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2020年6月にリニューアルオープンした「新風館」は、「伝統と革新」を継承しつつ、新たに「京都のランドマーク」というコンセプトを加えて開発が行われました。
監修は建築家「隈研吾」で、逓信建築の先駆者である建築家「吉田徹郎」が設計した、レンガ造りの京都中央電話局の伝統を継承しながらも、近代的なデザインを取り入れています。
また、アジアに初出店の「Ace Hotel」は、LAのデザインチーム「commune」がデザインを手掛けており、隈研吾とのコラボレーションが見どころです。
建築家「隈 研吾」の外装デザイン
外装は硫化銅板の大庇や角度の変わる銅色のルーバー、木組み架構を組み合わせたデザインで、斬新ながらも京都の和のイメージと調和させています。
京都指定文化財に指定されている「旧)京都中央電話局」の建物と「Ace Hotel」をはじめとする施設とは、中庭を設けて分けつつも一体感を持たせています。
Ace Hotelの外観
北側の「姉小路」に面する「Ace Hotel」の入り口は、京都の路地をイメージさせるような奥行きのある木組み架構と、銅色のルーバーと酸化鉄を混入させたコンクリート外壁の色合いが暖かく、京都の街並みに溶け込んでいます。
【木組み架構の詳細】
木組み架構に使用されている木材は、芯持ち材を張り合わせて表面を単板で仕上げているようです。
【外壁上部】
外装のマテリアルはルーバーとメッシュ、コンクリートに酸化鉄を混入させた色合いは暖かさを感じさせる発色を放っています。
LAのデザインチーム「commune」がデザインしたホテル空間
ロサンゼルスで活躍するデザインチーム「commune」が監修したホテル空間は、隈研吾のデザインによる木組み架構と、重なるように配置された照明がエントランスホールを美しく照らします。
エントランスホールの中央には、ここでしか見たことのない、開放的な円形のフロントが配置してあります。
エントランスホールと一体になったラウンジは天上が高く開放感があります。正面のコーヒーポットを描いたタペストリーは、染色家「柚木沙弥郎」(ゆのきさみろう)の作品だそうです。
アジア初出店の「Ace Hotel Kyoto」
「Ace Hotel」と「commune」は長年のパートナーであり、ホテルごとに異なったデザインを施すなど、世界のホテル業界に大きなトレンドを作り出しているそうです。
“East Meets West” をコンセプトに、日本の伝統や工芸を取り入れた美しく機能的なデザインの客室は、旅館を思わせる「たたみスイート」をはじめ9種類あります。
また、宿泊客でなくても気軽に出入りすることができて、ラウンジやレストランなどが利用できるため、地元の人々も集うコミュニティー造りでも注目を浴びています。
北に少し歩くと「京都御所」、南は「オフィス街」と京都屈指の繁華街へと続く好立地なので、新しいランドマークとなることでしょう。
宿泊者以外でも利用できるレストラン
2階にはバー&タコラウンジ「PIO PIKO」と小さなトレーニングジムがあります。3階にはアメリカ風イタリアン「MR.MAURICE‘S ITALIAN」と開放的なバー「Rooftop bar」、プライベートスペースが利用できる「KOSA」などがあります。
ラグジュアリーなホテルでありながら、フレンドリーなスタッフの対応が素晴らしい。
レストランの案内をしてくれたスタッフの気取らない優しい笑顔が印象的でした。エースホテルではメイクもユニホームの着こなしも自由だそうで、皆さん楽しそうに働いていらっしゃいました。
どこをみても有名デザイナーの作品や京都の伝統産業を用いたデザインが目につきます。気が付いただけでも数十点以上あり、全てを紹介できません。