PR
言語切り替え

損得に過剰反応しないための心理学”時間割引”

普段の生活に役立つ”心理学”24選

浪費しないための”心理学”

①バンドワゴン効果
②ディドロ効果
③心理会計
④希少性の原理
⑤相対性効果
⑥アンカリング効果

損得に過剰反応しないための”心理学”

①サンクコストの呪縛
②損失回避バイアス
③保有効果
④時間割引
⑤双曲割引
⑥選好の逆転

合理的に判断するための”心理学”

①ゴーディロックス効果
②フレーミング効果
③代表制ヒューリスティック
④確証バイアス
⑥自制バイアス
⑥知用可能性ヒューリスティック

勘違いしないための”心理学”

①バーナム効果
②カリギュラ効果
③カクテルパーティー効果
④ピグマリオン効果
⑤ツァイガルニック効果
⑥ザイオンス効果

時間割引

時間割引とは、将来もらえる報酬(遅延報酬)は、今もらえる報酬(即時報酬)より価値が低いと感じる心理で、人によって感じる価値に差があります。

時間割引=遅延報酬<即時報酬

そして、将来の価値が、現在の価値よりどれだけ低く感じられるかを時間による割引率で考える事を「時間割引率」といいます。

遅延報酬+時間割引率=即時報酬

例えば、同じ1万円の報酬をもらうのに「今もらう」と「来月もらう」ならほとんどの人が「今もらう」と考えます。しかし、待てば「金利が付く」となれば、その金利の率によっては待つ人も出てきます。

この率に対する感じ方の大小が、その人の「時間割引率」です。時間割引率が低い人は自制心が高く、時間割引率が高い人は衝動性が高いことになります。

時間割引率の高い人は「せっかち」な性格であることが多く、お金や健康面などにおける長期的な計画を立てづらく、ギャンブルやアルコールなど、目の前の報酬を選択しやすい傾向にあります。

要するに、現在の利益と将来の利益を比較すると、現在の利益を過大評価してしまう心理。

  • 今もらえる100万円と、1か月後にもらえる101万円では前者を選んでしまう。

先送りも時間割引の心理が働いている

「時間割引」を報酬に置き換えて解説しましたが、実は先送りにも「時間割引」の心理が働いているのです。

例えば、仕事や学校でやらなければならい課題(宿題)に、なかなか手を付けられず、期限間近になって慌てるのも「時間割引」の心理なのです。

これは重要なことでも、期限が遠い未来であるため、重要度を低く見積もってしまっているのです。

要するに、遠い未来に起きる出来事の価値や重要性は、時間的に遠いほど過小評価してしまう心理。

  • 1ヶ月先に提出する課題(宿題)より、今起こっている出来事が重要だと思ってしまう。
  • 来年の夏までにダイエットをしようと思っているが、何時まで経っても行動に移せない。

時間割引率は低い方が良い

時間割引率の高い人は、目先の損得に左右されやすく、今さえ良ければそれでよいと考えることが多いようです。

【時間割引率が高い人の特徴】

  • 肥満:今を我慢できないため、食事のコントロールも運動も続かない。
  • ローン(借金)で物を買う:欲しいと思うと損をしてもすぐに手に入れたい。
  • ギャンブルにハマル:貯蓄の利益より、目先の一か八かの利益が優先する。
  • その場しのぎの仕事になりやすい:目先の仕事に捕らわれて、計画的に仕事ができない。

時間割引率の低い人は、目先の報酬に釣られずに、計画的に将来のために行動することができ、成功者に多く見られます。

時間割引率は下げられる

時間割引は人の心理に深く根ざしているので、注意深く自身を観察しなければ見つけることができません。また、「時間割引」の心理が働いていると感じても、意志だけで抵抗するのは困難だといえます。

時間割引率を下げるためには、衝動的にならずに冷静に判断をしなければなりません。それには、精神的余裕と経済的余裕が必要となります。

【精神的余裕】

精神面においては、すべての人がそれぞれ違う悩みを持っていて、ある一定の人に偏ることはありません。誰もが、自分の悩みが一番大きくて大変だと感じているはずです。

そして、すべての人に共通するのは、体と心が健康であることが「精神的余裕」につながります。

健康な食生活、睡眠、運動を心がけ、余計な欲をもたなければ心に余裕が生まれます。

【経済的余裕】

いくら経済的に裕福であっても気持ちに余裕がなければ経済的余裕は生まれません。

気持ちに余裕を持つということは、人と自分を比べない事です。あの人が新築の家を買ったから、新車を買ったからと周りを過剰に意識すると「時間割引率」が高くなります。

あくまでも自分の将来にフォーカスして、他人と比べずに、自分の出来る範囲で「時間割引率」を下げる努力をすればいいのです。

夢をもてば時間割引率は低くなる

一見、人の心理に深く根ざしている「時間割引」には対処法がないように思えますが、「達成すれば得られる素晴らしいもの」をイメージして夢を持つことで幾分か「時間割引率」を下げることができます。

【例】

  • お金を貯めて家を建てる:新築の素晴らしい夢を見る。
  • 仕事や宿題を期限前に終わらして、海外旅行に行く:海外旅行の素晴らしい夢を見る。
  • 与えられた仕事はサッサと終らして、将来の事業計画を立てる:社長になる夢やFIREの夢。
  • ダイエットをして奇麗になる:好きなあの子(彼氏・彼女)を振り向かせる。

このように考えると、目的がポジティブで分かりやすいいのではないでしょうか。