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2020年4月4日にリニューアルオープンした京都市京セラ美術館。
1933年(昭和8年)に開館した京都市美術館は、当時「日本趣味を基調とすること」をコンセプトとして行われたコンペにより、建築家「前田 健次郎」の原案に基づいて造られた、公立美術館としては創建当時の姿を残す国内最古のものであり、近代建築として高く評価されています。
建築物の老朽化が進むなか「世界文化自由都市宣言」の理念を先導し、世界に誇れる美術館を目指すべく会館80周年を迎えた2014年(平成26年)より将来構想が進められてきました。
2015年(平成27年)に「京都市美術館再整備計画」が策定され、公募型プロポザールで「青木 淳」「西澤 徹夫」設計共同体が選出。
創建当時の姿を残しつつ、さらに進化した大改修は平安神宮をはじめ、岡崎の神宮道と調和した見事な出来栄えで2020年にリニューアルオーオンしました。
神宮通りに面した、美術館入り口前の広場に新たに設けられた「ガラス・リボン」の外観は、「ルイ・ヴィトン表参道」(BCS賞)を設計した青木淳氏らしさを感じることができます。
建築に興味がある方は、日本建築学会の「受賞業績」をご覧ください。改修計画から完成までを計画図と写真でまとめられています。
メインエントランスと平安神宮の大鳥居
ファサードの「ガラス・リボン」が見どころ
透明度が高く、しなやかな「ガラス・リボン」は建築物の内部と外部を優しく繋いで解放感があります。
本館の東側に新たに誕生した新館「東山キューブ」
本館のレンガと幅を合わせたタイルが見る角度によって表情が変わります。
日本庭園と調和のとれた東エントランス
夜の照明が美しい
立地・周辺環境
京セラ美術館がある京都市左京区岡崎には、1960年に建築家の前川國男氏が設計した京都会館。今は、2016年1月にリニューアルオープンしたロームシアターが道路を挟んで北西部に建っています。
また、西向に建築家の槇文彦氏の設計による京都国立美術館。建築家の武田五一の設計による京都府立図書館などがあります。
メインエントランスに面した道に「神宮道」といい「大鳥居」が存在感を放っています。
春には、すぐ南側を流れる琵琶湖疎水のまわりに桜が咲き、行き交う船を見ていると時間を忘れさせてくれます。
周辺も少し紹介しましたが、京セラ美術館の外観での見どころは、ファサードの「ガラス・リボン」と元のデザインとの調和のとれた素晴らしいリニューアルです。是非、立ち寄ってみてください。