境内敷地の約2/3が桜で埋め尽くされた平野神社は、京都市内でも有数の桜の名所として知られています。江戸時代から続く「平野の夜桜」は現在もうけつがれ3月から4月の約1ヶ月半の間は多くの人で賑わいます。
3月16日(水)、早くも桜の花が咲いていました。
おしべとめしべがとても長く妖精のように見える花びら。この桜は唐実桜(カラミザクラ)という早咲きの桜で、めったに見かけることはありません。
平野神社は早咲きから遅咲きまで約60種類400本もの桜があり、唐実桜のような珍種が多く植わっています。
例年、花見で賑わう「さくら苑」では、椿の花と菜の花が咲いていました。今日、咲いていた桜は唐実桜が2本だけでしたが、品種のちがうさくらの蕾も大きく膨らみ、今にも開花しそうになっていました。
平野神社が桜で有名な理由
平野神社は、桓武天皇による平安京遷都に伴って、大和国(奈良県)に祀られていた今木神(平野神社の主神)を大内裏近くに移し祀られたのが創建とされています。
桜の種類と数が増えたのは、平安時代の中頃、花山天皇が境内に桜を植えたことに由来し、その後、生産繁栄を願い各公家伝来の家の標となる桜を奉納したからと伝えられています。
平安時代は貴族たちの桜を楽しむ場所(平野神社)であったのが、江戸時代に庶民にも夜桜が開放されたことで都を代表する花見の名所となったのです。