退産業であれば今後どのようにパラダイムシフトを考えているのかなどの明確な計画が無ければなりません。そして、尊敬できる人物が社内に居るかどうかです。

要するに経営者の立場で社内を見る力を養うことです。

会社に残る条件とは
  • 健全な財務状況にあり福利厚生が行き届いている。
  • 今後繁栄していく事業をやっている。もしくは繁栄する事業を実行するための具体的な計画がある。
  • 社長を初め経営層が尊敬できる。
  • 自分が目指したいような尊敬できる人物がいる。

自分を知りマーケットバリューを高める

自分を客観的に評価する手段は社内よりも社外、クライアントや下請け業者の人達です。「多少無理な相談でも乗ってくれる・本音で話し合える」など、相手がどう見ているのか客観的に判断すれば少しは見えてきます。そして謙虚になれば自身が苦手な業務も分かるはずです。

手段は他にもありますが客観的に謙虚な気持ちで自分の弱点を知り強化する努力をすることです。そうすればマーケットバリューは高まります。

マーケットバリュー(市場価値)を高めるのは「転職」のためだけではありません。これは何処にでも通用するスキルを磨くことで転職をしなくとも余裕で昇進できます。

マーケットバリューを高める方法として副業があります。副業を禁止している会社もありますが、同じ会社の中だけでは進歩は望めません。

副業といっても、就業時間外に作業員のようなアルバイトではスキルは上がりません。お金が目的ではなくスキル向上ですから頭を使い、コミュニケーション能力や技術が向上する仕事でなければ意味がありません。

会社の行っている業務の延長上にあるものでも、まったく違ったことでも構わないので挑戦するべきです。有料のセミナーや学校で勉強することも多少の意味はありますが、有料のものはあなたが「お客様」であるため実践的な能力向上には不向きです。それに対して副業は実践的で多くのことが学べます。

教えてもらうのではなく、自身が取りに行く姿勢が今後の仕事人生をより良いものにしてくれます。

ナンバーワンよりオンリーワン

出来れば目指すものはオンリーワンです。ナンバーワンは営業などの成績が社内で一番という意味ですが、一番は維持することに努力を要し、いずれ誰かに抜かれます。一方、オンリーワンには競争相手がいません。企業にとって必要不可欠なもので自分にしかできない何かを持つことは大きな武器になります。

オンリーワンになるためには国家資格も有効です。特に「○○士」といった「士業」は資格を持っている人が携わらないと出来ない仕事(独占業務)が多く、文系・理系など分野も様々です。出来る事なら簡単に取得できない資格を取り専門性を極めて行くことです。

会社を辞める準備

会社を辞めて失業すると税金や健康保険・年金など、思ってもいない支出があります。そして失業中の生活費などを考えると1年間の収入程度の蓄えは欲しいものです。もちろん転職活動は会社に在籍しながら行わなければなりませんが、転職先でうまくいくとは限りません。これらを考慮して現金を蓄えておくのは必須になります。

会社を辞める理由とタイミング

会社を辞める理由は人によって違いますが、仕事から逃げてくて辞めるのは絶対にしてはいけません。逃げて辞める人が転職先で成功することはありません。

会社を辞める理由に「人間関係」「給料が安い」「仕事内容が面白くない」「会社の将来性」「評価されない」「社風が合わない」等がありますが、衝動的な気持ちで判断してしまうと、転職先でも同じようなことがあるので冷静に判断する必要があります。客観的に時間をかけて判断するべきです。

会社を辞めても良い理由

  • 会社に将来性がなく、定年を迎えるまで存続する可能性が薄い。
  • 転職先の方が、平均賃金水準が高い。
  • やりたくない仕事の部署に配属され、生涯そこから抜け出せない状態。
  • 何らかが原因で、評価されなくなり今後に希望が持てない事が確実。
  • 経営層の入れ替わり会社組織の改革により、社風が合わなくなった時。

会社を辞める場合「今の仕事に区切りが付けば」等と会社に気を遣う必要はありません。会社の業務と違い、就職・退職は双方が合意の上で成り立つものなので、会社と個人は対等です。但し突然、逃げ出すような辞め方はモラルに反します。会社の規則に従うとともに、準備が整った時点で申し出るようにしましょう。

最後に

独立して「起業」するのは立派な志で、退職後も会社が協力してくれることもあります。しかし「転職」の場合、会社側の受け止め方は様々です。

この記事は「転職」を勧めるものではなく、世の中の変化にいつでも対応できるように準備をしておくことを推奨するものです。

転職のための準備も在籍中の会社で成功していくのも、自身を磨くことで、やる事は同じです。転職すれば新入社員、今以上の努力が必要しなければならないと覚えておきましょう。