いよいよ海外留学の日。朝から父に連れられて先祖のお墓をお参りして「行ってきます」と挨拶。すぐさま、スポーツクラブにある大浴場で入浴してから学校に向かいました。海外では大浴場が無いだろうと父親の配慮だったと思います。
学校に集合してから同級生たちと観光バスに乗り込んで関西国際空港に向けて出発。同級生の家族も学校に集まり私たちを見送る。観光バスに乗り込み、窓越しに家族の顔を見て「暫く会えない!」と少し悲しくなったのを覚えています。
ほとんどの家族は学校での見送りが済めば帰ってしまうのですが、私の家族は空港まで自家用車で見送りに来てくれたので嬉しくなりました。
空港では先生の話しを聞きながら、色々と手続をしなければならないので「寂しい」気持ちはなくなっていました。
長いフライト時間。「今からパリへ行く!いよいよ搭乗です!」。飛行機には小さい頃に乗ったことがあるらしいのですが、記憶にないので私にとっては初めてのフライトです。
留学前の海外修学旅行
修学旅行も兼ねていたこともあって、留学先のイギリスまでの日程は、一旦フランスに滞在してパリ見学とベルギー(ブリュッセル・ブルージュ)・ドイツ(ケルン)に旅行というとても豪華なものでした。親には費用の面など大変苦労をかけたと思いますが、今では一生の良い思い出になって感謝しています。
旅行中は見るものすべてが珍しく、いたるところで写真を撮りまくりました。すべてが初めての経験、些細なことでも感動してしまします。これが海外旅行の醍醐味ですね。^^
懐かしく就学旅行の写真を眺めながら訪れたところのこと調べてみると、歴史的に有名なところだったことが分かり、また機会があれば行きたいと思っています。
フランス/パリ
パリの街に入った瞬間、見るものすべてが新鮮で目新しく外国に来たのだと実感しました。日本の雰囲気とは随分と違い、建造物に施された彫刻や壁の色合いなど美しい装飾に驚かされました。そして、建造物の大きさと芸術性の高さに圧倒されました。これは言葉では伝えきることができませんので、いくつかの写真で紹介します。
エトワール凱旋門
エトワール凱旋門は、ナポレオンがアウステルリッツの戦いに勝利した記念に1806年に建設が始まり1836年に完成しました。
高さ50m幅45mの凱旋門からは、シャンゼリゼ通りをはじめ12本の通りが放射状に延びています。その形状を上空から見ると「光り輝く星」のように見えることから、フランス語で星を意味する“Étoile”(エトワール)と呼ばれています。
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エトワール凱旋門
モンマルトルの丘/サクレ・クール寺院
モンマルトルは標高130mの丘でパリを一望することができます。サクレ・クール寺院はロマネスク様式・ビザンティン様式のバジリカ大聖堂で、教会には重さ約18トンもある世界最大級の鐘「通称サヴォア」があります。
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サクレ・クール寺院
ルーブル美術館
ルーブル美術館の中庭(ナポレオン広場)には、ガラスでできた三つの小さなピラミッドと中央に大きなピラミッドがあります。そして、地下に入ると外部の光が入るように設計された逆さプラミッドが天井から吊り下がっています。
建築家「イオ・ミン・ペイ」設計のガラスピラミッドは、高さ20.6m底辺35mもの大きさがあり、603枚の菱形のガラス板と70枚の三角形のガラス板で構築されています。スケールが大きいと驚くばかりです。
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ガラスピラミッド
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逆さピラミッド
ルーブルといえば”レオナルド・ダ・ヴィンチ”の「モナリザ」ですよね。これだけは本物を見ようと中を歩き回り探し当てましたが「モナリザ」の周りには人が多くて近づくのに苦労しました。
本物の「モナリザ」は展示している建物が大きいためか想像していたより小さく感じました。他に印象に残っているのは彫刻の「サモトラケのニケ」と「ミロのヴィーナス」が非常に大きかったことです。
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モナリザ
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ミロのヴィーナス
エッフェル塔
エッフェル塔ではエレベーターで第3展望台まで登りセーヌ川、シャン・ドマルス公園、凱旋門、ルーブル博物館…とパリを一望しました。
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エッフェル塔
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セーヌ川
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シャン・ドマルス公園
感動的だったのはエッフェル塔のライトアップの瞬間で、今でも鮮明に記憶に残っています。日没すぐの空はまだ薄青いとき、突然にキラキラと派手に光を帯びるエッフェル塔に同級生たちは大騒ぎでした。
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ライトアップの瞬間、同級生たちの歓声!
ノートルダム大聖堂
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ノートルダム大聖堂
日本では教会に行ったこともありますが「ノートルダム大聖堂」は規模も装飾もまったく違います。中に入ると神聖な空気で身が引き締まるような感覚がします。天井も空のように高く、ステンドグラスの輝きが別世界を感じさせてくれます。
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ノートルダム大聖堂内部
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ステンドグラス
まだ9月で気温もそれなりに高いはずなのに少し肌寒く、大聖堂の中に響く人々の声に不思議と心が落ち着くのを感じました。
2019年4月の火災で尖塔が焼けて崩落、木造部分がほぼ全焼したのは残念です。現在、修復中らしいのですがコロナの影響で工事が中断して難航しているようです。また、元の大聖堂が見たいと思っています。
セーヌ川クルーズ
セーヌ川クルーズでは、パリで最も美しいといわれる「アレキサンドル3世橋」をはじめ、「エッフェル塔」、「ノートルダム大聖堂」などを見て回りました。
エッフェル塔の展望台から見る景色と違って橋に施された彫刻や装飾が印象的でした。
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アレキサンドル3世橋
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セーヌ川から見たノートルダム大聖堂
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橋脚の彫刻
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セーヌ川から見上げたエッフェル塔
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橋脚に建つ彫刻
ヴェルサイユ宮殿
ヴェルサイユ宮殿はパリの南西22kmに位置しイヴリーヌ県ヴェルサイユにあります。
ヴェルサイユ宮殿の中庭はとてつもなく広く、幾何学的な模様になった植え込みと池。なんと広くて綺麗なのだろう。ルイ14世の時代、この地で貴族たちはどんな生活をいていたのだろうと考えるとロマンを感じます。
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幾何学模様の壮大な中庭
美しくデザインされた門、廊下のシャンデリアに彫刻、部屋の中には豪華な装飾が施されたベットがあります。どんな人が住んでいたのだろうと想像しながら、あまりの広さと美しさに時間を忘れてしまいます。
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金色の門
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鏡の間シャンデリア
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ルイ14世の銅像
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王妃のベット
もっと見たいと思いましたが、全部見るには時間が足りません。
フランス/パリでの出来事
フランスでは同級生と一緒に行動していたので英語で話す機会はあまりありませんでした。現地のレストランでは分からないなりにフランス語で注文していました。お土産は見た目が良くて安いものをさがしていたのですが、英語が通じるお店ではありませんでしたので、思い通りの買い物はできませんでした。(笑)
観光スポット付近では、観光客目当ての押売をしている人が数人いました。同級生の中には、突然ミサンガを腕に付けられ、高い値段で買わされた人がいたそうです。
フランスに限らず、海外は観光客目当ての「スリ」や「押売」が多いようです。店の外で値段が分からないものを売っている人には、できる限り関わらないようにするのがいいと思います。
ベルギー/ブリュッセル
ブリュッセルの「ギャルリー・サンテュベール」は、1847年に設計されたヨーロッパ最古のアーケードです。アーチ状のガラス天井とアールヌーボー様式の装飾がとてもきれいで、ウィンドショッピングだけでも十分楽しめます。
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ギャルリー・サンテュベール
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ギャルリー・サンテュベールにある店舗
グラン・プラスはまるで中世にタイムスリップしたような石畳の広場で、周りには市庁舎をはじめ王の家やギルドハウスなど、ゴシック様式とバロック様式の歴史的建築物が並んでいます。
12世紀頃からブリュッセルの政治・経済の中心として栄えてきた場所で、その景観の美しさと歴史的に重要な建築物が多くあることから世界遺産に登録されています。
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世界遺産グラン・プラス
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グラン・プラス王の家
ベルギーといえば、みんなが大好きな“GODIVA”のチョコレートですよね。当時の為替の影響かもしれませんが日本で買うより断然安かったので、友達と一緒に大量に買い込んでチョコレートパティ―をしました。
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GODIVA
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GODIVAのウインドウ
ベルギー/ブルージュ
ブルージュはブリュッセルと打って変わり、歴史的建築物が立ち並ぶ静かな運河の町です。印象的だったのは世界遺産に登録されているブルージュ歴史地区の運河と高さ88mの「鐘楼」です。
他には、見るからに美しい外観のブルージュ市庁舎はベルギーで最も古いゴシック様式の建築物だそうで、また機会があれば中を見学したいと思っています。
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ブルージュ市庁舎
ブルージュ歴史地区の運河周辺には、中世の頃に栄えた街並みがそのまま残っていて、その優しい美しさは時間が止まったように感じました。
マルクト広場にあるブルージュの「鐘楼」は「ベルギーとフランスの鐘楼群」として世界遺産に登録されています。高さが83mもある鐘楼には47個のカリヨン(組が鐘)があり、その美しい音色はヨーロッパでも有名だそうです。
鐘楼を登るとブルージュの街並みが一望できるのですが、366段の螺旋階段を予定時間内に登るのは無理だったために断念しました。
ドイツ/ケルン
ケルンでの最大の見どころは、やはりケルン大聖堂だと思います。大聖堂のインパクトが強すぎて、他のことはあまり覚えていませんが、わずかに記憶に残っているのは、屋台で売っている大きなソーセージをみんなで食べたことです。
高さが157mもある世界最大のゴシック建築というだけあって、普通のカメラでは全体を捉えることができません。中に入ると通路の幅に対して天井が高すぎて、天井を見上げると谷間に居るような錯覚に陥ります。
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ケルン大聖堂
ケルン大聖堂は上まで登ると、今でも鳴らすことができる世界最大の鐘を見ることができます。永遠と続く狭い回り階段(何段あるのだろう?)を登ると、とても大きな鐘がありました。なんと重さは24トンもあるそうで、その大きさは圧巻です。
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ケルン大聖堂の鐘
ドイツといえば、黒ビールにソーセージというイメージですが、ケルンではイメージしていたより大きなソーセージを販売していました。あまりの大きさに、みんなでワイワイと騒ぎながら食べました。美味しいというより洒落でしたね。
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屋台のソーセージ
まとめ
留学先のイギリスに行くまでのたった2日間の旅行でしたが、見るものすべてが新鮮で中身が非常に濃い就学旅行でした。
このような貴重な経験をさせて頂いた学校の関係者の方々と両親に改めて感謝します。この旅行は一緒にいた友人たちとともに生涯忘れることのない思い出になっています。