人は生きているだけで何等かのストレスに晒されていて、それが無くなれば死んでしまします。
普通の人は気づかないのですが、食事をするのも、歩くのも、人の体に何らかの負荷が掛かり、肉体的にも精神的にもストレスがかかっているのです。これは、老人介護をしているとよくわかります。
私たちが考えているストレスは介護を要する老人ではないので少し違ってきます。
しかし、ストレスには良いストレスと悪いストレスがあり、いかにコントロールするかで人生そのものが変わってくるのです。
ストレスの種類と対処法
ストレスの定義はいろいろとありますが、難しいことはさておき、「良いストレス」と「悪いストレス」について考えてみます。
「良いストレス」と「悪いストレス」の違いは、何かを行うときの動機ともいえる「発信源」と「求める結果」が自身に合っているかで決まるのです。
人によって「求めているもの」も「価値観」も違うように、「ストレス」も人によって違う事も理解しておきましょう。
例えばプロゴルファーを目指している人は1日に3,000発ものボールを打つ練習をするそうですですが、ゴルフに興味のない人から見れば、「そんなしんどい事、やりたくもない」でしょうし、無理やりやらされたら・・・・・最悪の「ストレス」になるのは理解できるでしょう。
良いストレスのかけ方
良いストレスとはアスリートによくある何か目的があって、自分が自分に負荷(ストレス)をかけることで、結果がイメージできるものです。これはスポーツだけでなく日常の生活や仕事、何でも同じです。
【良いストレス】
自分が決めた目標⇒仕事、勉強やトレーニング⇒目標達成(目標に届かず)
目標に届かない場合⇒再挑戦⇒いつかは何等かの結果が出る。
これは、結果が良くても悪くても自分が決めたことだから自分にかかっている負荷が「ストレス」にならないのです。そして結果がどうであれ、自分の成長が実感できるので自己肯定感が生まれるのです。
悪いストレスとは
悪いストレスとは過労死の原因である、やりたくもない仕事を無理やりやらなければならない時や、理不尽な扱いを受けた場合の「ストレス」で、「何のためにやっているのかわからない」「何が目的なのかわからない」といった状態で、ただ膨大な自分の時間を使わなければならない場合です。これも仕事だけでなく日常生活でもありうることです。
【悪いストレス】
他人に何かを強いられる⇒他人からの依頼なので目標が見えない⇒出す結果が見えないので時間がかかる⇒やった結果にクレームが付く⇒何度でもやり直すことになる⇒いつまでたっても終わらない⇒負のサイクルに陥りノイローゼ⇒「うつ病」になる
悪いストレスの対処法
悪いストレスの対処法は、ストレッサー(ストレスを与える人)から離れることです。家族にストレッサーがいる場合は、その家庭の事情によって様々ですので一概に結論は出せませんが、勤めている会社にストレッサーがいる場合は割りと簡単です。
あくまで私の意見ですが「過剰なストレス」を感じる会社は辞める。これで、すべて解決です。
そして、出来るだけ早く辞めた方がダメージが少なくて済みます。仕事はいくらでもあります。
私が社会人になってすぐの頃に友人の母親が息子に向けた言葉。
会社は面白いか?
会社は一日で一番長い時間居る所だから、嫌ならすぐに辞めなさいよ。友人の母親の言葉
私の母親からは「石の上にも3年」、我慢しなさいと教えられてきた昭和の時代、この自由な考え方に感心しました。
「うつ病」を発祥するまでに会社を辞める
数十年間、たくさんの事例を見てきてわかったことですが、「企業と個人」「上司と部下」には言葉では言い表せない複雑な関係があり、一件ごとに対処する方法も違うのも確かなことです。
しかし、問題の観点がどこであれ「うつ病」を発祥した人たちに共通して言えることは、社会復帰そのものが非常に難しいということです。
【事 例】
1. 人生を悲観して自殺(これは最悪の事態)
2. 会社に復帰できずに退職、「うつ病」を引きずり再就職がうまく行かない。
3. 会社に復帰したが、また「うつ病」を再発。
4. 会社に復帰し元の状態に戻るまで数年間を要した。
こうした人たちが陥るのは「うつ病」になった原因を探ろうとして益々深みにハマっていくことです。
原因は「どうでもいい事」と忘れることです。
「うつ病」は私たちが思っている以上に精神的ダメージが大きいものです。うまく治療できても回復まで数年、人によっては一生治らないこともあります。
外見では判断しにくい病気ですが、「一生」に関わる病気です。そして、「癌」と同じように早期発見と早期治療が最善の対策なのです。
原因が何であれ、会社に勤めていて「悪いストレス」を感じたときは要注意です。
「我慢」をする必要はありません。
自分では感じにくい事ですが、家族や友人から「おかしい」と思われたら疑ってみる。
これ以上は無理と思ったら⇒会社を休む(周りのことは気にしない)⇒病院に行く⇒必要ならば長期休養(健康保険で傷病手当が受けられる)⇒会社を辞める
私見ですが、会社で「悪いストレス」を感じたら退職がいいと思います。長い仕事人生、1年程度リフレッシュした方がパフォーマンスが上がるのではないでしょうか。