一般的に女性は閉経後、男性は定年を過ぎたころから骨密度は下がっていきます。年を取ると仕方ないと思われるかもしれませんが、生活習慣を工夫すればある程度防ぐことが出来ます。
私は10年間「筋トレ」しているおかげで、整形外科の先生から「骨密度が高い」といってもらえます。
医学的には、骨の中には破骨細胞(古い骨を破壊する細胞)と骨芽細胞(新しい骨を作る細胞)があり数か月で新しい骨と入れ替わっていて、筋トレをすれば骨形成を促すことになり骨も強くなるそうです。
筋トレで骨が強くなる理由
健康な人ならだれでも出来る関節の曲げ伸ばし。これは筋肉の収縮によるものです。
筋肉は骨に引っ付いていて、筋肉が収縮すると端部に引っ付いている骨を引き寄せて関節を動かしています。
もし、骨が弱くて筋肉が強ければ、自分の筋力で骨を破壊することになります。このような理由で「筋トレ」で筋肉を強くすると、これに比例して骨も強くなるのです。
医学的裏付け「Wolff(ウオルフ)の法則」
ドイツの解剖学者、Julius Wolff(1836~1902年)が提唱した、“正常にせよ、異常にせよ、骨はそれに加わる力に抵抗するのに最も適した構造を発達させる”という法則があります。
簡単にいうと「負荷がかかると骨は強くなるが、負荷がかからないと骨は弱くなる」ということです。
これは、骨の細胞に重力や衝撃が加わると、その力に抵抗するために骨芽細胞に骨を作るシグナルを出して骨を作ります。また、同時に微量な電流が骨に伝わり強さが増すとも言われています。
反対に負荷をかけずにいると骨芽細胞は「お休み」の状態になり、破骨細胞だけが働くこととなり「骨粗しょう症」になってしまいます。
この様に「Wolffの法則」からみても、ウエイトマシンやダンベルを用いた筋力トレーニングは、筋肉を強くすると同時に骨を強くするのに効果的なのがよく解ります。
骨を作る食事
いくら骨に負荷をかけて骨形成を促しても「材料」がなければ骨は強くなりません。骨の主成分の『カルシュウム』はしっかり摂取するように心掛ける必要があります。
栄養素等表示基準値(農林水産省)によると日本人の1日に必要な量の平均値は700mgだそうで、牛乳、小魚、海藻、大豆および大豆製品、緑黄色野菜などの食品に多く含まれています。
カルシュウムを体内に吸収させるには『ビタミンD』が不可欠になります。
ビタミンDは「キノコ」を食べて「日光浴」することで体内で生成されます。
そして、納豆やこまつ菜やほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれる『ビタミンK』が吸収したカルシウムを骨に取り込む手助けをしてくれます。
また、『マグネシウム』は骨を作る骨芽細胞に働きかけ、骨の中に入るカルシウム量を調節する役割をしています。
筋トレは生活習慣病の予防にもなる
高齢者で肥満の人は脊椎に負担がかかり圧迫骨折を起こすリスクが高くなるといったデーターもあるので注意したいところです。
肥満以外にも、糖尿病や活性酸素による糖化も「骨粗しょう症」になるリスクが高まります。
筋トレはあらゆる生活習慣病の予防だけでなく、筋肉と骨を強くする効果があります。
年齢を問わず、自信のペースで出来る範囲の運動習慣を持って健康寿命を延ばしてください。