静的で静かな水景に癒される、小さな水草水槽(36cm水槽:アクアシステム ルノアール 360)を作りました。
小さな水草水槽は大きな水槽ほどの迫力はありませんが、メンテナンスが楽なので、これから水草水槽をつくろうかなと思っている初心者の方におすすめです。
水草水槽は、熱帯魚というより植物(水草)を見て楽しむもので、派手な動きはありませんが、色とりどりの葉の色とその成長を見ていると心が落ち着きます。
観葉植物の水中版ともいえる水草水槽ですが、観葉植物との決定的な違いは光合成が目に見えることです。水草の葉っぱから出てくる酸素の粒は銀色に輝きとてもきれいですよ。(小さな子供たちに見せると、植物の光合成が実感できて、よい勉強になります)
それでは、水草水槽をリセットした様子を紹介した後に水草水槽の基本的な考えを解説します。
水草水槽リセットの様子
リセットなので、使用した水槽や器具はすべてあり合わせの古いものを使用しています。一つひとつの工程を詳しく解説するときりがないので簡略に紹介します。
水槽と底砂をきれいに洗い、再セットして水を張ったところです。(水は濁っています)
ろ過装置とエアーレーション設備をセットし、1昼夜(24時間)水を循環させます。
※ 前日なで使用していた「ろ材」を再利用(水をきれいにしてくれるバクテリアが豊富)しているため24時間程度の水循環で透き通った水になります。
水が透き通ったら、水草を植えます。
※ 底砂を触ると、すこし水が濁りますが、すぐに透明な水になります。
二酸化炭素(CO2)を添加します。
※ 添加量の調整と添加時間は後述します。
最後に生体(魚やエビなど)を入れます。(生体は入れなくてもいいのですが、少し居るほうが水景が映えます)
※ 水草(植物)がメインなので生体は少なめにします。エビなどのお掃除生体は、水槽内や水草についたコケを食べてくれるので、掃除の回数を減らすことができます。
以上で水草水槽のリセットは完了です。しばらくすると水草が光合成をして、銀色の酸素の気泡が葉っぱから出てくるところが観察できます。
水草水槽の運転サイクルと二酸化炭素の添加量を調整
水槽のセットが完了したら、照明時間、二酸化炭素の添加時間、エアーレーションの時間を決めなければいけません。手動より、タイマーセットが便利です。観賞魚専用として販売しているタイマーがありますが、一日のうちで決めた時間に電源の入り切りできるものであれば問題なく使えます。(置き場所を決めて、コンセントが使いやす製品を選びましょう)
運転サイクルの基本
- ろ過装置:24時間止めることなく運転
- 照明時間:6~8時間が目安
- 二酸化炭素の添加時間:照明時間と同じに設定(植物は光と二酸化炭素で光合成するため)
- エアーレーション:消灯(照明器具が消る時間)から概ね1時間後~次に点灯するまでの時間
二酸化炭素の添加
水槽に生体がいなく水草だけであれば、多めに二酸化炭素を添加しても問題ありませんが、生体がいる場合は添加量に気をつけなければなりません。添加量が多すぎると酸素が欠乏して全滅してしまいます。
失敗談
子供が幼い頃、CO2レギュレターの調整をさせた際ブクブクと大量に添加してしまい、生体が全滅したことがあります。しかし、しばらくするとすべての水草が光合成を加速し、見事な銀色の水草になりました。
子供は熱帯魚が死んでしまった悲しみで泣いたのですが、失敗もいい経験で、今は人を大切にする優しい大人に成長したと感じています。
二酸化炭素の添加には、CO2システムを使います。今回、使用しているCO2システムは30年以上前に購入したADA(アクアデザインアマノ)もので、CO2システムの元祖だったと思います。
現在はいろんなメーカーがこぞって開発し、使いやすくてデザイン性の良いものを販売しているので、これがおすすめとは言い切れません。
システムの主要な内訳は、CO2ボンベとスタンド、レギュレター、耐圧ホース、ボールバルブ、CO2バブルカウンター、パレングラス(CO2拡散器)です。
添加量の調整
添加量の調整は、CO2バブルカウンターを見ながらレギュレーターで圧力を調整して量を決めます。
添加量の目安は、CO2バブルカウンターの気泡が1秒間に1粒ほど出るように調整します。慣れが必要ですが、うまく調整できれば、パレングラス(CO2拡散器)から細かい二酸化炭素の泡が出てきて水に溶け込みます。
この説明でCO2システムの内容がわかりにくい方は、こちらのサイトで詳しく調べてみてください➡Amazon「CO2システム フルセット」
水草水槽とは
水草水槽は水槽の中で植物を育てて美しい水景を作り出します。そのためには、人工的に植物の発育に必要な栄養や光など、自然の生態系を再現しなければなりません。
それは、植物の栽培に必要な栄養は生体(魚など)のフンや底砂を利用し、日中は照明器具による照射によって光合成を促します。光合成で放出された酸素は生体が呼吸に使い、二酸化炭素を放出するといったサイクルを再現するということです。
また、植物は光合成(二酸化炭素を取り入れ酸素を放出する)だけではなく、動物と同じように呼吸(酸素を吸い二酸化炭素を出す)をしています。
これらを踏まえ、小さな水槽の中で自然の生態系を再現しようと試みるのですが、本物の自然にはかなわないというのが現状です。
インテリアとしての水草水槽
親が熱帯魚を飼育していたので、生まれた頃から熱帯魚を飼育しています。過去には、水草水槽、テラリュウム、海水魚、サンゴなど熱帯のものもあれば、錦鯉、らんちゅうなども飼育しました。
ですので、インテリアに使えそうな水草水槽を紹介します。すべて私が作った水草水槽です。
まとめ
今回は、小さな水草水槽をリセットした様子を紹介しながら、水草水槽の基本的な考え方の解説および、過去にデザインしたアクアリュウムを紹介しました。
とくに重点を置いたのは二酸化炭素でしたが、それ以外にも重要なことがたくさんあります。すべてを解説することはできませんでしたが、水草水槽がどうゆうものか概ねわかって頂けたのではないでしょうか。
これから水草水槽を始める方は参考にしてくださいね。
子供のころから熱帯魚の飼育をしているため、新規に買わなくても概ねの機材はそろっています。保管する前にしっかりとメンテナンスしておけば、ほとんどのものが再利用できます。