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筋トレで脳を鍛える

筋トレと聞くと「ボディービル」や「ダイエット」を連想しますが、実はそれだけではありません。
私も実感しているのですが頭の回転が良くなり記憶力もアップします。
そして、認知症の予防にも効果があることを裏付ける論文もあるのです。

筑波大学と米国カリフォルニア大学アーバイン校の共同研究グループは、中強度の運動を短時間するだけで、海馬が司る記憶機能が向上することを、ヒトで初めて明らかにしています。

短時間の運動で記憶力が高まる
―ヒトの海馬が関連する機能の働きが 10 分間の中強度運動で向上!―

研究成果のポイント

  1. 10分間の中強度運動によって、物事を正確に記憶するために重要な「類似記憶の識別能力」が向上することを、ヒトにおいて実証しました。
  2. これまで、海馬への運動効果は動物研究で多く検証されてきましたが、短時間の運動でも実際にヒトの海馬に関連する機能向上を示したのはこれが世界初です。
  3. 征矢教授の研究グループはこれまで、短時間の低~中強度の運動が前頭前野の注意・集中、計画・判断などの認知機能に効果的であることを提唱してきましたが、今回は記憶力向上にも有用であることを新たに確認しました。

平成29年1月17日 報道発表資料
国立大学法人 筑波大学

脳と筋肉をつなぐ神経

筋トレに限らず、筋肉はどういったプロセスで動くのかは解っていると思いますが、おさらいです。
例えば「足を上げる」動作は、脳が「足を上げろ」と命令を出す。⇒脳から足につながっている神経に電気信号が走る。⇒信号を受け取った足の筋肉が収縮し「足が上がる」です。

誰でも知っているし「だから?」と思うでしょうが、ここが重要です。

普段使っている筋肉は意識しなくても自然に動きます。これは、常にその神経を使ているから無意識でも使える神経になっているのです。
生後7か月から8か月で、つたい歩きをする赤ん坊は、どの神経を使えばどこが動くのか学んでいるのです。

筋トレの初心者を指導する場合でも、初期の段階で「使っている筋肉を意識しなさい」と教えます。
これは大人であっても上腕二頭筋(力こぶ)は意識をすれば使っている事は解りますが、上腕三頭筋(力こぶの反対側の筋肉)など普段あまり意識しない筋肉については意識が持ちにくいものです。
筋肉質の男性が胸の筋肉を片方づづ動かしているのを見た事はありませんか?あれは、脳と胸の筋肉をつなぐ神経が発達しているからです。

この様に、筋トレは筋肉を鍛えると神経が発達していくのです。そして神経細胞の塊りの脳も同時に発達するのです。



筋トレは頭が良くなる「BDNF」が増える

BDNF(Brain-derived neurotrophic factor)は脳由来神経栄養因子と呼ばれるタンパク質で、神経細胞の発生や成長、維持や再生を促してくれる「脳の栄養」で海馬に多く含まれています。

筋トレをすると、脂肪燃焼と基礎代謝を上げる働きのあるホルモン「アイリシン」が分泌されます。そして血液を通して脳内に入り込み「BDNF」を増加させます。

※ 参考ですが、高カカオのチョコレートにも「BDNF」を増加させて認知機能を高める可能性があるようです。
筋トレの後に、チョコレートで筋グリコーゲンの補充を考えています。

「BDNF」の効果

近年、脳科学・精神医学で注目されている「BDNF」の効果は「脳の神経細胞を増やす」、脳内の神経伝達物質「シナプスの形成を促進させる」などの効果があり認知機能を高めてくれます。

アメリカの研究チームが平均年齢70歳の男女120人し(運動する人としない人に分ける)を対象に行った実験では、運動を続けると約2%海馬が大きくなったそうです。ちなみに運動をしなかった人は1~2%委縮していたようです。

※ 参考文献 京都大学名誉教授 森谷敏夫 氏の「京大の筋肉」2015年・「京大の筋肉2」2018年