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エックスサーバーの高速化機能でサイト表示速度を爆速化

エックスサーバーにはWebサイトを高速化するためのツールがいくつか用意されています。それらを有効にするとストレスのない高速なサイト表示が可能になり、アクセスが集中しても安定したサイト表示ができるようになります。

これと同様の機能として、WordPressにはサイトを高速表示させるためのプラグインが数多くありますが、正しく設定しなければかえって遅くなる場合があります。

その点、エックスサーバーの高速化機能は、特別な知識がなくても簡単に設定できるため、初心者の方でも安心して利用できます。

サイト表示速度が速くなるとユーザーの利便性が向上し離脱率が下がります。利便性の向上はSEOでも重要視されていますので、検索順位にも影響があると考えられます。

この記事では、エックスサーバーの高速機能および設定の方法を分かりやすく解説します。

サイト表示を高速化したいけど、設定の難しいキャッシュ系のプラグインは苦手といった方におすすめです。

【2024.07.09 重要事項の追記】

設定を終えてから1週間すると、WordPressの管理画面から「テーマファイルエディター」を見に行こうとしたところ表示が崩れて編集できないという不具合が発生しました。

使用しているテーマやプラグインとの相性があるのかもしれませんので、エックスサーバーの高速化設定を行う前に、以下の記事をお読みください。

 

Performance Measurement

エックスサーバーの高速化機能

エックスサーバーには高速化を図るため、大きく分けて「高速化」と「XPageSpeed設定」の2つの機能があります。また、PHP8.0から追加された「OPcache」の拡張機能JITがさらなる高速化の手助けになります。

Server Panel

大まかに説明すると、「高速化」はキャッシュ設定で、「XPageSpeed設定」はファイル(コンテンツ)の最適化ですが、互いに影響し合っているところがあるため、双方とも有効にすることでより高い効果が期待できます。

【エックスサーバーの高速化機能】

  • Xアクセラレータ(Webサイトを高速・安定化させる機能)
  • サーバーキャッシュ設定
  • ブラウザキャッシュ設定
  • XPageSpeed設定(画像最適化及び遅延読み込み、CSS最適化、Javascript最適化など)
  • JITの有効化(0より追加された「OPcache」の拡張機能)

高速化するためのの機能は概ね以上ですが、それぞれの機能をわかりやすく説明します。

Xアクセラレータ

Xアクセラレータとは、一度表示した静的ファイルのキャッシュをサーバー上に保持することで、サイトの高速化と同時アクセス数の拡張を行う機能です。

エックスサーバーの公式ページによると、「Xアクセラレータ Ver.2」では、静的ファイルのキャッシュで「サイト表示を高速化」と「大量アクセスでも安定」させて、PHPの処理速度を上げることでWordPressなどのWebアプリケーションの快適な動作を実現するとしています。

また、「Xアクセラレータ Ver.2」の有効時と無効時を比較すると、PHPの処理速度が最大で20倍、WordPressの処理速度が最大で10倍にもなると公表しています。

現在、Xアクセラレータは Ver.1 と Ver.2 のいずれかを選択できるようになっています。

  • Xアクセラレータ1:静的ファイルの高速化(キャッシュ)
  • Xアクセラレータ2:静的ファイルの高速化(キャッシュ)+PHPプログラムの高速化
静的コンテンツ(静的ファイル)とは、HTMLファイルや画像ファイルなど、クライアントのリクエストに関係なく常に同じ表示をするコンテンツことです。それに対して、ユーザーの要求に応じて動的に生成されるコンテンツを動的コンテンツ(動的ファイル)と言います。

したがって、PHPなどで動的ファイルを取り扱うWordPressの場合、静的ファイルのキャッシュだけだと、古い情報が表示されるなどのデメリットが考えられるので、Xアクセラレータを有効にする場合、Ver.2が望ましいといえます。

ただし、「Xアクセラレータ Ver.2」を有効にすると、php.ini設定の一部項目が無効となるので、独自でphp.ini設定を行っている場合は、マニュアル「XアクセラレータVer.2利用時に無効となるphp.ini設定について」を確認しておく必要があります。

また、これ以外にもプラグイン“EWWW Image Optimizer”で画像をWebPに変換できなくなります。詳細はこちらの記事で解説しています➡「EWWW Image OptimizerのWebP変換がうまくいかないのはXserverの設定かも?」

「Xアクセラレータ」にはこのようなデメリットもあるので注意しなければなりません。

Xアクセラレータの設定の手順

「Xアクセラレータ」を利用するには、事前にPHPバージョンを設定しておかなければなりませんので、まずはPHPバージョンを設定してから「Xアクセラレータ」を設定します。

現在、対象となっているPHPバージョンは、「PHP 8.3.x、PHP 8.2.x、PHP 8.1.x、PHP 8.0.x、PHP 7.4.x、PHP 7.3.x、PHP 7.2.x」となっていますので、古いバージョンをお使いの方はエックスサーバー推奨のバージョンに設定を変更しましょう。

PHPバージョンの設定

サーバーパネルにログインし、PHPの項目にある「PHP Ver 切替」をクリックします。次に対象のドメインを選択して、推奨されているPHPバージョンを選択して変更しましょう。

PHP version switching

PHP Selection

Xアクセラレータの設定

サーバーパネルにログインし、高速化の項目にある「Xアクセラレータ」をクリックします。次に対象のドメインを選択して、Xアクセラレータ Ver.1または Ver.2 にチェックを入れて変更すると有効になります。(問題がなければ Ver.2 がおすすめです)

X Accelerator Settings

サーバーキャッシュ設定

サーバーキャッシュとは、クライアントからのリクエストに対して返したデーターを一定時間サーバーに保存しておく仕組みのことで、Webサイトの表示速度と同時アクセスを大幅に向上させることができます。

サーバーキャシュは「Xアクセラレータ」の静的ファイルのキャッシュとも関わりがあるため、「サーバーキャッシュ設定」を有効にすると、自動的に「Xアクセラレータ」が有効になります。

サーバーキャッシュ設定を有効にすると、以下のファイル(拡張子)が2分間キャッシュされます。

.css .js .jpeg .jpg .gif .png .svg .svgz .wbmp .webp .ico .jng .bmp .3gpp .3gp .ts .mp4 .mpeg .mpg .mov .webm .flv .m4v .mng .asx .asf .wmv .avi .mid .midi .kar .mp3 .ogg .m4a .ra .woff .woff2 .ttf .otf .eot

上記以外のファイルは1分間キャッシュされます。

エックスサーバーでは、デフォルトでサーバーキャッシュが有効になっているため、同様の機能を有するプラグインなどを使用する際は注意が必要です。

サーバーキャッシュ設定は、サーバーパネルにログインし、高速化の項目にある「サーバーキャッシュ設定」をクリックします。次に対象のドメインを選択して、「ONにする」にチェックを入れて変更すると有効になります。

Server Cache Settings

ブラウザキャッシュ設定

ブラウザキャッシュとは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスがインターネット上の情報を一時的に保存する仕組みです。特定のホームページにアクセスした際に、ブラウザがデータを読み込んでから表示されるまでの間に、画像・文章・HTMLなどのデータがキャッシュとして保存されます。

これにより、一度表示させたページに再度アクセスすると、ブラウザが保存したデーターを使うためページの読み込みスピードが速くなります。

このように、ブラウザキャッシュ設定を有効にすると、ブラウザがデーター保存するので、2回目以降の表示が速くなるとともに、サーバーへのリクエストも減少し、サーバーの負荷軽減にもつながるので、アクセスが集中しても安定した高速化が図れるのです。

エックスサーバーでは、サーバーキャッシュ設定と同様に、デフォルトでブラウザキャッシュが有効になっているため、キャッシュプラグインなどを使用する際は注意が必要です。

ブラウザキャッシュ設定は、サーバーパネルにログインし、高速化の項目にある「ブラウザキャッシュ設定」をクリックします。次に対象のドメインを選択して、「ON[全ての静的ファイル] ※推奨設定」にチェックを入れて変更すると有効になります。

Browser cache settings

全ての静的ファイルに対してブラウザキャッシュ設定を有効にすると、以下のファイル(拡張子)がキャッシュされます。

.css .js .jpeg .jpg .gif .png .svg .svgz .wbmp .webp .ico .jng .bmp .3gpp .3gp
.ts .mp4 .mpeg .mpg .mov .webm .flv .m4v .mng .asx .asf .wmv .avi .mid .midi
.kar .mp3 .ogg .m4a .ra .woff .woff2 .ttf .otf .eot

XPageSpeed設定

「XPageSpeed」は、Google社により開発された拡張モジュール「PageSpeed Module」をもとに、エックスサーバーが開発したWebサイト最適化機能で、ファイルの圧縮や同一ファイルをひとまとめにするなどして、データーの最適化と転送量の削減で、サイトの高速化を行う機能です。

具体的には、以下のような最適化処理が実施されます。

  • CSSファイル、JavaScriptファイルなどの圧縮
  • 最適な画像タイプへの変換、軽量化
  • 同種のファイル(画像、CSS、JavaScriptファイルなど)を一つにまとめ、サーバーとクライアント間の無駄な通信(リクエスト)を削減
  • CSSファイル、JavaScriptファイル、画像ファイルのキャッシュ有効期間の延長
  • 小さなファイルサイズのCSSやJavaScriptをHTML内に埋め込む

XPageSpeed設定は、サーバーパネルにログインし、「XPageSpeed設定」をクリックします。次に対象のドメインを選択すると、最適化する一覧の設定画面に切り替わります。項目ごとに「ON/OFF」があるので、最適化をしたい項目を「ON」にして有効にします。

XPage Speed ​​Settings

このサイトで試したところ、「画像最適化」を有効にすると掲載している画像の質が良くないと感じたので無効にしています。また、「JavaScript遅延読み込み」を有効にするとサイト表示が崩れたので、これも無効にしています。

現時点で、「XPageSpeed」が使える対象サーバーは「sv10001.xserver.jp 以降のサーバー」となっています。新規に契約する場合は問題ありませんが、「sv10001.xserver.jp 以前のサーバー」の方は新サーバーに移行することをおすすめします。

新サーバーへの移行は無料できます➡「新サーバー簡単移行 ご利用手順」

JITの有効化

JIT(Just-In-Timeコンパイル)とは、PHP実行時のCPU負荷の軽減やPHPの大幅な高速化を図るPHPの拡張モジュールで、PHP8.0から利用できる「OPcache」の拡張機能です。

JITとは、PHP8.0より追加された「OPcache」の拡張機能です。
サーバーで利用しているCPUが理解しやすい状態でキャッシュをしておき、
次回以降、同じPHPにアクセスがあった際にキャッシュを利用することで、
PHP実行時のCPU負荷の軽減やPHPの大幅な高速化を図るPHPの拡張モジュールです。

引用:エックスサーバー「JITについて」

エックスサーバーでは、標準でJITが無効になっているため、有効化するには「php.ini直接編集」より直接コードを追加する必要があります。

有効化の方法は、サーバーパネルにログインし、PHPの項目にある「php.ini設定」をクリックします。次に対象のドメインを選択して、「php.ini直接設定」のタブをクリックして編集画面を開きます。

php.ini settings

Edit php.ini directly

最下部に[Zend Optimizer]という記述があるので、その下に以下のコードを追記します。

;JIT
zend_extension = opcache
opcache.enable = 1
opcache.enable_cli = 1
opcache.jit = tracing
opcache.jit_buffer_size = 128M

入力できたら、確認画面に進んで保存します。設定完了後、5分ほどで反映されます。

以上が、エックスサーバーの高速化機能の内容と設定方法です。

ページ速度と評価

高速化の設定が完了したら、まずはサイトの表示状態を確認しましょう。問題がないようでしたら、次にページ速度を計測してみます。

サイトスピードを計測するツールはいくつかあるのですが、一般的によく使われているGoogleが提供する「PageSpeed Insights」を使ってみます。

測定方法は、「ウェブページのURLを入力」と書かれた欄に該当するURLを貼り付け「分析」をクリックすると評価レポートを作成してくれます。

PageSpeed Insights

「PageSpeed Insights」はパフォーマンスだけでなく、サイトを評価して改善点なども教えてくれるので、サイト制作には欠かせないツールです。

まとめ

この記事では、エックスサーバーの高速機能および設定の方法を分かりやすく解説しました。

エックスサーバーの高速化機能の設定はシンプルで、初心者でも簡単にサイトを高速化できます。それでいて、その機能もかなり高く、ここ半年ほど高速化に苦労してきたのは何だったんだろうと思っています。

また、この設定を行っているときに気付いたのですが、エックスサーバーはGZIPよりも圧縮率が高いBrotil圧縮が標準で有効になっているためか、「.htaccess」にGZIPやBrotil圧縮のためのコードが追記されないようです。(XアクセラレータやXPagespeedを有効にすると「.htaccess」の変更(追記など)は行われます)

そのため、「.htaccess」の記述が大幅に減り管理がしやすくなりました。

WordPressも日々進化していますが、エックスサーバーも常に進化し続けているようですので、常に新しい情報をキャッチしてサーバーを最新の設定することが重要です。

リンクを貼っておきますので、この機会にチェックしてくださいね!➡エックスサーバー